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化学療法は必要でしょうか?

[管理番号:4005]
性別:女性
年齢:50歳
田澤先生、初めまして。
いつもこちらのQA&で、勉強させていただいています。
さて、7月に乳癌の診断がでまして、10月下旬に左乳房切除、センチネルリンパ節生検、腋窩郭清しました。
病理結果より、主治医から化学療法(TC3w×4)を勧められています。
田澤先生の見解をお聞きしたいと思います。
宜しくお願いします。
〈病理結果〉
浸潤性小葉癌
大きさ:約10×6cm(ステージⅡ?)
波及度:脂肪組織まで ly:0 v:0
乳管内進展(-)
断端:取りきれていると判断
リンパ節転移(+)SLN1/4、非SLN(0/27)
核異型度:グレード:2
ER:7 PR:5
HER-2:0(陰性)
Ki67:5%
主治医曰く、「ホルモンレセプター陽性だから内分泌療法なんだけど、浸潤径が大きいので、化学療法を勧めます。
その後、ホルモン療法TAM+Zolad」
以前、こちらのQ&Aでも浸潤径が広くKi67が20~30%の方がおられて、化学療法が必要と思われるとありましたが、私のケースはKi67が低値なので、慎重になっています。
化学療法も受けた人30%程の再発抑制とも聞いた事があります。
今週の金曜日に返事をするのですが、田澤先生のお考えをお聞かせくださいませんか?
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
Ki67=5% 明らかなルミナールAです。
小葉癌は浸潤径が大きいのは、全くめずらしくありません(乳房切除したのだから、気にする必要ありません)
それよりも化学療法の上乗せはありません。
「浸潤径が大きいので、化学療法を勧めます。」
⇒根拠がありません。
「化学療法も受けた人30%程の再発抑制とも聞いた事があります。」
⇒もしもOncotype DXを受けて見れば(明らかなルミナールAだから不要ですが…)
殆ど「上乗せがない」ことが判明すると思います。
「田澤先生のお考えをお聞かせくださいませんか?」
⇒勿論、化学療法は勧めません。
 ホルモン療法(TAM+LH-RHagonist)です。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

田澤先生、こんにちは。
以前に4005番で質問をさせていただきました。
前回は「ルミナールAに化学療法は必要でしょうか?」の疑問に「化学療法は必要ない、ホルモン療法+LH-RHアゴニスト」の回答をありがとうございました。
自信をもって治療に進む事ができました。
さて、今回は定期検診で主治医の先生との会話の中で、改めてステージの確認をしたところ、「T3だからステージⅢだね」と言われて動揺しています。
こちらのプラザのQ&Aで小葉癌の場合は浸潤径が大きくなりがちではあるが、乳管癌のそれとは異なります。
とあったように記憶しているのですが、やはり約10×6cmという大きさはステージⅢとなってしまうのでしょうか?また、「病理に提出した検体のリンパ(SLN1/4)
は2㎜あって、切断されているからもとはそれより大きいね」の言葉も改めて聞き心配です。
ステージⅡとⅢでは予後がだいぶ変わるように感じます。
「治療はサブタイプ、予後はステージ」と聞くので非常に不安です。
5年、10年の再発率、生存率はどのくらいなのでしょうか?
また、小葉癌は大人しいと聞ききますが、
浸潤径が大きいという事は、血行性転移にも影響があるのでしょうか?
前回と重複しますが、病理結果を記します。
〈病理結果〉
浸潤性小葉癌
大きさ:約10×6cm
波及度:脂肪組織まで ly:0 v:0
乳管内進展(-)
断端:取りきれていると判断
リンパ節転移(+)SLN1/4、非SLN(0/27)
核異型度:グレート2
ER:7 PgR:5 HER2:0(陰性)
Ki67:5%
御多忙の中、宜しくお願いします。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
何故、その担当医はどうでもいいことをコメントするのか全く理解に苦しみます。
もしも生存率が知りたいのであれば、是非OncotypeDXしてください。(統計ソフトでは、「小葉癌では変に、浸潤径が大きくなりすぎて」正確な値となりません)
それよりも、物事はシンプルに考えなくてはなりません。
治療で必要な事は「効くものを行う」ということです。(それ以外の理由など、全く無用です)
Ki67が一桁である、明らかなルミナールAに「化学療法を勧める」事自体、全くナンセンスなのです。