[管理番号:513]
性別:女性
年齢:38歳
はじめまして。田澤先生の回答を拝見させて頂きながら勉強しております。
乳ガン患者さんへの心温まる回答が私も質問させて頂く勇気になりました。
宜しくお願い致します。
【病理診断】
トリプルネガティブ
ステージ2a
Ki67-80%
今術前抗がん剤7クール目で3センチ程あった腫瘍が超音波検査で見えなくなりました。(FEC→ドセタキセル)
担当の主治医は見えなくても全切したほうがいいっと言いてますが、自分としては、しこりもう消えたし、手術したくないですが、私のような場合は手術しなくてもいいでしょうか?
先生の回答を宜しくお願い致します。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
術前化学療法でのcCR(clinical complete response)=臨床的完全寛解という状況です。
まずはおめでとうございます。
回答
「担当の主治医は見えなくても全切したほうがいいっと言いてますが、自分としては、しこりもう消えたし、手術したくないですが、私のような場合は手術しなくてもいいでしょうか?」
⇒手術はしなくてはなりません。
超音波(を含む画像検査)で見えなくなる(消える)事と、癌が「細胞レベルで焼失」することは全く異なる事なのです。
○超音波で見えなくても「癌細胞が生き残っている可能性」はあります。
それを検査するのは「摘出して、それを顕微鏡で見る」しか手段が無いのです。
「主治医は見えなくても全切したほうがいい」
⇒ただ、全摘が必要かどうかは「やや疑問」が残ります。
もともと3センチの腫瘍であれば、「その部分を摘出する」温存術ができるはずですが?
それとも、もともと多発など「小さくなっても温存できない状況」だったのでしょうか?
もし「もともと多発で、小さくなっても温存できない」のであれば、「術前化学療法の適応に問題」ありと思いますが…