[管理番号:948]
性別:女性
年齢:48歳
質問者様の別の質問質問が新たな内容のため、別の管理番号としました。 |
田澤先生、いつも 私達患者のために先生の貴重しんなお時間をQ&Aに費やして下さり深く感謝申し上げます。
以前、小葉ガンだったことが術後にわかったが折りをみて全摘したほうがよいかとご相談した者です。これにつきましては、主治医が断端マイナスだったことで今更って言われましたが次の診察で2ヶ月に一回ほどのエコーをお願いする予定でいます。
今日は、10日ほど前からの腰痛と背中痛について教えていただきたいのです。
元々、腰痛持ちでした。今回の強い痛みの腰痛が起こる3日ほど前に親戚のお葬式があり長時間立ちっぱなしでした。2、3日で良くなるかと安静にしてますが、なかなか良くなりません。背中も同様に痛いです。
そこで、もしかしたら骨転移ではないかと心配になり不安な日を過ごしています。最近、とても疲れやすくウォーキングも億劫です。
今、術後5ヶ月です。リュープロレリンとタスオミンのホルモン治療中です。ステージ1、グレード1でした。
次の診察は1ヶ月後ですが、その時に術後6ヶ月の血液検査とCTと言われてます。背中から腰にかけての痛みを訴えたらどのような検査をしますか?と、言いますか、主治医はこちらから提案しないと検査などは積極的にやるタイプではありません。どんな検査をしてもらえば良いでしょうか。2月に術前の検査で骨シンチをしたときは異常なしと言われました。術後半年くらいで転移とかしますか?
※先生のこのQ&Aは私達の支えです。地方在住で先生に診ていただくことは叶いませんが
こうして診察室で主治医にも聞きにくいことを先生のような経験豊富なベテランの先生にお答えいただけるのは本当に幸せなことです。先生とサイトを通じまして繋がれたこと、本当に感謝しかありません。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「異なる乳管系」の多発乳癌(小葉癌)との事で以前「全摘を検討されていた」方ですね。
「局所再発のリスクへの思い」が「過剰に骨転移などへの恐怖」を増強させているとしたら残念なことです。
回答
「術後6ヶ月の血液検査とCT」
⇒CTは質問者の要望でしょうか?
通常「早期乳癌」で「術後6カ月でCT」はやり過ぎだと思います。
「どんな検査をしてもらえば良いでしょうか」
⇒腰背部痛ならば「単純レントゲンで十分」です。
万が一骨転移があれば、十分に解ります(骨転移ではないと思いますが)
骨シンチなど全く無用です。
♯骨シンチは「症状が特にない、全身をスクリーニング」するためにあります。
「術後半年くらいで転移とかしますか?」
⇒転移では無いと思います。
私の経験上、「普通の乳癌」で半年で転移した患者さんはいません。
○乳癌において「術後半年で再発」という事態は「非常に特殊」であり、私の経験では
「初診時、手術不能乳癌」であり、「術前抗癌剤でなんとか手術にこぎつけた」ような「再発高リスク」の状況でしか「そのようなケース」はありません。
質問者様から 【質問2】
いつも、自分の病気について学ばせていただきましてありがとうございます。
去年3月に腫瘍1センチ、2センチの温存手術を、経て心配事はあるものの、検査結果も順調にきてましたが、術後9ヶ月の血液検査でICTPというマーカーを初めて調べましたら基準値より高値の5、7とでて、心臓がバクバクして主治医にいろいろ聞かずに帰宅してしまいました。
このマーカーは、骨転移を調べるマーカーのようですが、術後1年も経たないうちに転移は考えられますか?
主治医は4月に一年検診としてCTと骨シンチをやると話してました。
骨シンチをすれば、はっきりするのでしょうか。
ちなみに、ルミナルAタイプでリンパなどへの転移は無しでした。
ki67はどちらの腫瘍も1%でした(1%なんて値あるのでしょうか。)
また、骨シンチなどの検診を4月まで先延ばしでよいのでしょうか。
早くやってもらわないといけないのではと、気ばかり焦ってしまいます。
お忙しいなか、申し訳ございませんがお答えいただけたら幸いです。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
「術後9ヶ月の血液検査でICTPというマーカーを初めて調べましたら基準値より高値の5、7」
⇒大した数値ではありません。
I-CTPは「幅のある数値」なので「異常値」とは言えません。
乳癌の腫瘍マーカーとしては「CEA と CA15-3」で十分です。
「このマーカーは、骨転移を調べるマーカーのようですが、術後1年も経たないうちに転移は考えられますか?」
⇒この値では「骨転移を考える必要は全く無」です。
「主治医は4月に一年検診としてCTと骨シンチをやると話してました。」
⇒無駄な医療被曝です。
私であれば、「腫瘍マーカーを2~3カ月後再検」するだけです。
○無駄な医療被爆については トップページの 「今週のコラム 6回目 無駄どころか、有害なのです」を参照してください。
「骨シンチをすれば、はっきりするのでしょうか。」
⇒(無意味ですが)異常が無い事は解ります。
「ki67はどちらの腫瘍も1%でした(1%なんて値あるのでしょうか。」
⇒あります。
「また、骨シンチなどの検診を4月まで先延ばしでよいのでしょうか。」
⇒骨シンチは不要です。
後日「I-CTPを再検」してもらいましょう。
○心配無用です。