[管理番号:4352]
性別:女性
年齢:46歳
初めてご相談させて頂きます。
昨年末、乳頭腺管癌が見つかり、今年初旬に右乳房温存手術を行いました。
術後の治療に関して、化学療法が必要か迷っています。
腫瘍径:1.5センチ
腋窩郭清:1個 大きめ
NG:1
LY:0
V:0
ER:+8
PGR:+8
HER2:陰性
切除断片:陰性
ki67:13%
放射線治療、ホルモン治療はうけるつもりですが、医師から抗がん剤も
視野に入れてもいいかも、と言われ悩んでいます。
医師が勧める理由としては、ki67値が低くはない、ということと、リンパ節転移が1つといえども大きかったこと、また年齢的な事からだそうです。
担当医師にはCMF療法も選択肢のひとつだと言われましたが、田澤先生は
はCMF療法に関して「標準治療でない」とおしゃっていますが、先生の病院では
CMF療法を選択される方はいらっしゃらないのでしょうか?
いくら副作用がマイルドとはいえ、せっかくうけても効果が無い抗がん剤のようでしたら
他の抗がん剤を選択したいと思っていますが、私のタイプの場合はどの抗がん剤が良いと思われますでしょうか?
オンコタイプDXは、せっかくしても迷う結果が出そうな気がして、また簡単に出せる金額でもないため、躊躇しています。
乳がんとわかってからこれまで、余計な不安をあおられる気がしてネットはあえて見ないようにしてきましたが、今回術後の治療に関して本当にに悩んで、こちらのHPに辿りつきました。
お忙しい中、おひとりおひとりの気持ちに寄り添い、的確なアドバイスをされる田澤先生には頭の下がる想いでいっぱいです。
お忙しい中恐縮ですが、ぜひご教授頂けたらと思っています。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「Ki67=13%は(担当医のコメントとは全く正反対に)明らかな低値」であり、ルミナールAで間違いありません。
この値では、そもそもOncotypeDXは無駄(low riskとなるでしょう)であり、私は勧めません。
『ルミナールAでは腫瘍の大きさやリンパ節転移にかかわらず、化学療法のbenefitがない』ことは明白です。
「ki67値が低くはない」
⇒Ki67=13%を「低くはない」などと言う医師は(生まれて)初めてです。
♯「明らかに低値」です。
「リンパ節転移が1つといえども大きかった」
⇒全く「根拠薄弱」です。
「年齢的な事」
⇒一体、「いつの時代」ですか??
「一昔」ならばまだしも、(30代の乳癌が急増している)このご時世に「46歳を化学療法を勧める根拠にする」事自体、全くナンセンスです。
私であれば、「20代なら、考えます」が、でも実際は(根拠がないので)勧めることはありません。
「先生の病院病院ではCMF療法を選択される方はいらっしゃらないのでしょうか?」
⇒私が江戸川病院に赴任して4月で3年となりますが…
CMFは1度もありません。
♯この10年位は行っていません。
「私のタイプの場合はどの抗がん剤が良いと思われますでしょうか?」
⇒抗癌剤の上乗せは殆どありません。
質問者様から 【質問2 】
術後の治療方針について
性別:女性
年齢:49歳
病名:
症状:
3年前に術後の治療方針についてご教授頂いた者です。
その節は、大変ありがとうございました。
先生のアドバイス通り、ホルモン治療のみを現在続けておりますが、再発もなく元気に過ごしております。
現在、ニュープリンの注射とノルバテックスを服用していますが、抗がん剤をしなかったことから、担当医師からは、通常より長めに、それぞれ5年と10年と言われています。
長くホルモン治療を続けることにデメリットはないのか、本当にこんなに長く必要なのか考えるようになりました。
先生でしたら、どれくらいの期間が妥当とお考えでしょうか。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
「担当医師からは、通常より長めに、それぞれ5年と10年と言われています。」
→「抗がん剤をしなかったから」という理由は全く論外ですが…(そんなこと無関係!)
LH-RHagonistは5年が適切です。
tamoxifenは5年~10年(5年経ってから、再度相談してみては?)
「長くホルモン治療を続けることにデメリットはないのか、本当にこんなに長く必要なのか考えるようになりました。」
→tamoxifenの10年投与の有用性が証明されたのは事実です。
ただし、質問者のおっしゃるようにデメリット(経済的、副作用)もあるので、5年後に再度相談しては?
「先生でしたら、どれくらいの期間が妥当とお考えでしょうか。」
→私は、最初から10年などとは言いません。
まずは5年間、5年経ったら再度相談すればいいのです。