[管理番号:3003]
性別:女性
年齢:62歳
先月下旬温存手術を受け、先日病理検査が出て今後の治療方針が示されました。
細かいデータは示されていないのですが
右乳房アポクリンがん ステージ2A、(腫瘍の大きさはエコーの画面では1センチ程度であったと思われます。)
リンパ節転移2(2/14)術前の超音波でリンパの肥大が数個あった。
断端陽性、エストロゲンレセプター0、プロゲステロンレセプター0
HER2+ Fish検査中 ki3%
今後EC(アドレアマイシン・エンドキサン)4 HERが陰性ならタキサン4 その後切除するか、放射線治療とするかを考える と言われました。
針生検の時も、術前のエコーでも「中心がわからない」「腫瘍自体はそれほど大きくないが、周囲に隠れている場合があるので広めに取る」ということでした。
しかし病理では、がん細胞が残っているということでした。
しこり自体は自分でも自覚できないくらいでした。
アポクリンがん自体はおとなしい癌と聞いていたのでショックでした。
① kiの数値が低いこともあり、進行のスピードは遅い。
にもかかわらずリンパ節にまで転移していることから、かなり前から存在してい たということでしょうか?
10年前から年1度マンモとエコーはしています。
② kiの数値からトリプルネガティブの可能性が高いと思われます
再発防止のために抗がん剤は絶対必須ですか?
③ 再手術で切除しなくてはならないでしょうか。
全摘することに抵抗はありません。
④ 全摘する場合、抗がん剤と再手術とどちらを優先させるべきでしょうか。
⑤ 仕事の都合で、手術・抗がん剤のいずれにしても、8月以降でも大丈夫でしょうか。
手術まで自分の病気に関して全く無知で、また、告知された時もぼう然となり「質問?」と言われても何も言えませんでした。
入院・その後の療養中にこのサイトを知り、勉強させていただきました。
主治医は本県では、術数も多いベテランで、手術・治療を受けた知人からも絶大な信頼をうけており、私も紹介されて最初から検診を受けています。
提示された化学療法を受けざるをえないとは思っていますが、先生のご教示もいただきたく存じます。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
アポクリン癌は「予後良好である」特殊型ではありますが、ガイドライン上は「通常の乳管癌と同様に扱う」こととなっています。
Ki67も非常に低く「抗がん剤の効果があまり期待できない」とは言え、「他の治療が無い以上」抗がん剤の適応となるのです。
pT1, pN1, pStage2A
「① kiの数値が低いこともあり、進行のスピードは遅い。にもかかわ らずリンパ節にまで転移していることから、かなり前から存在してい たということでしょうか?10年前から年1度マンモとエコーはしています。」
⇒比較的見つけづらかったのかもしれません。
「② kiの数値からトリプルネガティブの可能性が高いと思われます 再発防止のために抗がん剤は絶対必須ですか?」
⇒ガイドラインではそうなります。
「③ 再手術で切除しなくてはならないでしょうか。全摘することに抵抗 はありません。」
⇒病理結果によります(断端の状況など)
「④ 全摘する場合、抗がん剤と再手術とどちらを優先させるべきでしょうか。」
⇒通常は「手術先行」となります。
ただ、(手術待ちなどで)期間が空くならば抗がん剤を(術後の分を)少し前倒しでやっておいても問題ありません。
「⑤ 仕事の都合で、手術・抗がん剤のいずれにしても、8月以降でも大丈夫でしょうか。」
⇒全く問題ありません。
質問者様から 【質問2】
この欄での先生のコメントにいつも勇気づけられています。
PT1,PN1,ステージ2A,ki67 3% アポクリン癌 温存手術後化学療法中です。
経過:6月下旬からEC4回、現在ドセタキセル3クルー中。
EC
1回目11日目から発熱、シプロキサンの副作用からか蕁麻疹、胃痛、吐き気 血尿? 以後抗がん剤投与後24時間後ジーラスタを打っています。
ドセタキセル2回目9日目発熱と下痢、発熱性好中球減少症と診断され3日入院。
今回3回目4日目ごろから帯状疱疹ができて現在入院して8時間ごとの点滴を受けています。
(いわゆる帯状疱疹のでかたとは違い、術側の胸、背中だけでなく腕や頭などいたるところなのでそれとは思わず重症化しました。)
トリプルネガティブでもあり出来る限りのことはすると前向きに取り組んできましがここにきて後1回が不安です。
ジーラスタも打ち自分なりに細心の注意を払っているつもりなのに。
後1回中止すると大幅に効果は変わりますか。
また、後1回を乗りきるため、減薬、延期どちらが、より有効でしょうか?ちなみにEC最終回を6日延期、ドセタキセル3回目を3日延期した以外は規定どおりです。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
ECの後、DTX3回行ったのですね。
そもそもアポクリン癌でKi67=3%だと「化学療法をやるべきか?」という議論にはなると思います。
いずれにせよ、「DTX3回で終了」すべきです。(困難な副作用をおしてまで、4回に拘る必要はさすがにありません)