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術後の治療について

[管理番号:2525]
性別:女性
年齢:44歳
初めまして。
昨年12月に左乳がんとの診断を受けてから、色々勉強させていただいております。
こちらのサイトで術前化学療法のリスクを知り、手術先行をお願いして、広がりが大きかったので先月全摘手術をしました。
術前の画像診断と針生検では、大きさ3cm以上(1~1.5cmくらいのしこりが繋がって見える)、MRIでの広がり5cm大、核異形度3、ステージ2Aと言われていましたが、術後の病理結果で以下の結果でした。
がんの大きさ5cm
浸潤径4mm
(針生検で浸潤がんが取れているので実際はもう少し大きいようです)
脈管侵襲 なし
リンパ節転移 なし
核異形度 1
ホルモン受容体0
HER2 +3
Ki67 40%
病理結果は4mmですが針生検で取れた部分も含めると「浸潤径が5mm以下」には当たらないと思いますので、術後補助療法として、やるべき事をしっかりをやりたいと思っています。
ホルモン治療の適応が無い事、母と伯母(母方・父方共に)が乳がんを患っている事、ki67の値が高い事から、TC4回→ハーセプチン1年間の治療をする事になりました。
アンスラサイクリンまでは必要無いのではと言うお話でしたが、この選択は間違っていないでしょうか。
6年ほど前に右股関節臼蓋不全と診断され、安静時にも常時痛みを感じていましたので、術前に骨シンチをお願いところ、やはり右の股関節は真っ黒に写っており、左も少し黒く写っていましたが炎症性ですとの事でした。
今後経過観察をしていく中で、やはり骨への転移を心配してしまうのですが、炎症と転移は整形外科などの普通のレントゲンでわかるのでしょうか?
長文になり申し訳ありません。
ご意見をお聞かせ願えれば幸いです。
よろしくお願い致します。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
pT1a(4mm), pN0, HER2 type
質問者も良くご理解されているように、本来「5mm以下では抗HER2療法は不要」です。
質問者は「針生検で取れた部分も含めると浸潤径が5mm以下にあたらない」としていますが、それを言ったら(質問者同様に)「殆ど全ての人が術前に針生検を行い、その結果での浸潤径を用いている」ことも指摘しておきます。
○私であれば「無治療」とするでしょう。
 ただ、「抗HER2療法の有害事象」を承知したうえで「適応外であることも理解」された上での選択であれば… というところでしょうか。(保険診療である以上、医療財政の圧迫の問題は残るのです)
 
「アンスラサイクリンまでは必要無いのではと言うお話でしたが、この選択は間違っていないでしょうか」
⇒抗HER2療法自体の「適応」に問題がありますが…
 アンスラサイクリンは勿論不要です。
 
「今後経過観察をしていく中で、やはり骨への転移を心配してしまう」
⇒無用です。
 「医療被曝」の問題をもう少し考えてください。
 
「炎症と転移は整形外科などの普通のレントゲンでわかるのでしょうか?」
⇒解ります。