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術後の治療方針について

[管理番号:2384]
性別:女性
年齢:40歳
田澤先生おはようございます。
告知以降、精神的に不安になることばかりで、先生のわかりやすい回答を拝見していつも励みにさせていただいております。
本当にありがとうございます。
先日左胸乳房温存術を受け病理結果が出ましたので今後の治療方針について是非先生のご意見をお伺いしたいと存じます。
年齢:40歳
〈病理結果〉
浸潤径:2.0cm×1.4cm
リンパ節:2個/12個 腋窩リンパ節郭清
核異型度:1 ※セカンドオピニオンを受ける前の病院では3
リンパ管侵襲:1、血管への侵襲なし
悪性度:ki67:36%. p53:1+. HER2:-
ホルモン受容体ER:2+99%. PgR:2+99%
先生にお伺いしたいのは以下の3点についてです。
①放射線治療を予定していますが、先生の患者さんであれば、ホルモン療法に化学療法の追加を薦められますか。
主治医より抗がん剤をすることでの再発率への上乗せ効果は5%とのことでしたので、副作用や仕事への復帰の影響を考慮し、可能であれば避けたいです。
先生がお持ちの膨大なご経験による再発率や生存率上乗せについても併せてご教示ください。
②①の結果が薦められるということであれば、使用を考慮される薬剤及び期間をご教示ください。
③私には子宮筋腫があり5年前に子宮筋腫核出術を受け現在再発しています。
ホルモン療法が子宮筋腫に与える影響及び先生であれば、使用される薬剤や期間についてご教示ください。
お忙しい中大変恐れ入りますが、よろしくお願いいたします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
pT1c(20mm), pN1, luminal B, NG1
「①放射線治療を予定していますが、先生の患者さんであれば、ホルモン療法に化学療法の追加を薦められますか。」
⇒luminalBなので基本的に勧めます。
 
「先生がお持ちの膨大なご経験による再発率や生存率上乗せについても併せてご教示ください。」

10年生存率 再発率
ホルモン療法のみ 92% 15%
ホルモン療法+化学療法 94% 10%

 
「②①の結果が薦められるということであれば、使用を考慮される薬剤及び期間をご教示ください。」
⇒薬剤はTC(ドセタキセル+エンドキサン)
 期間 3カ月
 
「③私には子宮筋腫があり5年前に子宮筋腫核出術を受け現在再発しています。ホルモン療法が子宮筋腫に与える影響及び先生であれば、使用される薬剤や期間についてご教示ください。」
⇒タモキシフェン 5年です。
 ただし、「子宮筋腫に悪影響を及ぼす」可能性があるので、その場合には「LH-RHagonist」の併用も考慮します。
 
 

 

質問者様から 【質問2 治療方針について】

性別:女性
年齢:42歳
治療を進めていくにあたり、迷うことがありご相談させていただきたくお願いいたします。
私は今タモキシフェンの服用と3ヶ月に1度ゾラデックスを併用しています。
生理を止めているはずが、たまに少量の出血があります。
そして、定期的に受診している婦人科にて、子宮筋腫が2017年春には3cm.4cmだったものが2017年秋頃に10cm近くになってしまったとのことで腹部M R Iをとりました。
関連性は不明ですが、もともと膀胱にあった腫瘤の方も大きくなっているようです。
乳腺の主治医に相談したところ、タモキシフェンを止めて閉経後の方に用いられるアロマターゼ阻害薬を服用するように提案されました。
子宮筋腫は気にはなるものの、タモキシフェンの服用を止めること及び閉経後のお薬が果たして自身の再発予防に効果があるのか、とても不安が残ります。
ご多忙な中恐れ入りますが、田澤先生であればどう対処されるのか是非ご教示をお願いいたします。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
悩むようなことではありません。
タモキシフェンは「子宮への刺激作用(筋腫増大や出血)」があります。
LH-RHagonistを併用する事で対処できる事も多いですが…
それでも治まらない(筋腫増大や出血の持続)場合には、「当然」タモキシフェンを止めます。
「乳腺の主治医に相談したところ、タモキシフェンを止めて閉経後の方に用いられるアロマターゼ阻害薬を服用するように提案」
⇒閉経前に(閉経後の薬剤である)アロマターゼ阻害剤を用いることは「如何なる理由があっても」行ってはいけません。
「田澤先生であればどう対処されるのか」
⇒(タモキシフェンを中止して)ゾラデックスのみとします。
 そして「筋腫増大や出血が落ち着いたら」再開も考慮します。