[管理番号:498]
性別:女性
年齢:50歳
初めて質問させていただきます。
3月上旬に1㎝大の乳ガンの摘出術を受けました。
リンパ節転移なし、断端も取り切れてるということで5月20日より放射線治療を始めました。
最近、乳首の痛みがあります。
押さえるともちろん痛いのですが、何もない時も時々痛みます。
また、皮膚の色の変化も治療後半頃から見られるということでしたが、11回目を終えて照射してない方と比べると赤身を帯びているように見えます。
こんなに早くに症状は出るものでしょうか。
(2015年6月の質問)
田澤先生からの回答
「術後の放射線照射」ですね。
温存乳房照射は「比較的副作用も無く、安全な治療」ですが、それでも「いくらかの」副作用はあります。
回答
「最近、乳首の痛みがあります。」
⇒「全身療法の記載」がありませんが、「ホルモン療法」は施行していないのでしょうか?
ホルモン療法をすると、刺激で「乳頭や乳房の痛み」が起こる事があります。
「11回目を終えて照射してない方と比べると赤身を帯びているように見えます。こんなに早くに症状は出るものでしょうか。」
⇒早くに症状が出る方もいらっしゃいます。
「日焼けのし易さ」にも大きな個人差がありますが、同様なことが「照射後皮膚炎」にも言えます。
「日焼けで真っ赤になり易い人」は特に強くでます。
質問者様から 【質問2】
ありがとうございます。
ホルモン剤は術後1ヶ月後くらいから飲み始めましたので、2ヶ月経過したくらいになります。
放射線治療で悪化してしまったりとかはないのでしょうか?
日常生活に差し支えない程度でしたら、このままにしておいて大丈夫ですか?
あと、タイトルとは内容が違ってきてしまいますが、ホルモン剤はジェネリックのタモキシフェンを服用しております。
始めは金額的に安いからとジェネリックを希望しました。普通の風邪薬とかだったらジェネリックで十分だと思いますが、癌治療に対してジェネリックでも大丈夫なのだろうかと今になって不安になってきました。
最初を除き、次からは90日分づつ処方されますが、次回に薬を換えてもらうことは可能でしょうか?
5年間の服用になるので、積み重ねで効果に差が出てしまうことはありませんか?
質問者様から 【追加】
すみません。
もう1点書き忘れていました。
乳首の痛みは放射線照射側のみで反対側は痛みも何もありません。
質問者様から 【追加】
薬はノルバデックス錠20mgのジェネリックとしてタモキシフェン20mg「明治」を飲んでいます。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
やはり「ホルモン療法」行ってましたね。
特に「タモキシフェン」であれば、「乳頭や乳腺の刺激症状」は結構でます。
心配ありません。
回答
「放射線治療で悪化してしまったりとかはないのでしょうか?」
⇒大丈夫です。
放射線照射による「疼痛」がでる事もありますが、「全く機序が異なる」ので「悪化」したりはしません。
「日常生活に差し支えない程度でしたら、このままにしておいて大丈夫ですか?」
⇒大丈夫です。
「体に害を及ぼす」ような副作用ではありません。
あくまでも「ご本人の日常生活に支障が無ければ」全く問題ありません。
「癌治療に対してジェネリックでも大丈夫なのだろうか」
⇒全く問題ありません。
成分は一緒です。
しかも「タスオミン」は昔から使用されている薬剤であり、安心して服用していただけます。
「タモキシフェン」も同様です。
「次からは90日分づつ処方されますが、次回に薬を換えてもらうことは可能でしょうか?」
⇒勿論、いつでも変更可能です。
私は「特に変更を勧めませんが…」
「5年間の服用になるので、積み重ねで効果に差が出てしまうことはありませんか?」
⇒それは全くありません。
ただ、「精神的に」先発医薬品の方が安心であれば、「変更」しても構いません。
ご本人の納得できる方で差し支えありません。
「乳首の痛みは放射線照射側のみで反対側は痛みも何もありません。」
⇒これは手術の影響があるからです。
術後で疼痛に過敏になっているのです。
質問者様から 【感想3】
迅速かつ丁寧なご回答、ありがとうございました。
不安や悩みが随分と和らぎました。
両親が50歳代で癌にかかり、早くに亡くなったという経験もあり、癌に対する恐怖心は人並み以上のものを持ってしまっていると思います。
父については末期の肺癌で病院にかかっているので亡くなってしまうのは仕方のないことだったとは思いますが、化学療法から放射線治療を受け、様態が急変し、バタバタと亡くなってしまった経緯もあり、放射線治療は不安でたまりませんでした。
もちろん25年以上も前のことなので、今の技術やら精度やら比較にあたいしないものだと思いますが、その時の様子は風化することなく、癒えない傷のような形で心の奥底にとどまってしまっていたのだと思います。
ネットを通じてですが、先生のような医師に出会えたことに感謝申し上げます。
これから、じっくりと自分の体と付き合っていこうと思います。
ありがとうございました。
質問者様から 【質問4 放射線治療】
6月24日、全25回トータル50グレイの放射線照射を終えました。
ちょうど半分くらい照射を終えた頃、乳首の痛みを相談したら、アズノール軟膏を処方され塗っておりました(痛みに変わりはありませんでしたが…)
いよいよ後半にさしかかった頃、赤みがひどくなってくると全体に塗るよう指示がありましたので、照射部位全体に塗っておりました。
かゆみもひどくなりましたが終えた時点での皮膚の状態は良い方だと言われていました。
照射後、1週間を経過するとかゆみがあった部分がひりひりし始め、汗や水がしみるようになりました。
病院に相談しましたが、じくじくしなかったら、そのまま軟膏を塗り続ければ大丈夫とのことでした。
1日2回朝晩と軟膏を塗っていた回数を1日3回に増やしました。
それから、3~4日経過した頃から皮膚がむけ始め、痛みやらしみるのがひどくなりましたが、じくじくしていないのでこのまま軟膏を塗り続けたら、乗り切れるでしょうか。
放射線治療に通った病院が手術を受けた病院と異なり、大学病院なのでなおさら軽度では受診が難しいのだと思われます。
人それぞれ症状が違うようですし、不安で仕方ありませんのでご相談に乗っていただければと思って質問させていただきました。
よろしくお願いします。
田澤先生から 【回答4】
こんにちは。田澤です。
術後温存乳房照射での皮膚炎ですね。
回答
「皮膚がむけ始め、痛みやらしみるのがひどくなりましたが、じくじくしていないのでこのまま軟膏を塗り続けたら、乗り切れるでしょうか。」
⇒大丈夫です。
放射線皮膚炎です。
赤くなり、その後「皮が剥ける」
比較的症状が強くでているとは思いますが、「想定範囲内」のようです。
○問題となるのは「感染」です。
感染しなければ、「自然治癒」を待てば大丈夫です。
感染すると「じくじく」してくるので解る筈です。
質問者様から 【感想5】
ありがとうございます。
今のまま軟膏でのケアを続けていきます。
放射線治療で大学病院に通っていましたが、毎日診察の先生はかわるし、共通してたことはその日の照射回数をどの先生も告げてくれましたが、中にはまさかの間違いを言う先生もあり…
そして、3分診療どころじゃなく「変わりないですね」で1分もかからず診察終了の日々でした。
そのような中でもこの先生だったら、ちょっとわからないことを聞いてみようとか思える先生もいましたが、最後まで遠い感じのするところでした。
たいしたことない疑問にも快く答えて下さりありがとうございます。