乳がんは早期発見、早期治療を目指しましょう。乳がん手術は江戸川病院|乳がんプラザ



[管理番号:2183]
性別:女性
年齢:30歳
田澤先生こんばんは。
放射線治療について相談させていただきたくご連絡いたしました。
よろしくお願いします。
現在、術前化学療法(CEF療法4回、パクリタキセル12回)
と、12中旬に手術(左乳房温存手術と腋窩廓清)を終え、放射線治療を控えています。
乳がんのタイプ:トリプルネガティブ
腫瘍の大きさ:3.8×2.5×1.4cm
リンパ節転移:2~4個(明らかな転移は2個、はっきりしない影が2個。
1つ腫れが大きいものがあり、2個の転移がくっついたか、もともと1つだったのか不明)
核異型度:3
組織異形度:3
Ki67:60.9%
ステージ:ⅢA(局所進行乳がん)
以上はすべて化学療法前の針生検時のものです。
化学療法で完全奏功しています。
遺伝子検査の結果は陰性で、家族歴もないため、温存手術を選択しました。
リンパ節はレベル2まで廓清し、摘出したリンパ数は19個です。
これから放射線治療をしますが、照射する箇所を乳房のみにするか、鎖骨リンパも当てた方がよいか悩んでいます。
主治医の先生からは、化学療法前の診断に基づいて照射範囲を決める、脇のリンパ節の転移個数が4個以上ならば鎖骨にも当てるが、4個以上であると明言できないため、照射をすすめるがしなくても間違いではない、私が選択していいと言われました。
鎖骨まで照射するとリンパ浮腫の可能性が上がるため、仕事上重いものを持ったり腕を使うことが多いのでリンパ浮腫の可能性を少しでも下げたいこと、完全奏功していることからできれば照射を省略したいです。
しかし、脇のリンパがかなり腫れていたことも心配で、なかなか決断できません。
それから放射線の機械についてですが、現在通院している市立病院ではリニアック、大学病院ではトモセラピーを所有しています。
大学病院の先生によると照射範囲がより綿密に設定できるが、乳がんにおいてはそこまで機械にこだわらなくてよいという話でした。
鎖骨リンパにあてる場合でも、それが予防照射であれば、トモセラピーにこだわる必要はないでしょうか。
市立病院の方が家から近いので、できれば市立で受けたいのですが・・・。
田澤先生のご意見を聞かせていただければ幸いです。
よろしくお願いいまします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
cT2(38mm), cN2, cStage3A, TN, NG3, neoadjuvant chemotherapy(CEFx4 wPTXx12)⇒ pCR, BRCA mutation(-)⇒Bp+Ax(レベルⅡまで郭清)ということですね。
「鎖骨リンパも当てた方がよいか悩んでいます。主治医の先生からは、化学療法前の診断に基づいて照射範囲を決める、脇のリンパ節の転移個数が4個以上ならば鎖骨にも当てるが、4個以上であると明言できないため、照射をすすめるがしなくても間違いではない、私が選択していい」
⇒妥当な見解です。
 (画像を見ていないので、正確ではないですが)化学療法前のリンパ節の状況からすると(4個以上転移の可能性が否定できない)鎖骨上照射するべきと思います。
 
「大学病院の先生によると照射範囲がより綿密に設定できるが、乳がんにおいてはそこまで機械にこだわらなくてよいという話でした。鎖骨リンパにあてる場合でもたし、それが予防照射であれば、トモセラピーにこだわる必要はないでしょうか。」
⇒確かに、「その通り」です。
 「温存乳房照射」などの予防照射であれば通常は「リニアック」で問題無いでしょう。
 ただし、「胸骨傍領域(今回は照射野とはしませんが)」や「現時点で明らかな鎖骨上リンパ節転移が存在する場合の(治療)照射」ではトモセラピーが明らかにいいと思います。
 ○今回の「鎖骨上リンパ節(予防)照射」ですが…
 私の意見では「照射すべき」と思います。(利益>不利益)という観点から
 更に、「患肢浮腫などの有害事象を最小限にして、かつ(予防)効果を最大限にする」のであれば、「トモセラピーが望ましい」と思います。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

田澤先生こんにちは。
回答ありがとうございました。
焦って性別を間違えてしまいました、すみませんでした。
転移個数が明確に4個であれば迷いなく照射するのですが、あと一歩決断ができず、申し訳ありませんが再度質問させてください。
化学療法前の検査結果で照射範囲を決めること、画像ではリンパ節転移個数の判定は限界があることは主治医の先生もよく説明してくださったのですが、どうしても完全奏功という結果を重視したくなってしまいます。
鎖骨上リンパ節転移の芽も消えたと考えてはいけないでしょうか。
腋窩に転移があった場合に鎖骨上リンパ節へ転移する可能性や、照射した際のリンパ浮腫になる可能性ははどのくらいでしょうか。
私の場合、グレードもステージも悪かったので、それも考慮するとやはり照射した方がいいでしょうか。
それともあくまで脇の転移個数での判断になりますか?
また、術後の病理結果を聞いた際に、摘出したリンパ節にがん細胞の痕跡はない(見つからない?)ため、転移個数は不明と言われましたが、以前のQ&Aに「通常「もともと転移が存在⇒化学療法により転移が消失」したリンパ節は「顕微鏡」でみればわかります。」とありました。
影の部分は転移でない可能性が高いと考えたいのですが、これは先生の腕に左右されるものでしょうか。
それでも、4個の可能性がある以上は照射の方がいいということでしょうか…駄々をこねているようでお恥ずかしいのですが、ご回答いただければ幸いです。
よろしくお願いいたします。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
転移個数が明確に4個であれば迷いなく照射するのですが、あ
と一歩決断ができず、申し訳ありませんが再度質問させてく
ださい。
「どうしても完全奏功という結果を重視したくなってしまいます。鎖骨上リンパ節転移の芽も消えたと考えてはいけないでしょうか。」
⇒完全奏功は「あくまでも乳腺組織に対して」です。(質問者のケースではリンパ節も摘出した分には、それに近そうですが…)
 摘出していないリンパ節(鎖骨上領域)が、どのような状況なのかは(摘出していない限り)「不明」なのです。
○ひとつ理解していただきたい事は、抗がん剤は「術前行っても、術後に行っても予後は一緒」なのです。
 その条件を満たすためには「化学療法前の状況に応じた治療を同様に行う」ことが必要なのです。
 今回も(もしも術前抗がん剤をせずに)「手術先行だった場合」は(リンパ節転移が4個以上陽性となり)放射線照射を行った可能性があります。
 つまり、「手術先行の場合と同程度の予後を得るためには」手術先行の場合と同じ治療(放射線照射)をしなければならないのです。
 
「腋窩に転移があった場合に鎖骨上リンパ節へ転移する可能性や、照射した際のリンパ浮腫になる可能性ははどのくらいでしょうか。」
⇒これは不明です。
 そもそも「鎖骨上リンパ節照射」を行う理由は「その部位のリンパ節再発を予防する」というものではなく(それも副次的にありますが…)「生存率の向上」が目的なのです。
 また「照射」をした場合の「リンパ浮腫」も「そもそものリンパ節転移の状況及び腋窩郭清の精度」や「照射の精度(リニアックかトモセラピーなのかなども含め)」など、実に様々な要因が関わってくるのです。
 
「私の場合、グレードもステージも悪かったので、それも考慮するとやはり照射した方がいいでしょうか。それともあくまで脇の転移個数での判断になりますか?」
⇒あくまでも(抗癌剤前の時点での)「腋窩リンパ節転移の個数」での判断です。
 
「術後の病理結果を聞いた際に、摘出したリンパ節にがん細胞の痕跡はない(見つからない?)ため、転移個数は不明と言われました」
⇒これは、病理医が「どれだけ丁寧に検討するか?」にもよるので何とも言えません。
 
「それでも、4個の可能性がある以上は照射の方がいいということでしょうか」
⇒私は、そう思います。
 そもそも担当医が「術前画像所見」から(リンパ節転移の個数を「明確に」判断してあげるべきでしょう。」
 
 

 

質問者様から 【質問3】

田澤先生こんばんは。
丁寧な回答ありがとうございました。
放射線の先生とも話し合い、鎖骨上まで照射することにしました。
おかげさまで自分で納得して治療に臨めます。
本当にありがとうございました。
前回とは違う内容なのですが、また質問させてください。
術前に行った検査で、胸骨傍リンパ節に転移の可能性大ということでPETをしましたが、PETでは転移なしということでした。
胸骨傍の腫れは小さく、炎症性ではないかということでしたが、PETでもある程度大きさがないとがんとはわかりませんよね?がんの大きさなどで、PETではわからなくてもCTやMRIではわかるということもありますか?どちらの結果を信じたらよいのでしょう。
乳房のがんの場所は左乳房の中央下~外側です。
また、もし転移であっても今回の温存乳房の照射範囲に含まれるので、照射はそれでいい、2グレイ×25回で追加照射も無しと言われましたが、治療として妥当でしょうか。
CTとMRIは市立病院で、PETは県外のがんセンターで行い、現在は放射線治療のため近隣の市立病院に戻っており、PETの画像を確認中です。
ご意見お願いいたします。
 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。
「術前に行った検査で、胸骨傍リンパ節に転移の可能性大ということでPETをしましたが、PETでは転移なしということでした。胸骨傍の腫れは小さく、炎症性ではないかということでしたが、PETでもある程度大きさがないとがんとはわかりませんよね?がんの大きさなどで、PETではわからなくてもCTやMRIではわかるということもありますか?どちらの結果を信じたらよいのでしょう。乳房のがんの場所は左乳房の中央下~外側です。」
⇒胸骨傍リンパ節の転移はそうはありません。
 腫瘍の位置が「かなり内側」でないかぎり「偽陽性の可能性も大きい」ように思います。
 ただ、PETがいいのかCTがいいのか?は一概には言えません。
 
「また、もし転移であっても今回の温存乳房の照射範囲に含まれるので、照射はそれでいい、2グレイ×25回で追加照射も無しと言われましたが、治療として妥当でしょうか。」
⇒私は放射線科医ではありませんが…
 以前、放射線科医から「胸骨傍リンパ節は、通常は照射野に入れることは難しい」と聞いています。(照射野に心臓など縦隔臓器が入ってしまうため)
 本当に「胸骨傍リンパ節を狙う」のであれば、「トモセラピーでないと困難」だと(私は)理解しています。





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