[管理番号:2439]
性別:女性
年齢:47歳
初めまして。
数日前に針生検(バチっと音がする奴です)て乳がんの告知を受けた者です。
長さ2.6センチ(幅は書いてないですが、たぶん1センチはないと思います)
非浸潤型乳管ガン との結果でした。
三回ほど細胞はとられましたが、細長い形のため
別の場所に浸潤があるかもしれない、それでも0~1期との判断でした。
2.6センチもあれば浸潤していれば2期なのでは?と思いましたがこれは、浸潤していても小さいだろうという判断だと思ってよいのでしょうか?
最終的な判断はMRIと骨シンチをやってからとのことでしたが1/4切除、放射線+ホルモン剤 の予定とのことでした。
非浸潤ガンといいながら骨シンチまで事前に必要なのかも疑問です。
検査結果は家族を連れて・・とのことだったのですが、
訳あって1人で聞きに行きました。
その後コピーを看護婦さんにもらう時に、家族の方がいないと先生もたくさんお話にならないから・・
今度は家族の方を連れてきてくださいねと言われ、
何か話をしてもらえていない部分があるのかと心配になっています。
検査結果のコピーをいただきましたが
核グレード3
核分裂像スコア3
壊死:存在し中心性
微小石灰化:あり(壊死型石灰化)
非浸潤性乳管ガン(high grade DCIS)
ホルモンとかHer2とかの記載はありません
元々サルコイドーシスの経過観察で大学病院に通っており
同じ病院でみてもらった方がいいのではないか?との看護婦さんからの勧めで(先生からではなく看護婦さんからというのが自分でも気になりますが)
悩みましたが、紹介状を書いてもらい再来週に大学病院に行く予定でおります。
大学病院ですので、おそらく手術まで2ヶ月以上かかるのではないかと思っています
私は非浸潤性にしろ、浸潤性にしろ、再発の可能性をとにかく下げたいので全摘をしたいと思っています
今から2ヶ月、もしくは3ヶ月後に手術になり
もし浸潤した部分が見つかり全摘した場合
今と治療方針が変わったりすることがあるでしょうか?
核グレードも核分裂像スコアも高く
high gradeDCISとなっていますし、3年前のマンモには何も映っていなかったのが今回かなり大きくなっておりますので心配しております。
よろしくお願いします
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「2.6センチもあれば浸潤していれば2期なのでは?と思いましたがこれは、浸潤していても小さいだろうという判断だと思ってよいのでしょうか?」
⇒全体が26mmであり、「ランダムにサンプリングして非浸潤癌」だということは(もしも浸潤部分があるとしても)「26mm全体ではない」ことは間違いありません。
常識的に考えれば(浸潤部分があるとしても)「最大浸潤径≦20mm」と考えて差し支えありません。
「最終的な判断はMRIと骨シンチをやってからとのことでした」
⇒ちょっと、待ってください!!!
「非浸潤癌の診断」で「骨シンチ」など不要です。
不要どころか無駄な「医療被曝」を考えるべきです。
是非トップページの「今週のコラム 6回目 無駄どころか有害なのです」を参照してください。
「非浸潤ガンといいながら骨シンチまで事前に必要なのかも疑問です」
⇒全くその通り。
絶対に、そんな無駄な検査をしてはいけません。
「悩みましたが、紹介状を書いてもらい再来週に大学病院に行く予定でおります。」
⇒正直な話、大学病院での手術がいいとは思いませんが…
若い医師を育てると言う意味では、必要なことだとは思いますが、「自らの体のこと」だから、「きちんと考えた」方がいいとは思います。
「今から2ヶ月、もしくは3ヶ月後に手術になりもし浸潤した部分が見つかり全摘した場合
今と治療方針が変わったりすることがあるでしょうか?」
⇒その位の期間では殆ど変わらないでしょう。
「核グレードも核分裂像スコアも高くhigh gradeDCISとなっています」
⇒非浸潤癌で、そんなことを気にする必要は全くありません。
「3年前のマンモには何も映っていなかったのが今回かなり大きくなっておりますので心配」
⇒感覚的に誤りがあります。
癌なのだから「3年前に何も所見がない」ことは、むしろ当然です。
決して「進行が早い」などと考えるべきではありません。
全体に「ネットの見過ぎ」だと思います。
「非浸潤癌」なのだから、余計な心配はせずに最善の治療をしましょう。
質問者様から 【質問2】
前回はお世話になりました。
昨日、大学病院へ行ってきました。
術前検査の心電図や肺活量の検査、血液検査と共に
再度エコーの画像では腫瘍部分は1.7センチ
マンモで見る石灰化の部分が2.6センチだそうです
浸潤しているかどうかはやはり切ってみないとわからないが、あっても数ミリ程度でしょうとのことでした。
乳頭からも離れているので大丈夫ですよと言われましたが
術後の放射線治療に通うのが難しいのと、乳腺を残したくないのとで、全摘をお願いしております。
手術は3/○に決定しました。
大学病院なのでどうせ1~2ヶ月待たされるのだろうと思っていたのでびっくりしました。
○○日に最終的な説明を聞きにいくことになっています
全摘してエキスパンダーをお願いしようと思っているのですが
乳頭も乳輪も残せますけどどうしますか?と聞かれました。
もちろん、術中に乳頭の近くの部分は病理に出し、結果次第で、ということではあるのですが・・
元々患部と乳頭は離れているし残しても
再発率は変わらないと思うとの答えでした。
乳頭を残すのだったらやはり放射線治療が必要になるのではないかと思いましたが、そこは聞いておりません。
乳頭にも乳管があるので、だったら全摘を選んだ理由がなくなるのでは?と思い、乳輪だけ残していただこうかと思っています。
乳輪はあくまでも皮膚、なので局所再発などには全く影響しない筈だと思っているのですが間違いないでしょうか?
また、エキスパンダーを入れると半年か1年半くらいのうちにシリコンに入れ替えると思うのですが、
もっと長く、エキスパンダーを入れたまま、、すると何か問題はありますか?
一週間ほど入院が必要かと思うのですが、家を空けるのが難しく、数年様子をみれれば・・と思っています。
だったら最初は全摘だけして、時間に余裕ができたらエキスパンダーを入れる方がいいのでしょうか。
皮膚が縮んでしまうと聞いたので心配しています。
よろしくお願いします
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
「乳輪はあくまでも皮膚、なので局所再発などには全く影響しない筈だと思っているのですが間違いないでしょうか?」
⇒その通りです。
「また、エキスパンダーを入れると半年か1年半くらいのうちにシリコンに入れ替えると思うのですが、もっと長く、エキスパンダーを入れたまま、、すると何か問題はありますか?」
⇒被膜拘縮(最近のエキスパンダーでは起こし難いですが)や感染、破損(外傷などで)などがあります。
「最初は全摘だけして、時間に余裕ができたらエキスパンダーを入れる方がいいのでしょうか。皮膚が縮んでしまうと聞いたので心配しています。」
⇒2次再建でも何ら問題ありません。
「癌の治療」と「再建(美容)」は分けて考えてもいいと思います。
質問者様から 【質問3】
三回目の質問になります。
毎回丁寧な回答をありがとうございます。
ハイグレードDCISで
3/(上旬)に乳輪温存皮下乳腺全摘と同時再建でエキスパンダーを入れ、数日前に退院しました。
1/4切除の温存でよいと言われていましたが、その後の放射線治療を受けたくなかったため、全摘をお願いしました
今は病理検査の結果待ちなのですが
もし浸潤癌が見つかった場合の治療について
心配で眠れず、再度投稿させていただきました。
結果がでてから考えればいいとも思うのですが
抗がん剤の副作用などを考えると結果が心配でたまりません。
マンモの石灰化が2.6センチ
エコーでわかる腫瘍が1.7センチ
針生検では非浸潤癌とのことでしたが
病理の結果で浸潤がみつかるかもしれない、けれどあっても数ミリ程度でしょうと言われています。
おそらく今までの経験で言われているのだとは思いますが
針生検でグレード3と出ていますので浸潤癌だった場合
おそらくKi67も高く抗がん剤が必須になるのではないかと心配です。
本当に非浸潤癌であれば、ハイグレードだろうがLowグレードだろうが
乳腺を取ってしまっててるので安心できると思っていますが、
すでに浸潤部分があった時のことを考えると心配でたまりません。
できれば抗がん剤は使いたくありませんしでも再発のリスクは低くしたい。
勝手な考えばかりが浮かびます。
この状態でもし浸潤癌が見つかった場合、抗がん剤必須になる可能性は高いと思われますか?
再発率が格段に上がるのであれば抗がん剤治療も仕方ないとは思いますが、できれば使いたくないのです。
よろしくお願いします
田澤先生から 【回答3】
こんにちは。田澤です。
「この状態でもし浸潤癌が見つかった場合、抗がん剤必須になる可能性は高いと思われますか?」
⇒低いと思います。
最大浸潤径が5mm以内となる可能性が高いでです。
それであれば、「サブタイプにかかわらず」抗ガン剤はしません。
ご安心を。
「再発率が格段に上がるのであれば抗がん剤治療も仕方ないとは思いますが、できれば使いたくないのです。」
⇒抗ガン剤を(少なくとも、今の時点で)心配するのは止めましょう。