[管理番号:8434]
性別:女性
年齢:53歳
病名:浸潤性乳管癌
症状:
投稿日:2020年4月3日
お世話になります。
3月に全摘手術をし、本日病理検査の結果を聞いてきました。
以下に記します。
浸潤性乳管癌
T1 (11×10㎜)
NO リンパ節転移なし、切除断端陰性
ステージⅠA
グレード1
Ki67 20%以下
ER 陽性
PR 陰性
HER2 陽性
この結果を踏まえて、週1回パクリタキセル×12回、ハーセプチン1年間の治療を行うことになりました。
そこで先生に伺いたいことがあります。
1:HER2陽性の場合は、悪性度・増殖度とも高いと思っていたのですが、どちらも該当しませんでした。
こういうこともあるのでしょうか?
2:この場合、抗がん剤(パクリ・ハーセプチン)をしない選択をしたら、再発率は大きく違ってくるので
しょうか?抗がん剤の上乗せはどの程度あるのでしょうか?
ステージもⅠAでリンパ節転移もなく、おとなしいタイプの癌なのに、HER2陽性というだけで苦しい抗がん剤治療をしなくてはいけないことになかなか納得がいきません。
どうぞご教示くださいますよう、お願いいたします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
★HER2療法とは「必ず」抗がん剤と組み合わせなくてはいけません。
Trastuzumabもしくはtrastuzumab+pertuzumabだけの治療は、「絶対に」行ってはいけません。(エビデンスのない治療に多額の医療保険を浪費するのは誤り)
「1:HER2陽性の場合は、悪性度・増殖度とも高いと思っていたのですが、どちらも
該当しませんでした。
こういうこともあるのでしょうか?」
⇒あります。
「2:この場合、抗がん剤(パクリ・ハーセプチン)をしない選択をしたら、再発率は大きく違ってくるので
しょうか?抗がん剤の上乗せはどの程度あるのでしょうか?」
⇒抗HER2療法(この場合paclitaxel+trastuzumab)は再発率を半分とします。
何もしない場合の再発率を(仮に)10~5%程度とすると…
それが、5~7.5%となります。
「ステージもⅠAでリンパ節転移もなく、おとなしいタイプの癌なのに、HER2陽性というだけで苦しい抗がん剤治療をしなくてはいけないことになかなか納得がいきません。」
⇒「何もしない(推奨しません)」か、「抗がん剤+trastuzumab」を行うか?の2択です。(trastuzumab単独は許されません)