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ルミナルB HER2陽性の乳がん

[管理番号:1182]
性別:女性
年齢:39歳
初めて質問させていただきます。
8/3に右胸にしこりを見つけ、8/5に近くのクリニックを受診しました。エコー、マン
モ、細胞診をして、8/8に細胞診のクラスⅣの結果がでました。
すぐに九州でも有名な癌の病院に紹介状を書いていただき、8/10に受診、エコー、マ
ンモ、CT、MRI、コア検査をして、8/31に「乳頭腺管がんの浸潤がんです。抗が
ん剤、ハーセプチン、ホルモン治療をします」と言われました。
その際に「リンパ転移の有無・遠隔転移有無・がんの性質・ステージ」等は、こちら
が尋ねるまで教えてくれず、さらに、私の質問に対する主治医の答えは不安要素ばか
りでした。
質問「再発の可能性は?」
主治医「乳がん全体では4割は再発するもんね」
質問「でも、ステージⅠですよね?」
主治医「ステージはⅠだけど・・・うん・・・この場合は・・・あんまり良くないよね」
質問「再発すると治らないんですよね。再発のリスクはいつまでですか」
主治医「一生!」「再発するともう治らないよね」
質問「反対のおっぱいの乳がんになる可能性は?」
主治医「30倍くらい」
主治医「良い事を言ってあげたいけど・・・(私の癌は良い事は言えない風のニュア
ンス)」
質問「私、子供が小さいので、あと20年は生きていたいんです」
主治医「・・・・・。(無言)」
母と一緒に受診していたのですが、主治医の話を一緒に聞いていた母も私の癌はとて
も悪く、予後がよくないと思ったそうです。
そして、手術も9月中にできるか分からない、執刀医も手術の曜日で決まるので誰か
わからない等、不安要素が他にもあったため、セカンドオピニオンを受けました。
セカンドオピニオンの病院では現在分かっている範囲のことを詳しく教えてくれまし
た。
頭腺管がん(浸潤ガン)
腫瘍径:14mm
エストロゲン受容体:8
プロゲステロン受容体:7
HER2:+3
Ki67:80%
リンパ転移:なし
遠隔転移:なし
ステージⅠ
サブタイプ:ルミナルB HER2陽性(トリプルボジディブ)
セカンドオピニオンの主治医は丁寧に説明してくれますが、前病院で私があまりに不
安になるような事ばかりを言われ、不安な気持ちがいっぱいだと伝えると、前病院で
言われたことを否定することもなく、「伝え方次第だ」と、前病院で言われた内容自
体はあっているようなことを言われました。
さらに、「そんなに不安なら、精神科を紹介しますよ」とまで言われました。
長くなりましたが、そこで田澤先生に質問です。
①私のようなトリプルポジティブの癌はステージⅠであれば、無再発生存率等はそん
なに悪いものなのでしょうか。(4割も再発してしまうタイプなのでしょうか)
②20年も元気に生きていくのは、答えられないほど難しい状態なのでしょうか。
③トリプルポジティブでki67が80%もあれば、「良い事」が言えないくらい色んな意
味で悪い癌なのでしょうか。
④主治医に病気だけでなく、精神面でもフォローしてもらいたいと思う気持ちは間
違っているのでしょうか?(そういうのは精神科で見てもらうべきなのでしょう
か?)
これからさらに転院すると、手術・治療が遅れますので、サードオピニオンは考えて
おりません。(都心に近ければ田澤先生に診ていただきたいんですが・・・)
右乳房切除手術(温存なし:前病院で温存後の再発率がかなりあるとの説明があった
ため)の日程も9/30と決まっております。
術後の抗がん剤、ハーセプチン(1年)、ホルモン治療も必要性を理解し、全て受け
る予定です。
しかし、精神的な不安は全く消えておらず、このまま手術、治療に入るのもがんばっ
ていこう!と素直に思えません。
いつもこちらで田澤先生のQ&Aを拝見させていただいて、私と同じような方の質問
に答えてくださる田澤先生のご回答を読んでは、自分を安心させています。
田澤先生に第二の主治医となっていただきたく、ご質問させていただきました。
お忙しいところ、大変恐縮ですが、ご回答をお願い致します。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
最初の病院の担当医のコメントには呆れました。
何も気にする必要はありません。
「ステージ1のルミナールB(HER2陽性)」が4割も再発したら、「乳癌治療は成り立
たなくなります」
かつては「HER2陽性乳癌は予後不良」と言われていましたが、「抗HER2療法の出現」
によって今では「ルミナールタイプと同等」と言われています。
しかも、質問者は「ルミナールB」なのです。
腫瘍径14mmのステージ1であれば、「ホルモン療法及び抗HER2療法を行えば」再発率
は10%を切ると思います。
最初の病院は「九州○○センター」か何かの医師でしょうか?
 頭でっかちなだけで「本当の臨床を知らない」のです。

回答

「私のようなトリプルポジティブの癌はステージⅠであれば、無再発生存率等はそん
なに悪いものなのでしょうか。(4割も再発してしまうタイプなのでしょうか)」
⇒冒頭に示した様に「無再発生存は90%を超える」と思います。
  
「20年も元気に生きていくのは、答えられないほど難しい状態なのでしょうか」
⇒無再発の確率が十分高いです。
 早期乳癌です。
 
「トリプルポジティブでki67が80%もあれば、「良い事」が言えないくらい色んな意
味で悪い癌なのでしょうか」
⇒全く違います。
 
「主治医に病気だけでなく、精神面でもフォローしてもらいたいと思う気持ちは間
違っているのでしょうか?(そういうのは精神科で見てもらうべきなのでしょう
か?)」
⇒自分が全ての責任をもって診療するという意識に「著しく」欠けた医師であると言
わざるをえません。
 大病院にありがちな「変な専門意識」で「他の科に紹介する」ことしか考えられな
いようです。
 
○正直な話、質問者が不憫に思えますが「治療はきちんと行ってくれる事」を信じま
しょう。
 きちんとホルモン療法+「抗HER2療法」さえすれば心配無用です。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

お忙しい中、こんなにも早いご回答をいただきまして、ありがとうございます。
胸のしこりを見つけてからの1ケ月半、不安のあまり眠れず、常に「死・恐怖」が私
のそばにありました。
田澤先生のご回答を読みまして、やっと「死・恐怖」の呪縛から逃れることができ、
1ケ月半ぶりに熟睡できました。
本当に本当にありがとうございます。
残念な事に、セカンドオピニオンでの主治医も、安心して頼れる先生ではありません
が、幼い子供たち、支えてくれる主人、両親、周りの人たちのためにも、乳がんと向
き合い、治療して参りたいと思います。
9/30に手術後、詳しい病理結果が出て、治療方針が決まると思います。
病理結果、治療方針が決まりましたら、またご相談させて頂いてもよろしいでしょう
か?
田澤先生がいらっしゃるから、安心して手術に臨めそうです。
田澤先生の存在に感謝しております。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
良く理解していただいて幸いです。
「根治の可能性が高い」からこそ、「やるべき治療に頑張れる」のです。
抗HER2療法は「フルコース」となりますが、「やるだけの価値が最も高い治療」と
捉えて頑張ってください。

回答

「病理結果、治療方針が決まりましたら、またご相談させて頂いてもよろしいでしょ
うか?」
⇒そのようにしてください。
 セカンドオピニオンなどに行くよりも「このQandAを活用」していただいた方が余
程いいと私は思います。