乳がんは早期発見、早期治療を目指しましょう。乳がん手術は江戸川病院|乳がんプラザ



[管理番号:1793]
性別:女性
年齢:45歳
田澤 篤 先生
こんにちは。私は東京在住で胃がん・乳がんの体験者です。
地方に住む従妹(45歳)が乳がんの疑いとのことで相談を受けました。
生検の結果、悪性ではなく「肉芽腫性乳腺炎」などかもしれないと診断され、1か月後にマンモによる再検査を受けるとのことです。
たとえ良性疾患であっても手術が必要な厄介なタイプもあり、中には悪性に転ずるものもあると聞きますので、再検査はマンモだけで良いのかどうか、ご意見をお聞かせ願えないでしょうか。
以下に経緯をお知らせいたします。
●11月3日(火)
左胸に痛みとパンパンの張りを感じ、触ってみるとゴルフボール以上テニスボール以下(4~7㎝ぐらい?)の大きなシコリ。
●11月4日(木)
地元の総合病院の外科を受診し、「触診、マンモ、エコー、太い針を刺して細胞を取り出した」とのこと。担当の先生からは「かなりガンの可能性高いね。かなり密度高い。これだけあるから全部、取らないとダメだと思う」と言われ、非常に大きなショックを受けたそうです。
病院のサイトで確認したところ、担当の先生は消化器専門医で、その病院には乳腺外来がなく乳腺専門医もいません(従妹の住んでいる県内では「日本乳癌学会」専門医の先生方は10名に満たない状況です)。
●11月10日(火)
「組織診 検査結果報告書」
病理医の先生の所見は以下の通りでした。
――――――――――――――――――――――――――――――――
左乳腺(ACE領域)生検
乳腺導管組織の周囲に軽度のリンパ球、好中球浸潤、軽度の浮腫をみる。
導管上皮には反応性と考えられる腫大をみるが、上皮の増生は目立たず、2相性もよく保たれている。
明らかな異型病変、悪性像は認めない。1ヶ所、肉芽腫様の組織球の集簇、軽度の好中球、リンパ球浸潤を伴う
箇所をみる。肉芽腫性乳腺炎を考える組織像であるが、異物巨細胞は認めない。
明らかな悪性像はなく、肉芽腫性乳腺炎などの炎症性病変を疑う組織像です。
外傷や妊娠の既往はないでしょうか。
――――――――――――――――――――――――――――――――
従妹には4歳になる男児がおり、妊娠前に子宮筋腫の手術経験があります。現在、妊娠の可能性はないとのことです。
担当の先生からは肉芽腫性乳腺炎などに関する説明は一切なく、1か月後にマンモによる再検査を予約しただけだそうです。
高密度乳腺の場合、マンモだと真っ白に写ってしまうことが多く、診断が下しにくいと見聞きしたことがあるのですが、マンモだけで良いのでしょうか?
従妹には乳腺専門医のいる病院でセカンドオピニオンを求めるよう勧めており、私の“乳がん友”にも聞いてみたところ、「万一のことも考えて、先にPET検査を受けて全身状態を把握しては?」と提案してくれました。
以上、長々と失礼いたしました。
従妹が首都圏在住であれば先生のもとへ伺わせたいのですが、なにぶん遠方のため、相談のみで申し訳ございません。
ご回答を頂戴できれば有り難く存じます。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
気を付けるべき点が2点あります。
①本当に乳癌ではないのか?
 これが最も重要な点です。
 ここで間違うと、大変なことになります。
 ・乳腺専門医ではない、担当医の針生検を信頼していいのか?
 ・画像上、肉芽腫性乳腺炎は「乳癌に似ていて間違われる」ことは良くあることです。
②肉芽腫性乳腺炎の治療
 ステロイド内服です。
 これに反応すれば(小さくなれば)診断に「誤りが無い」ことも確認できます。
 再燃しやすいので、「有る程度小さくなったら」切除も考慮します。

回答

「たとえ良性疾患であっても手術が必要な厄介なタイプもあり、中には悪性に転ずるものもある」
⇒肉芽腫性乳腺炎は「厄介」なものです。
 腫瘤を形成し、時に「頑固な炎症」を起こします。(酷い時には膿瘍形成します)
 但し、「悪性に転ずる」ことはありません。
 この手の「良性が悪性になる」という話の殆どは「最初から悪性だったのに、良性と診断(誤診)して、後に悪性と解るだけの話」です。
 ♯「乳腺症に癌が発生」なども全く同様の話です。(乳腺症は癌にはなりません)
 
「担当の先生からは肉芽腫性乳腺炎などに関する説明は一切なく、1か月後にマンモによる再検査を予約しただけ」
⇒担当医は当然「肉芽腫性乳腺炎」の治療は知らない筈です。
 乳腺外科医でも「肉芽腫性乳腺炎」の治療を知らない(そもそも診断できない)ものが多いのが現状です。
 
「高密度乳腺の場合、マンモだと真っ白に写ってしまうことが多く、診断が下しにくいと見聞きしたことがあるのですが、マンモだけで良いのでしょうか?」
⇒マンモは何の意味もありません。
 「経過をみる」としたら「超音波」ですが、「無意味に経過を見る」のではなく、
ステロイドで治療すべきです。
 強い炎症を起こすと「かなり大変」です。
 「ドレーンをいれたり、洗浄したり」が長期間となってしまいます。
 速やかに「治療すべき」です。
 
○まずは「診断」ですね。
 「癌では無い」事が大前提です。
 万が一、誤診で「実は癌だった」となる場合(縁起でも無いですが)、不利益を被るのは「担当医ではなく、ご本人」なのです。
 
 

 

質問者様から 【感想2】

田澤先生
先だっては「『肉芽腫性乳腺炎』など良性疾患の再検査について。」の質問に対し、丁寧なご回答をいただきまして、どうもありがとうございました。
乳がんとはまた別に、難しい病気なのだなと認識を新たに致しました。
従妹に読ませたところ、「とても参考になりました。
肉芽種についても、厄介で専門的治療が必要なものと理解できました。そして、何より、本当に癌ではないのかを調べる必要があることも…」と言っておりました。
ただし、従妹は結局、現在の担当医の再検査を受けてから、後日、乳腺専門医の診察を受けることに決めたそうです。
私としては、なぜムダな検査と費用を!?と思うのですが、従妹は医療従事者で(医師や看護師でも事務方でもありませんが)、地元の病院やお医者さんに対して遠慮があるようです。
選択肢の多い首都圏とは事情が異なり、セカンドを求めるための紹介状も依頼しづらいとのこと。
また、従妹は気の優しい(弱い?)性格ゆえに、「癌かもしれない告知を受けたのが辛すぎて、新たに(診察・検査・診断などを)やり直すのが本当に怖い」と躊躇する気持ちもあるようです。
担当した先生が病理の結果も待たず、悪性の恐れや切除が必要だろうと安易に口にしたことで、ショックが非常に大きかったようです。
怖がっていないで一日も早く正確な診断を得ることが大切だと思いますし、当人も理解はしていると思うのですが……。
いずれにせよ、本人が納得して選択すべきことですから、私としては少々もどかしい気持ちもあるのですが、「気持ちが落ち着いたら専門医の診察も受ける」という従妹の意思を尊重するしかありません。
私自身は胃がん・乳がんに罹患した際、両方ともステージⅠで見つかり、それぞれ術後10年以上が過ぎた今も早期発見・早期治療の重要性は身をもって感じておりますので、従妹には少しでも早く専門の先生の診察を受けるよう勧めるつもりです。
以上、遅くなりましたが報告とお礼まで(※「問合せフォーム」以外のメールアドレスが見当たりませんでしたので、受信数の制限のあるフォームを使ってしまい申し訳ありませんでした)。
従妹共々、心より感謝申し上げます。本当にありがとうございました。





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