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もし癌なら、どの程度の進行ですか?

[管理番号:1213]
性別:女性
年齢:57歳
始めまして。よろしくお願いたします。
乳癌検査は、ここ10年くらい毎年受診。マンモかエコーのどちらかの時もありました
が、ここ3年ほどは両方を受診し、両側乳房ののう胞と、軽い石灰化を指摘され、年
に一度の要観察でした。
今年8月の検査で、右側乳頭より血液性の分泌物の指摘があり、右側の良性石灰化で、
やはり、要観察でした。が、分泌物が気になり、別の病院を受診したところ、
本日、針精検となりました。エコー画像では、乳管から繋がる、4センチ範囲の
画像の濃い部分があるとのことで、その部分に針を刺したようです。
乳管の広がりもありました。
はっきりした、しこりの輪郭ではなく、あくまで現段階では判別のつかない4センチ
の影らしきもの、なのですが、先月までずっと良性だったのに、いきなり悪性との判
断の可能性があるのでしょうか? 
微細という言葉が4センチに変わってるのもショックですし、
10年ほど受けてきた検査はなんだったのか?とむなしい気持ちです。
輪郭がはっきりしていなくても、4センチ範囲に広がったものは癌だとしたら、進行
癌でしょうか? 
高齢の母には言っていなくて、結果が出るまで不安です。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「血性乳頭分泌」と「判別のつかない4センチの影らしきもの」これは腫瘤非形成性
病変です。トップページの「腫瘤非形成性病変」を参照してください。
⇒これらから連想するのは「非浸潤性乳管癌」です。
 病変の拡がりは有る程度「広範囲」のようですが、「毎年マンモと超音波」をして
8月には「要観察で済まされてしまう」程度だった訳ですから「進行している」こと
は全くありえません。

回答

「先月までずっと良性だったのに、いきなり悪性との判断の可能性があるのでしょうか?」
⇒診断能力の問題です。
 勿論、8月の時点で「癌を疑うべき」だったと思います。
「血性乳頭分泌」を普通に「要観察」として見逃すことからして「診断に誤り」があ
ります。
 また「腫瘤非形成性病変」の診断は一般に困難であり、「多くの医師が見逃す」所
見なのです。
 
「輪郭がはっきりしていなくても、4センチ範囲に広がったものは癌だとしたら、進
行癌でしょうか?」
⇒進行癌ということはありえません。
 おそらく「腫瘤非形成性病変」」だと思います。
 これは(癌だとしても)「非浸潤性乳管癌=0期の乳癌」だと思います。
 
○大事な事は、(今までの検診が正しかったかは別として)「この機会を逃さない」
ことです。
 50代で「血性乳頭分泌を伴う腫瘤非形成性病変」であれば、「乳癌の可能性」は追
求しなくてはなりません。
 非浸潤癌で治療すれば、ほぼ100%再発しません。
 しかし、このチャンスを逃した場合「数年後、取り返しのつかない事」になるかも
しれない重要なターニングポイントとなるかもしれません。
 
 針生検の結果が「良性とか、異型病変どまり」だった時に、その診断で満足すべき
か?というところが重要となります。
 その医師の「診断能力が十分とは限らない」のです。
 自分の身を守るのは自分自身なのです。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

お早うございます。血性乳頭分泌と4センチ範囲の影について相談させて頂いたもの
です。
吸引術バコラと造影MRIの結果が出ました。両方とも「悪性は認められず」でし
た。
ただ、完全に問題がないということではなく、3か月後に再度エコーをしましょうと
いう要観察でした。
MRI画像では素人の私にも、乳管内に真っ白な直線のラインが確認できました。広
がる形ではなかったように思います。医師は、「これが分泌の部分と思われます。」
とおっしゃいましたが、最後まで乳管造影検査という言葉は出ませんでした。
ホッとはしたものの、「今がターニングポイントになるかも知れない」という田澤先
生のアドバイスを肝に銘じておりましたので、さっそくメディカルプラザ市川に診察
の予約を入れさせて頂きました。仕事を持っておりますので、なるべく土曜日にいた
したいと希望しております。
予約の際にも、こちらの状況を丁寧に何度も確認してくださり、血性分泌があるとい
うことで早い診察日を配慮して頂け、本当に有難かったです。
MRIとマンモの画像データは手元にあり、細胞診の結果は書いて頂くことになって
いますので、それらを持参したいと思います。
こちらのサイトを知らずに先生のアドバイスを頂けなかったら、今回の結果通りに三
カ月待ち、さらに同じような診断が繰り返されたかも知れず、心からお礼を申し上げ
ます。
最終的に悪性の診断が下りたとしても、今の状況を思えば深刻なレベルでないという
希望も持て、とことん納得するまで検査を続ける覚悟が出来ました。
本当に本当に有難うございました。今、とても落ち着いた気持ちで居られることに感
謝申し上げます。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
「57歳という年齢」と「血性分泌」が有ったわけですから、質問者の判断は正しいと
思います。

回答

「完全に問題がないということではなく、3か月後に再度エコーをしましょう」
⇒この意味が解りません。
 「バコラ生検で確定診断」したのであれば、「3カ月後経過観察」と言う必要は無
い筈です。
 申し訳ありませんが、「診断に自信が無いから」と考えざるを得ないと思います。
 
「予約の際にも、こちらの状況を丁寧に何度も確認してくださり、血性分泌があると
いうことで早い診察日を配慮」
⇒メディカルプラザ市川駅のスタッフは「血性分泌が何を意味するか」良く解ってい
るのです。
 決して「他の医療機関のように」簡単に「経過観察でいい」とは思っていません。
 乳管造影の準備も迅速であり、その点では(本家である)江戸川病院も適わない
「信頼できる」スタッフなのです。
 ちなみに「マンモトーム生検の準備もその後の圧迫も完璧」です。
 
「最終的に悪性の診断が下りたとしても、今の状況を思えば深刻なレベルでないとい
う希望も持て、とことん納得するまで検査を続ける覚悟が出来ました」
⇒その気持ちが大事です。
 このQandAを見ても、「如何に多くの人達が無駄に長期のフォローアップの後に、
癌と診断されているか」が解ると思います。
 「曖昧な診断のまま」せっかくの(早期発見の)チャンスを逃してしまう方を散見
するたびに、「私の使命感」が強くなるのです。
 
 

 

質問者様から 【質問3】

田澤先生、お久しぶりです。
その節は大変有難うございました。
無駄な検査と時間を経過せざるを得なかった状況を先生に救って頂いたこと、早くにきちんとお礼を申し上げたいと思っておりましたが、殺到する質問の貴重な一枠を使わせて頂くことに躊躇しておりました。
おかげさまで乳管内の病変を一度の検査で発見して頂き、今は来月初旬の腺葉区域切除術を待っている日々ですが、本来なら不安で仕方がないのであろうところ、先生にすべてお任せできるということに落ち着いて日常を送っております。
さて、今回少し気になっていることがございまして、お忙しい先生にまたもお手を煩わせることになるのですが、質問をさせて頂きたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
① 乳管造影検査の後、先生より、造影剤の残りを出し切るために分泌物を絞ってみてください。手術が近くなったらそれをやめるように、とお教え頂きましたが、検査の当日にはほんの少しの分泌があったものの、翌日からまったく出なくなりました。
強く絞っても出ないことが続いて、絞ることをやめてしまいましたが、乳管内で造影剤の残りが凝固してしまったのでしょうか? またこの状況により、区域切除に影響はないでしょうか?
② 別のことになりますが、診察の際に気持ちを整理できずに質問を忘れていたことでございますが、前の病院で針精検をした「4センチ範囲の影らしきもの」、結局はそれが悪性所見なしで経過観察となったのでしたが、これは単なる石灰化という判断でよろしいでしょうか?
それとも、やはり右側にだけある石灰化ということで、乳管内のしこりとの関連は否めませんか?
③ すべての病理詳細は12月26日の予定であることを十分認識しておりますが、勤務の形態上、年末に契約更新があり、一日も早い病名の申告を促されております。区域切除の際に、良性・悪性のある程度のことを知ることはできますか?
今になってこんなに質問してしまうことを申し訳なく思いますが、後回して結構でございますので、ご回答どうかよろしくお願いいたします。
 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。
「乳管造影後」には「乳頭分泌が造影剤で詰まりがち」となりますが心配ありません。
実際の手術の際には「全身麻酔なので、思いっきり絞れる」ので支障はありません。

回答

「乳管内で造影剤の残りが凝固してしまったのでしょうか? またこの状況により、
区域切除に影響はないでしょうか?」
⇒大丈夫です。
 全身麻酔すれば「強く絞れる」のです。
 
「やはり右側にだけある石灰化ということで、乳管内のしこりとの関連は否めませんか?」
⇒全く無関係です。
 乳管造影では「全く別方向」なのです。
 
「区域切除の際に、良性・悪性のある程度のことを知ることはできますか?」
⇒解りません。
 「肉眼所見」では全く解らない位の「小病変」なのです。