[管理番号:8806]
性別:女性
年齢:40歳
病名:
症状:
投稿日:2020年8月11日
現在、生検結果待ちの者です。
まだ授乳中の今年の1月頃、右胸にしこりを見つけました。
なかなか断乳できず4/(下旬)に断乳して病院へ。
しこりが2センチくらいだったと思います。
その時はマンモ、エコー、視触診をしてもらいました。
結果としてはしこりは大きいけど線維腺腫だから大丈夫。
一応半年後にチェックしましょうとなりました。
しかし、7月頃、右胸に新たなしこりを発見。
7/(下旬)に再度病院へ。
急な予約だった為、毎年見てもらっている先生とは別の先生に見てもらいました。
結果はがんを疑うので、要精密検査となり、次の日、近くの大学病院で検査をしてもらいました。
7/(下旬)当日にマンモとMRI。
エコーの予約がいっぱいで8/(上旬)にエコー。
8/(上旬)に生検を行いました。
マンモからはがんらしきものは発見されませんでしたが、エコーはカテゴリー4。
MRIはカテゴリー5でした。
どちらも血流がありMRIは早期濃染とありました。
[添付]
主治医からはがんの疑いがかなりあるが生検の結果を待たないと断定は出来ないと言われています。
生検結果は8/(中旬)です。
生検はバコラ生検で行いました。
質問です。
癌に近い結果が出ていますが、
①線維腺腫の可能性はあるか
②葉状腫瘍の可能性はあるか
③癌だった場合、すぐ転移する事はあるか?3月に人間ドックをしていて、頭、胸、肝臓などをCT検査しましたが、この時は問題なしでした。
担当の先生からは検査結果がもし良性だったとしてもかなり怪しいから再度検査する可能性があると言われています。
不安としては今の待っている間、そしてさらに検査となったらその間に転移しないかが心配です。
もともと左に線維腺腫があり、半年に1回病院で見てもらっていました(前回は2019/9/(上旬))。
なので、しこりは1月頃に急に出来てい
て進行が早いのかなと不安で不安でたまりません。
子供も5歳と2歳で小さくまだ死ねません。
田澤先生のご見解をお伺いできればと思います。
よろしくお願い致します。
田澤先生からの回答
こんにちは田澤です。
「①線維腺腫の可能性はあるか」「②葉状腫瘍の可能性はあるか」
⇒画像を見ていないので責任を持ったコメントはできませんが、
「エコーでカテゴリー4」である以上、癌を疑っているようです。
「③癌だった場合、すぐ転移する事はあるか?」
⇒それはありません。
ご安心を。
「担当の先生からは検査結果がもし良性だったとしてもかなり怪しいから再度検査する可能性があると言われています。」
⇒??
これは、「もしかして」今回のバコラに自信がないということ?(もしも「曖昧な結果だった場合」には要注意です)
★生検手技の精度には雲泥の差があるのです。
「不安としては今の待っている間、そしてさらに検査となったらその間に転移しないかが心配」
⇒その心配は不要です。
ご安心を。
質問者様から 【質問2 】
生検結果が出ました
性別:女性
年齢:40
病名:浸潤性乳管癌
症状:
投稿日:2020年8月19日
田澤先生、先日は質問への返答ありがとうございました!
不安でいっぱいだったので、心配ないの言葉に生検結果を待つ時間を心穏やかに過ごす事が出来ました。
結果が出ました!
しこりは5つ。
うち2つを生検しています。
1つめ(21mm)
Nunclear gread 3
ER J-score 3b
PgR J-score 3a
HER2 score 0
MIB-1 labeling index 50-60%
2つめ(11m)
Nunclear gread 採取量が少なく評価困難
ER J-score 3b
PgR J-score 3b
HER2 score0
MIB-1 labeling index 10%
本日乳癌告知。
現在、PET待ちです(8/(下旬))
田澤先生に質問です。
①MIB-1は高いのですが、転移は大丈夫でしょうか。
やはり転移が不安です。
②ルミナールBと言われています。
合っていますか?
③MIB-1が高いのでセンチネルに1本でも転移があれば放射線をすると言われていますが、その方が良いのですか?
④ルミナールBは予後不良が多いのですか?
⑤ Nunclear gread 3は悪いんですか?
⑥ ERとPgR のJ-score 3b、3aは悪いんですか?
⑦硬性型が示唆されるとありましたが、悪いのですか?
⑧微小乳頭状形態を示す乳管内癌成分も伴っているとありました
が、よくない事ですか?
無知な質問で申し訳ないです。
ご回答をよろしくお願い致します。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは田澤です。
正直な感想
「2つめ(11m) Nunclear gread 採取量が少なく評価困難」
⇒11mmで「採取量が少ない」とは、何とも頼りない話です。(愚痴です)
「①MIB-1は高いのですが、転移は大丈夫でしょうか。」
⇒Ki67(MIB-1)と転移は無関係
「②ルミナールBと言われています。合っていますか?」
⇒術後病理で(Ki67を)確認しましょう。(針生検でのKi67はあてにならない)
「③MIB-1が高いのでセンチネルに1本でも転移があれば放射線をすると言われていますが、その方が良いのですか?」
⇒誤り
Ki67と放射線を結びつけるのは論外。
★ちなみにリンパ節を〇本と数えるのは誤りです。「〇個」です。 (おそらくリンパ腺をリンパ線のように読み違えて「線」と理解しているから「〇本」となるのでしょう)
「④ルミナールBは予後不良が多いのですか?」
⇒誤り。
サブタイプは予後の為にあるのではなく、(予後はステージです)あくまでも治療のためにあるのです。
ルミナールBとは「ホルモン療法も抗がん剤も両方効くタイプ」ということですよ。
「⑤ Nunclear gread 3は悪いんですか?」
⇒予後因子ではありません。(参考程度です)
「⑥ ERとPgR のJ-score 3b、3aは悪いんですか?」
⇒「良い、悪い」ではなく、染色性が高いということです。(ホルモン療法が効くと
いうこと)
(参考に)
J-score
Score 0:染色される細胞が無い
Score 1 〃 1%未満
Score 2 〃 1~10%
Score 3 〃 10%以上(50%未満を3a, 50%以上は3b)
Score 0を陰性
Score 1,2を境界域
Score 3を陽性
「⑦硬性型が示唆されるとありましたが、悪いのですか?」
⇒一般的なものです。
「⑧微小乳頭状形態を示す乳管内癌成分も伴っているとありましたが、よくない事ですか?」
⇒違います。
質問者様から 【質問3 】
今後のこと
性別:女性
年齢:40
病名:浸潤性乳管癌
症状:
投稿日:2020年8月24日
田澤先生、先日は稚拙な質問にご回答頂きありがとうございました!
今、このまま現在の病院で手術や治療を受けるか悩んでおります。
住まいは(隣)県〇〇市。
〇〇医科大学国際医療センターにて診察検査をしております。
木曜日にPET。
9/(上旬)に診察でこの日に治療がどうなるか決まるそうです。
転移(遠隔なのかリンパ節なのかは確認していませんでした)があれば抗癌剤からと言われています。
私は、今すぐにでも手術で切りたいと思っているし、抗癌剤もこちらで知ったオンコタイプDXをやって納得して受けたいと思っています。
まだ、9/(上旬)の方針を聞いていないので何も言えないのですが、それなら早々に田澤先生にお願いした方が賢明だと思いました。
本来のQ&Aとは趣旨が違い大変申し訳ないのですが、質問です。
田澤先生にお願いする上で
①ひとまずPETは受けても良いものか
②元病院にはセカンドオピニオンとしていく旨を伝えて伺えばよいか
③主人が田澤先生が絶対に担当するか分からないと言いますが、田澤先生に診て頂けるのでしょうか。
田澤先生から 【回答3】
こんにちは田澤です。
その大学病院では浸潤癌だと例外なく(ルーティーンとして)PETを撮影しているようですね。(非浸潤癌でもPETを撮影している病院が、最近このQAにも登場して腰を抜かしたばかりですが…)
8806を振り返って気が付いたのですがリンパ節はエコーで評価してもらっていないのですか?
★本来リンパ節は(PETとかではなく)超音波で評価するべきものです。
エコー上、リンパ節転移が疑われれば(センチネルリンパ節生検はせずに)腋窩郭清が必要だし、
エコー上、リンパ節転移が疑われなければセンチネルリンパ節生検の適応となります。
「転移(遠隔なのかリンパ節なのかは確認していませんでした)があれば抗癌剤からと言われています。」
⇒遠隔転移は無いでしょうし、(もしも)リンパ節転移が疑われても(そもそもエコーで評価すべきですが)、多発なのだから「術前抗がん剤を行う理由がない」
術前抗がん剤の目的は「小さくして温存」であるが、多発の場合には「それぞれが小さく」なっても、範囲は変わらないから(術前抗がん剤をしても)温存はできないため。
リンパ節転移が(仮に)あったとしても、術前抗がん剤を行う意味がない。(抗がん剤が効いても効かなくても、郭清範囲は変わらない為)
「私は、今すぐにでも手術で切りたいと思っているし、抗癌剤もこちらで知ったオンコタイプDXをやって納得して受けたいと思っています。」
⇒それが正しい。
「①ひとまずPETは受けても良いものか」
⇒駄目とは言いませんが…
無駄な被爆です。
但し、質問者が「遠隔転移が無いことを確認することで安心が得られる」というの
であれば、その意義はあります。
★私から早期の患者さんに「PETやCT、骨シンチ」などの検査の提案をすることは一切ありませんが、上記目的で「撮りたい」という患者さんには(希望通り)撮影しています。
「②元病院にはセカンドオピニオンとしていく旨を伝えて伺えばよいか」
⇒それでいいでしょう。
★病院にはセカンドオピニオンを申し込んだ上で、(当院には)手術相談メールするといいでしょう。(病院代表から「セカンドオピニオン」を申し込むと、結構待たされるため)
「③主人が田澤先生が絶対に担当するか分からないと言いますが、田澤先生に診て頂けるのでしょうか。」
⇒その通り。
非常勤女性医師が1人居ますが手術患者を診ることはありません。
質問者様から 【質問4 】
エコーの結果です
性別:女性
年齢:40歳
病名:浸潤性乳管癌
症状:
投稿日:2020年8月25日
連続投稿大変失礼いたします。
現病院にはセカンドオピニオンの旨連絡致しました。
江戸川病院にも誤ってセカンドオピニオンとして連絡してしまいました。
今、訂正の連絡をしました。
田澤先生からの質問であるエコーですが、
結果には両側腋窩に楕円形のリンパ門明瞭なリンパ節を認めます。
と書いてありました。
MRIだと
右腋窩にリンパ節と思われる結節を認めるが、有意腫大なく、形態が扁平であり転移の可能性は低いと思われる。
左腋窩リンパ節に有意な腫大は認めない。
と、ありました。
では、PETは必要ないという事なのでしょうか。
正直、今、手術をしないで待っている間にリンパ節に転移しないか不安でいっぱいです。
(何度もすみません)
田澤先生から 【回答4】
こんにちは田澤です。
「両側腋窩に楕円形のリンパ門明瞭なリンパ節」
⇒正常リンパ節です。
リンパ門明瞭だと、リンパ節は(それにより)2層に見えるので「2層性を保っている」と表現されます。
因みに転移を疑うリンパ節は「2層性の消失」と言います。
つまり、エコーでもMRIでもリンパ節転移の所見は無いという事です。
「PETは必要ないという事なのでしょうか。」
⇒PETは全身(つまり遠隔転移のスクリーニング)の検索目的という意味合いとなりますが、不要です。(私ならしません)