[管理番号:930]
性別:女性
年齢:38歳
質問者様の別の質問質問が新たな内容のため、別の管理番号としました。 |
田澤先生
お忙しいところ針生検とマンモトーム針生検の違いに関して非常に丁寧なわかりやすい回答をいただきありがとうございました。
また費用の概算など提示いただきとても感謝しています。
どのくらいの費用がかかるのか非常に心配していましたので大変助かりました。
(もしまた違うカテゴリになってしまったら申し訳ありません)
針生検とマンモトーム生検についての詳細を教えていただきありがとうございます。
なかなか私が両親などに説明する際にうまく説明ができないので、何もわからない両親にもこのサイトを見せています。
(多少)理解できたようです。
再度いくつか質問させてください。
マンモトーム針生検と通常の針生検の違いはほぼ理解できました。
現在通っているクリニックでは、組織診には、マンモガイド下マンモトーム針生検、
エコーガイド下コアニードル生検とサイトに記載がありました。
私は大きなしこりがエコーで確認されているため、エコーガイド下で行うコアニードル生検かと思われます。
◎コアニードル生検は初めて聞いたのですが、これは先生がいう、吸引式(マンモトーム針生検)とは違いばね式となるのでしょうか。
葉状腫瘍に関しても初回の処置がとても大切である旨この1つ前の質問および他の方の回答でも十分理解できました。
また、針生検では摘出時のマージンの付け方による判断。
ここで良性と診断されても摘出してみて初めて確定診断になるとのこと。
◎先生が今まで診察した中で最初から悪性葉状腫瘍であったことはどのくらいあるのでしょうか。
またその方たちは今どうしていますか?(個人的なこともあるでしょうから無理にとは言いません。)
完治もしくは経過観察で問題ないのでしょうか。
<摘出手術について>
◎悪性・良性・境界悪性ともにマージンの付け方以外はすべて術式は同じとのこと。
手術は全身麻酔で行うのでしょうか?
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たびたびすみません、このクリニック名称は非掲載にてお願いします。
現在通院しているのは○○○になり、
乳がん専門医でありちゃんと針生検も行っていただけて、ダブルチェックで技師さんだけでなく
医院長自ら再度エコーを行った上での針生検なのである程度しっかりしているクリニックかと思いますが、
なにぶん期間が空いてしまっており、この大きなしこりに気を取られて他の所見を見逃していないだろうか?という不安にも駆られています。
病理検査は乳腺専門のクリニックでの診断になりますので、病理結果には信用していい気がしています。
————
針生検は来週2○日になり、特に現クリニックは針生検まで時間が長かったのはあるもののある程度は信頼でますが、
摘出手術をするのであれば、腕の確かな先生、加えて全ての検査・手術も一貫して先生に行っていただけるとのことですので
信頼して先生のところで診察・手術をお願いしたいと現在は考えています。
最初の初期治療がとても大切であるとのことですので、先生を信頼し、お任せしたいと今は腹をくくりました。
◎最短でどのくらいで予約が取れますでしょうか。私が針生検を受ける日程とあまり変わらないでしょうか。
日程が迫っておりもしあまり変わらないのであれば針生検あとの検査結果をもっての診察にした方がいいのでしょうか?
お忙しいとは思いますがなにとぞよろしくお願いいたします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
組織診について、いろいろ聞いて頂いてありがとうございます。
きっと「患者さん側からの視点」として「(同様のことを疑問に思っていた)他の閲覧者にとって」大変参考になることだと思います。
私が、「組織診とマンモトーム生検との違い」として最初から「長々とお話」するよりも「質問者よりの疑問点に回答」することが一番解り易いのだと思います。
回答
「組織診には、マンモガイド下マンモトーム針生検、エコーガイド下コアニードル生検とサイトに記載」
⇒「マンモガイド下マンモトーム針生検」:(マンモでしか見えない、石灰化に対する)ステレオガイド下マンモトーム生検の事です。
「エコーガイド下コアニードル生検」:(超音波で見える、しこりにに対する)バネ式針生検の事です。
♯この内容からは「エコーガイド下マンモトーム生検は行っていない」ことが解ります。
エコーガイド下マンモトーム生検には(江戸川病院で行っている)『マンモトームエリート』と(時々このQandAの質問者の記載で出てくる)『バコラ』があります。(どちらも商品名です)
「コアニードル生検は初めて聞いたのですが、これは先生がいう、吸引式(マンモトーム針生検)とは違いばね式となるのでしょうか。」
⇒違います。
上記でコメントしているように、「コアニードル生検=バネ式針生検」です。
「先生が今まで診察した中で最初から悪性葉状腫瘍であったことはどのくらいあるのでしょうか。」
⇒4名です。
「またその方たちは今どうしていますか?」
⇒2名は(残念ながら)お亡くなりになりましたが、2名の方は元気です。
「完治もしくは経過観察で問題ないのでしょうか。」
⇒悪性葉状腫瘍は「肉腫」なので、ある意味「癌より急速な増殖」をします。
つまり、「再発する場合」は「あっという間」ですし、「3年程度再発しなければ」ほぼ根治だと考えています。
♯基本的に「放射線も抗がん剤も無効」(抗がん剤では、文献的にいくらか報告がありますが、何せ少数なのでエビデンスはとてもでません)
「手術は全身麻酔で行うのでしょうか?」
⇒「悪性・境界悪性」は少なくとも「全麻」で行うべきです。
「小さい場合」は(技術的には)「局所麻酔」でもできますが、「不十分となった際の代償があまりにも大きい」ので厳に慎むべきです。
⇒「良性」の場合
小さければ「局所麻酔」でもできる(ある程度のマージンはつけられる)ですが「2cm以上の大きさ」の場合には「マージンをきっちりつける」為には全麻にすべき(と私は考えています)
「最短でどのくらいで予約が取れますでしょうか。私が針生検を受ける日程とあまり変わらないでしょうか」
⇒水木の夕方遅めの特別枠であれば、大丈夫です。この時間帯となると(それまでの診療状況により)予約時間通りとはならない可能性もありますがご容赦ください。
「日程が迫っておりもしあまり変わらないのであれば針生検あとの検査結果をもっての診察にした方がいいのでしょうか?」
⇒当院で「エコーガイド下マンモトーム生検」をした方が理想的です。
fibroepithelial tumorの場合は「組織量が多い方が、細かい診断に近づく」ものなので、より正確な診断に近付ける(マージンの取り方に影響します)のです。