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今後の治療について

[管理番号:7388]
性別:女性
年齢:48歳
病名:左浸潤性乳管癌(硬癌)
症状:

症状:
はじめまして。
治療について質問させていただきます。よろしくお願い
します。

術前検査結果
・浸潤性乳管癌
・腫瘤径14x9x9 内部エコー低エコー、形状不整、ハロー(-)血流
シグナル(-)
・乳管内癌(+)?medonecrosis(-)
・組織学的波及度:g、リンパ管侵襲:Ly0, 静脈侵襲:V0
・病理学的グレード:Nuclear grading3,histological gradingⅢ、
(nuclearatypia3, mitoticcounts2,tubuleforming3)
・免疫染色:ER30%PaR30%、HER2:score3+(strong70%),
Ki-67labelingindex:50%(hotspot90%)
術後検査結果
・浸潤癌を認める標本:5,7
・乳管内癌のみを認める標本:該当なし
・浸潤径:標本7:5x3mm T stage:pT1a(>1mm,≦5mm)
・浸潤径+乳管内進展巣(標本5):(11x5mm)
・術前治療:化学療法I回のみ、治療効果判定:Grade 1b
・断端:陰性
・病理学的グレード:変化なし
・免疫染色(標本7):ER30%、PgR5%、HER2 3+、Ki-67labelingindex30%
・小胞巣状、小腺腔形成性、小訴状に浸潤増殖する癌を認める。
がん細胞著名な変形を示す。
浸潤巣周囲にsolidDCIS,小葉内進展増を認める。
背景乳腺にはusualductalhyperplasia,アポクリン化生、拡張乳管、陳空制線維腺腫が見られ、乳管内に石灰化
を散見する。

昨年12/(下旬)に抗がん剤ドセタキセル、ハーセプチンを点滴したのち、
12/(下旬)お腹に激痛が起こり次の日CTを撮ったところS状結腸憩室穿孔しているとのことで緊急手術になり、白血球、好中球などが下がりすぎていたため回復せず2/(上旬) 2回目の開腹手術ドレーンもまた入り、ストマも付いた状態です。
その後、3/(上旬)にやっと乳癌摘出手術(乳房温存手術)
はできたのですが、今だ腹部ドレーンをぬいたところから浸出液が出ています。
最近の採血では肝機能も高値でアルブミンは3.3g/dlと低値です。
貧血もあります。

先日37.0前後の微熱が続いたので、外科でCT・エコーをとっていただいたのですが2月に写っていなかった胆石が数個うつっていたようです。

そこで、今後の治療ですが現在5/9~5/30 16回の放射線治療を行い6月よりハーセプチン、パージェタを1年間する予定になっています。
けれど副作用に重篤な場合腸穿孔ありと書いてありました。
主治医に相談すると下痢くらいなので大丈夫とのこと。
外科の事は外科の先生にとおしゃいますが、外科では乳腺の先生と相談してと。
ただ憩室がまだいくつかあるので同じことが起こらないとは限らないと言われてしまい、どうしたらいいのかわかりません。
でも私の場合再発、進行が速いタイプなのでこのままでは心配です

①抗がん剤1回しただけでこのような副作用が出てしまいましたが、私の場合体力が戻ってから抗がん剤、ハーセプチンをしようと思うと最低でもいつまでにやらなければ効果がないのでしょうか。

②先生ならこのような場合、どの薬剤を使われますか。
閉経後のホルモン治療の場合も教えて頂けるとありがたいです。

③エコーで肝門部に12x3mmの扁平状の腫脹を認めるとあり、胆石もそうですが、経過観察となりましたが、これが乳がん転移で癌にかわることがありますか。

④先生はスルーされていたのですが、結果をもらって不安になり、お聞きしたいのですが、骨型酒石酸抵抗性酸性フォスファターゼという値が625mU/dlと高値です。

これは骨転移ありということでしょうか。
 
不安でたくさん質問してしまい申し訳ありません。
よろしくお願いいたします。

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

憩室穿孔と抗がん剤の因果関係は必ずしも不明ですが…
早期乳癌だから抗がん剤はしない(trasutuzumab + pertuzumabは勿論問題ない)のは当然の選択となります。

「①抗がん剤1回しただけでこのような副作用が出てしまいましたが、私の場合体力が戻ってから抗がん剤、ハーセプチンをしようと思うと最低でもいつまでにやらなければ効果がないのでしょうか。」
→いつまでというものはありませんが…

 「体力回復」云々よりも…
 再度憩室穿孔が起こるリスクを考えれば、抗がん剤はすべきではない(早期だし、trasusuzumab + pertuzumabという選択肢があるから尚更)

「②先生ならこのような場合、どの薬剤を使われますか。」
→上記通り(trastuzumab + pertuzumab)

「閉経後のホルモン治療の場合も教えて頂けるとありがたいです。」
→アロマターゼ阻害剤です(どれでもOK)

「これが乳がん転移で癌にかわることがありますか。」
→転移ではないようです。

「骨型酒石酸抵抗性酸性フォスファターゼという値が625mU/dlと高値」
→骨転移とは無関係
 ご安心を。