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病理結果について

[管理番号:6420]
性別:女性
年齢:42歳
はじめまして。
4月中旬に乳房全摘手術をし、先日病理結果の説明を受けたのですが、
とても不安になり、こちらからご相談させていただきました。
お忙しいところ恐れ入ります。
検診で左乳房に非浸潤癌が見つかり、左乳房全摘手術と同時再建(エキスパンダー)手術をしました。
先日病理結果を聞きに行くと、
『思ったより癌のひろがりが下部にあり、取り切れず断片陽性。
(癌の出来た場所は、左乳房の下部外側です)なので、エキスパンダーからシリコンへ入れ替え手術の際と同時に、もう一度病変部分を切除します。
それまでの間、予防の為ホルモン剤を飲みましょう』と説明されました。
術前の説明で、全摘後の治療は無しと聞いていたので、予想外の展開で
頭も回らず、医師が入れ替えの際に同時に切除と言われたので緊急性はなく大丈夫なのだろうと思い、質問もせず、わかりましたと返事をして帰って来てしまいました。
因みに、病理結果は術前診断と変わらず非浸潤癌でした。
①乳房全摘したにもかかわらず、取り切れなく残ってしまうことがあるのでしょうか?
その場合、乳腺を残してしまっているという事なのでしょうか?
②シリコンへの入れ替えは、半年以上先の来年になると思うのですが、
その間に病状が進行して転移などしてしまったりしないのでしょうか?
③入れ替えの際に同時切除の説明で、緊急性はなく大丈夫なのかと思っていましたが、それはエキスパンダーが入っているからそこまで待つしかないという事なのでしょうか?
④本来なら飲まなくて良かったはずのホルモン剤(タモキシフェン)ですが、非浸潤癌にも効果はあるのでしょうか?
副作用も心配です。
医師の説明の際に、しっかり考えて質問していればと、今更反省しています。
お忙しいところ恐れ入りますが、宜しくお願いします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「①乳房全摘したにもかかわらず、取り切れなく残ってしまうことがあるのでしょうか?」
⇒通常は考えられません。
 特に非浸潤癌であれば乳腺を完璧に切除している限り「ありえない」ことです。
今週のコラム 86回目 このようにすれば、全摘で深部側断端が陽性となることはないのです』をご参照ください。
「その場合、乳腺を残してしまっているという事なのでしょうか?」
⇒そういうことになります。
「②シリコンへの入れ替えは、半年以上先の来年になると思うのですが、その間に病状が進行して転移などしてしまったりしないのでしょうか?」
⇒確率的にはかなり低いとは思います。
「③入れ替えの際に同時切除の説明で、緊急性はなく大丈夫」
⇒緊急性が無いという判断のようですが…
 緊急性は無いが、「万が一」を考えた対処の方が安全です。
「エキスパンダーが入っているからそこまで待つしかないという事なのでしょうか?」
⇒「待つしかない」というよりは・
 「ついで」であれば患者さんに「余分な負担が無くてスマート」という配慮でしょう。
「④本来なら飲まなくて良かったはずのホルモン剤(タモキシフェン)ですが、非浸潤癌にも効果はあるのでしょうか?」
⇒実際的な効果を狙ってでは無く(例えるなら)「手術待ちが3カ月あったとして、
それまで何もしないで待つよりもホルモン療法していると患者さん側が不安でないだろう」と同じ様な感覚でしょう。