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ステージⅢC・トリプルネガティブです。

[管理番号:1204]
性別:女性
年齢:48歳
はじめまして。
情報を得ようとインターネットでいろいろ調べていたら、こちらにたどりつきました。
左胸に違和感を感じて、自分で触診してみましたが、何も触れませんでした。
その後、左の首の付け根にしこりを発見し、血液内科を受診。
超音波検査、CT、MRI、リンパ生検、PET検査を受け、CTの画像で気になるところがあ
るので、乳腺外科に行くよう指示されました。
その時点で、リンパ生検をしてくださった耳鼻科の先生からも、血液内科の先生から
も悪性の腫瘍だろうといわれていたので、ある程度覚悟はしていました。
乳腺外科で超音波検査、マンモグラフィーと針生検を行い、先月 乳がんであるとの
診断を受けました。
首の付け根のしこりは乳がんの転移だったようです。
左胸上部外側にひとつ2.1cmの腫瘍があり、ほかにも左わきの下にひとつ。
マンモグラフィーでははっきり写らなかったようでした。いまだに胸とわきは、はっ
きりしこりに触れることができません。
首のほうは、たくさんのしこりが集まって形成されているということでした。
そのほかの臓器への転移は今のところないようです。
 がんの種類  硬癌
 異型度    2
 ER      陰性
 PgR     陰性
 HER2     0(陰性)
 ステージ   ⅢC 
           
私の持っている情報はこれだけです。
リンパに転移しているので手術はせず、トリプルネガティブなので、治療の選択肢も
限られると言われました。
AC療法(ドキソルビシン100mg・エンドキサン1000mg)を半年間行う予定で2回目が終
わったところです。
担当の先生に聞いておいたほうがいいことはありますか。
8段階の7番目(先生は「ステージⅣの手前」という言い方をされました。)で、この
先ほかの臓器への転移の可能性はあるのでしょうか。
もし抗がん剤が効かなかったら、ほかに治療の方法はないのでしょうか。
私のような場合、生存率はどのくらいなのでしょうか。
立て続けに質問をし、申し訳ありません。
私はどうなってしまうのか、あとどのくらい生きることができるのか、家族のことな
ど考えると不安で仕方ありません。
どうかアドバイスをお願いいたします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
状況は解りました。
左鎖骨上リンパ節転移で見つかった乳癌ということです。お気持ちお察しします。
cT2(21mm), cN3c, cM0, cStageⅢC, triple negative
鎖骨上リンパ節転移があるから「手術不能」とされているようですが、
①(全身療法としての)抗癌剤により、(画像上、鎖骨上リンパ節転移の消失とな
り)手術をする。
②手術先行させて(鎖骨上リンパ節には)、「術後に放射線治療(特にトモセラ
ピー)で治療する。その後(全身療法としての)抗癌剤を行う。
実際はいろいろな方法があります。
「鎖骨上リンパ節転移がある=手術不能=緩和医療」というような短絡的な考え方を
する医師も多いですが、私は全く反対です。
○「鎖骨上リンパ節」であれば、「放射線治療(特にトモセラピー)による長期コント
ロールが十分可能」です。
 「手術しても仕方がない」とは思いません。
 リンパ節転移は「鎖骨上であっても、胸骨傍でも縦隔でも」あくまでも「局所」と
捉えて「手術+放射線治療」で「積極的に治療にいく」べきだと思います。
 

回答

「リンパに転移しているので手術はせず」
⇒この考え方には、私は反対です。
 局所療法で十分な効果が狙えます。
 「リンパ節」には放射線で対処して「原発巣」には手術で対処するのです。
 
「治療の選択肢も限られると言われました」
⇒「ホルモン療法も効かない」「抗HER2療法も適応外」ということです。
 担当医は「抗がん剤(主としてアンスラサイクリンやタキサン)」しか頭にないよ
うです。
 ★リンパ節転移だけであれば(それが鎖骨上であろうと)局所療法としての「手
術」「放射線照射」もあるのです。
 
「担当の先生に聞いておいたほうがいいことはありますか」
⇒『「原発巣」を手術して「鎖骨上リンパ節」は放射線照射をする』では駄目です
か?と聞いてみてください。
 
「この先ほかの臓器への転移の可能性はあるのでしょうか」
⇒癌である以上、その可能性は「誰にも」あります。
 ただ「必ず」ではありません。
 
「もし抗がん剤が効かなかったら、ほかに治療の方法はないのでしょうか」
⇒局所療法としての「手術+放射線」です。
 
「私のような場合、生存率はどのくらいなのでしょうか」
⇒ステージ3は10年生存率で50~60%です。
 
 
★私のアドバイスはただ一つ「根治を是非、狙ってください」
 消極的な「抗がん剤のみ」ではなく、積極的に「手術+放射線治療」を行い根治を狙うのです。