[管理番号:1093]
性別:女性
年齢:38歳
田澤先生こんばんは
先生のQ&A、いつも拝見させていただいております。
様々な知識や経験もありお忙しいのにすべてに回答しているとのこと、頭が下がります。
私は現在、乳腺外科で繊維線種の可能性が高いが葉状腫瘍かもしれないということで検査待ちです。
葉状腫瘍というものを私も今回初めて知りネットで調べましたが、
乳がんに関する情報はたくさんありますが葉状腫瘍に関してはまだまだ情報が少ないと感じています。
そんな時、あるブログを見つけました。
http://ameblo.jp/snner-09103737/entrylist-1-1.html
21歳(現在22歳)で左おっぱいとさよならした女子大生~悪性葉状腫瘍~(再再再再再再発11ヶ所転移なう。現在大学4年。)
このブログの方は悪性葉状腫瘍なのですが、最初の治療(温存手術)を経て再発し全摘、その他様々なところに何度も再発し、あまり効果が期待できないことを承知で放射線や抗がん剤を使ってなんとか治療を頑張っています。
大腿骨(手術済み)、リンパ節、肺、背中、骨盤、膵臓、肝臓、手術後の大腿骨の裏・表、右肩、後頭部に腫瘍の転移があるそうです(それも約1年半の間に)
先生はよくブログは完治した人や悪くなっていない人は書かないので、
治った人の情報が出てこないことをおっしゃっていました。
ただ、葉状腫瘍、特に悪性に関しては5年生存されている方、現在1年半以上経過している人も多くブログで記載されている方が多いのです。
あくまでも私が思うのは、それほどまでに葉状腫瘍に関する情報が少ないからだと思うのです。
だから、何かしら自分から発信してみんなに知ってほしいということなんだと思っています。
私はこれから治療に当たるにあたっていくつか思ったことがあるので書かせてください。
他の方にされていた回答を拝見したのですが、
・先生が仰る通り、葉状腫瘍は肉腫になるためあっという間に再発する可能性がある
→これは本当におっしゃる通りでした。(もちろん再発しない人もいるのでこの女性が特殊とは思いますが。)
・これは乳がんなどの癌の告知を受け現在治療中の方も、私のように検査待ちの人にも言いたいことなのです。
こんな若い子が悪性葉状腫瘍を経験し、全摘・大がかりな手術、抗がん剤、放射線治療を行っているにも関わらず、常に前向きに今を一生懸命生きています。時には泣いて泣いて泣き明かして心が折れそうになりながらも。。相当ポジティブで精神的にも強い方なんだと思いますが、私よりも年下の子がこんなに頑張っているのです。
この女性のように治るために前向きに治療に立ち向かっていく姿に私はただただ尊敬するしかありません。
みんながこんなに強いとは思わないです。辛いことも沢山あります。
でも、私も含めて、みんな不安かもしれませんが、頑張っていきませんか?
私はこのブログからこの女性に「こんなことくらいで辛いなんて言っていられない、私も頑張ろう!」と大切なことを教えてもらいました。
病気は違えど他の質問者の方にも大切なことは伝わるのではないでしょうか。
田澤先生にお願いです。
乳がんには放射線や抗がん剤など特効薬(完全ではないにしても)がありますが、葉状腫瘍(特に悪性)には治療法がないということがある意味乳がんよりもたちが悪いのではないでしょうか。
Yahooや教えてgooなどでも質問を良く見るのですが、葉状腫瘍と診断される女性が多くなっていると感じました。先生一人では何もできないことはわかっていますがぜひ早急に切除以外の治療法、治療薬を見つけてください。
本来のQ&Aと趣旨がずれてしまい申し訳ありません。
この投稿を不適切と判断された場合にはお返事はいただかなくても結構です。
よろしくお願いします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
大変、考えさせる内容であり「私も是非知ってもらいたい」ものだと思います。
ただ乳腺外科医としての見かたは少し違います。
「初期治療が適切だったのか?」です。
葉状腫瘍を甘く見ないで「再発させない手術をすること」がターニングポイントとなります。
「再発してしまった後の治療」は「摘出」できなければ「何も無いのが現状」です。
「薬物療法については」私も何か「ブレイクスルー」が有る事を願います。
質問者様から 【質問2】
このブログは私も読んでいましたが、提供したブログの方、先日お亡くなりになった
そうです。
約2ごとの転移、血行性転移もあり初回の摘出手術から1年半でした。
初回の対応が重要だということですが、彼女は線維線腫として受けた手術で悪性葉状
腫瘍の病理結果。
悪性葉状腫瘍の場合は全摘しても再発や転移するのですか?
全摘しても再発、転移するのだとするとどうやったら完治はできるのですか?
悪性葉状腫瘍、こわいです。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
お亡くなりになりましたか。
若いだけに、尚更痛ましく思えます。
回答
「初回の対応が重要だということですが、彼女は線維線腫として受けた手術で悪性葉
状腫瘍の病理結果」
⇒ここがターニングポイントとなった可能性があります。
あくまで「可能性」です。
再発を繰り返す中で「悪性葉状腫瘍」となる方の場合には「明らかに初期治療(=
局所療法=手術)の不備」を考えるわけですが、
最初の手術で「悪性葉状腫瘍」の場合には、『初期治療が完璧だったとしても、す
でに転移していた可能性』も否定できません。
「悪性葉状腫瘍の場合は全摘しても再発や転移するのですか?」
⇒全摘する事でそのリスクを「極力減らす」ことはできると思います。
ただ、「肉腫」である以上「癌と同様」100%はありません。
「全摘しても再発、転移するのだとするとどうやったら完治はできるのですか?」
⇒現時点では「手術しか有効な治療がない」のが現状です。
だから、「手術しても再発するかもしれない」と悩むよりも「唯一で最大の治療で
ある手術に最善を尽くす」ことこそが重要と思います。
癌にも「完治する人」と「転移再発する人」が居る様に、「悪性葉状腫瘍も、治療
したからと言って、転移再発する人が存在する」のが現実なのです。