[管理番号:1084]
性別:女性
年齢:39歳
質問者様の別の質問質問が新たな内容のため、別の管理番号としました。 |
こんにちは。以前管理者番号653で質問をさせていただいものです。
あれから8月始めに右乳房全摘の手術を無事に終えることができました。
主治医からなんの情報ももらってないままの手術で不安もありましたが、田澤先生からも「手術先行で大丈夫」とのお言葉をいただき、覚悟?を決め手術に向かいました。
そして昨日、ようやく私の癌の病理結果を聞くことができました。
組織型 硬癌
浸潤径 1.9㎝
脈管侵略 軽度
リンパ節転移数 3/29
エストロゲンレセプタ 強陽性(50%以上)
プロゲステロンレセプタ 弱陽性(1~10%)
HER2 陽性
核異型度 1
Ki67 20%
先生からはホルモン療法のきく癌だがプロゲステロンレセプタが1~10%と出ていて、その事を考えると予防的にTC療法を考えてみては?と言われました。
TC療法、放射線、ホルモン療法と順番にすべてやるそうです。
やったから必ず再発しない、とは断言は出来ないがこの数値をどうとらえるかは私次第だと。
抗がん剤はやってもよいし、やらなくてもよい。ただ後悔のない治療をしてください、と。
まだ子供も小さいので、やることによって少しでも再発率が減るのならやったほうがいい事はわかりながらも、ホルモンが効くと言われながも抗がん剤って…とどうすればよいのかわからず。
田澤先生もやはり1~10%というのを考えると抗がん剤をしたほうがよい、と思われますか?
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
まずメール内容から気づいたのは「HER2 陽性」とあるのは誤記載であり「HER2 陰性」の誤りですよね?
本当に「HER2陽性」であれば、無条件に抗HER2療法(ハーセプチン+通常の化学療法)の適応になります。
今回は「ルミナールタイプ(HER2陰性)」なので「抗がん剤すべきかどうか迷う」という内容だと解釈しています。
回答
「プロゲステロンレセプタが1~10%と出ていて、その事を考えると」
⇒私はプロゲステロンレセプターはあまり信用していません。(染色性があまり良くないので)
質問者は「核異型度1」だし、「Ki67=20%」なので「文句なしのルミナールA」と思います。
Adjuvant onlineで調べると「化学療法による上乗せ効果は8%弱」となります。
この数字をどうみるかです。
○基本的には「ホルモン療法単剤でいい」と思いますが、「やれることは、全てやる」という希望であれば「8%弱」は意味のある数値とも言えます。
この数値を参考に考えてください。
質問者様から 【質問2】
お忙しいのに、すぐの回答ありがとうございます。
田澤先生のおっしゃる通り、HER2は陽性ではなく陰性です。
そして抗がん剤をやるべきか、この数日こちらのQ&Aを沢山拝見しました。
どうしても分からないのはルミナールAで抗がん剤をやっても意味がないですよ、と回答されているときと、今回私に8%をどうとらえるか、と答えてくださった違いは「やれる治療はすべてやりたい」と私自身が思っているから、と解釈して良いですか?
それとも他に、この部分がこうなっているからやる意味が少しはあるよ、ってことですか?
再発を考えると8%にすがりたい、でも副作用を考えると…やってもいいし、やらなくてもいいと言われると怖い、と思ってしまって。
でも、やっぱり自分で決めなきゃいけないんですよね。
14日までに決めてきて下さい、ということなので1週間ちゃんと考えて(田澤先生の教えて下さった8%も含め)治療を決めようと思います。
*************
先程のメールすみません!
せっかく先生からお返事を頂いていたのに最後の文章だけが頭に残りメールをしてしまいました。
先生は「ホルモン療法単剤でもよい」とのことだったのですね。
他の回答との違いなんて書いてしまって申し訳ございませんでした。
単剤でもよいが、やれるだけやりたいなら8%弱だけど意味はあるってことですよね?
後悔しない治療って言われて、本当にやる意味があるのか?と思っていましたが、「やれることはやりたいと思うなら」意味があるってことなんだ、と思いました。
最初のメール、勘違いしてしまってすみません。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
術後補助療法はターゲット療法(ホルモン療法やtrastuzumabなど)は「そのターゲットが存在していない」場合には無意味となりますが、
非ターゲット療法である「化学療法」はたとえルミナールタイプでも「効果がゼロ」と言う事では無いのです。
ただ、効果が「0.1%」となれば、誰も選択しないでしょうし、これが「30%」なら「多くの人が選択する」ことと思います。
「化学療法」は「そういう観点が必要」です。
「1%でも効果があれば」と言う人と、「できればしたくない」と言う人で同じ推奨とはならないのです。
質問者様から 【質問3】
田澤先生、お返事ありがとうございました。
私が今後の治療対して何を優先したいのか、前向きに考えることが出来ました。
抗がん剤とは別で、まだ少し分からないところ(不安になってしまったこと)があるの
で質問させてください。
私が手術する前の診察でリンパ節に癌はないであろうと言われていました。もちろん
実際に手術をしてみたら癌があった!という事があることは理解出来ているつもりで
す。ただ、私はリンパ節に3つでしかもその中での最大径は1.4㎝と書いてありま
す。
1.4㎝もの癌がエコーには写らなかったということがあるのでしょうか?もう切除し
ているので今さらなのかもしれませんが、手術を待っている間に癌が何らかの要因で
勢いよく成長したのか?と怖くなってしまいました。
ルミナールAタイプは大人しめな癌と言われていて核異型度も1で術前は見えなかった
リンパの癌が1㎝以上で見つかることはよくあることですか?
あと、19.0×18.5×4.5㎝大、乳頭を含む皮膚に18.0×8.0㎝大が付着。
他に、乳管内病変にはcomedo壊死がみられ石灰化を伴う。
また、乳腺外脂肪織への浸潤が見られるが、皮膚や大胸筋膜面への浸潤は認められな
い、リンパ管・静脈侵襲あり、切除断端は陰性である。
と書いてありますが乳頭を含む皮膚に付着と書いてあったり、皮膚への浸潤は認めら
れないと書いてあったりで…私は大丈夫なのか?と。
リンパ管や静脈侵襲が軽度とはいえあるってことは、今後再発しやすいのですか?
抗がん剤をやるかやらないかで悩み、初期だと思っていたのにリンパ節にあったり、
侵襲があったりでこれで初期とは言えないのかも、と不安になってしまいました。
ちなみに、病理結果を頂いていますがサブタイプとⅡ期aまたはbなのか教えてもらっ
ていないのです…。
お忙しいのにすみません。
よろしくお願いします。
田澤先生から 【回答3】
こんにちは。田澤です。
pT1c(19mm), pN1, pStageⅡAです。
サブタイプはルミナールAでいいと思います。
回答
「1.4㎝もの癌がエコーには写らなかったということがあるのでしょうか?」
⇒あります。
リンパ節転移の場合は、リンパ節の中への「転移の拡がり方」によっては「術前検
査(超音波など画像診断)では不明」なことはあります。
つまりリンパ節内で「平べったく拡がっている」場合には「画像上解り難い」ので
す。
「手術を待っている間に癌が何らかの要因で勢いよく成長したのか?と怖くなってし
まいました。」
⇒それは全くの杞憂です。
そんな事は無いと思います。
「ルミナールAタイプは大人しめな癌と言われていて核異型度も1で術前は見えなかっ
たリンパの癌が1㎝以上で見つかることはよくあることですか?」
⇒前述した通りです。
時々あることです。
「乳頭を含む皮膚に付着と書いてあったり、皮膚への浸潤は認められないと書いて
あったり」
⇒「付着している=接している」が「直接浸潤は無い」ということだと思います。
特に心配無い所見です。
「リンパ管や静脈侵襲が軽度とはいえあるってことは、今後再発しやすいのです
か?」
⇒あまり関係ありません。