[管理番号:1018]
性別:女性
年齢:41歳
お忙しい中恐縮ですが、どうぞよろしくお願いします。
抗がん剤ドセタキセル中に、手術した逆側の脇や、胸と胸の間の平な辺りが、ピクピク動いていたことがあります。常にではなく数回です。初めての経験です。この症状は一体なんなのでしょうか。
また、点滴を刺した手の甲の血管が一部赤っぽくなってしまっています。色素沈着というものなのでしょうか。これは徐々に消えてくれるのでしょか。それともそのまま消えない可能性の方が高いのでしょうか。
また、血液検査で刺す腕の血管がポコっと硬くなっています。これもこのままなのでしょか。
それと手術で残った胸の傷の赤身は取れるのでしょうか。
普段目に付くところで、見ると色々思い出して辛いです。今後少しでも跡が消えればマシなんだけどなあと思ったりします。個人差があるのでしょうか。
ご返信お待ちしております。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
術後や化学療法後の「気になる変化」ですね。
回答
「手術した逆側の脇や、胸と胸の間の平な辺りが、ピクピク動いていたことがあります。常にではなく数回です」
⇒筋肉の過敏症状だと思います。
一時的なものだと思います。心配ありません。
「点滴を刺した手の甲の血管が一部赤っぽくなってしまっています。色素沈着というものなのでしょうか。これは徐々に消えてくれるのでしょか。それともそのまま消えない可能性の方が高いのでしょうか」
⇒「血管炎」です。
抗がん剤による「血管炎」は「少し回復まで時間がかかります」
だんだん消えていくと思います。
「血液検査で刺す腕の血管がポコっと硬くなっています。これもこのままなのでしょか」
⇒これも「血管炎」です。
やはり同様に「少しずつ」改善していきます。
「手術で残った胸の傷の赤身は取れるのでしょうか」
⇒「傷の赤み」とは「ケロイド」のことでしょうか?
これは「アレルギー体質」からくるものなので、あまり改善しないかもしれません。
○抗がん剤による「血管炎」は回数が多くなければ「改善してくる筈」です。
頑張りましょう。
質問者様から 【質問2 抗がん剤治療】
田澤先生お返事ありがとうございました。望みをもって跡が軽減していくのを長い目で待ちたいという気持ちになりました。
もう一つ質問させて下さい。私はルミナルAですが、リンパ節転移が数個(3~4個)あったためECとドセタキセルをやることとなり、あと一回というところまできました。が、色々と副作用も怖いのでドセタキセルのあと一回はできることならやめたいと考えております。果たして何%再発率が変わってきますか。ルミナルAだし僅かならムリにやらなくてもいいのではと思ってしまう反面、あと一回、気持ち良く最後まで終わらせたほうがいいのかとも考えます。田澤先生からなんでもいいのでアドバイス頂けましたら幸いです。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
ルミナールAならば、そもそも「アンスラタキサン」が必要か?というところです。
アンスラx4+タキサンx3で十分だと思います。
残念ながら、「タキサンを3回で終了した場合」の評価は存在しません。
○「どうせやるなら最後まで」という気持ちも解りますが、「体の事(副作用)を考えて3回で辞める」という考え方でもいいと思います。
質問者様から 【質問3 抗がん剤治療中の身体の変化】
先生、お返事ありがとうございました。先生の意見と私の考えが一致していたので心の整理がつきそうです。
また質問させて下さい。郭清した方の二の腕が抗がん剤を打つだびに痛くなります。これは浮腫の前触れなのでしょうか。郭清した方の中で浮腫になる確率はどれ位あるのでしょうか。予防対策を何かすべきでしょうか。
また、先生のご経験や感覚の中で、ルミナルAで、ホルモン陽性、v0. ly2. グレード1. 径3cm、リンパ節転移が3-4個あった患者さんが再発された方はどれ位いらっしゃいますか。ルミナルAは再発しにくいと言われておりますが、実際リンパ節転移が数個あった場合は、やはり怖いものなのでしょうか。リンパ節転移があったことで、そんなに予後が違ってくるものなのでしょうか。どうぞよろしくお願いします。
田澤先生から 【回答3】
こんにちは。田澤です。
術後、化学療法(アンスラタキサン)中でしたね。
回答
「郭清した方の二の腕が抗がん剤を打つだびに痛くなります。これは浮腫の前触れなのでしょうか」
⇒血管の刺激症状でしょう。
「浮腫」とは全く無関係です。
「郭清した方の中で浮腫になる確率はどれ位あるのでしょうか」
⇒殆どありません。
数字にすれば数パーセント以下です。
ただ、「腋窩郭清」は「手術精度が術者により全く異なる」ところなので、「質問者の執刀医に直接聞いてみてください」
「ルミナルAで、ホルモン陽性、v0. ly2. グレード1. 径3cm、リンパ節転移が3-4個あった患者さんが再発された方はどれ位いらっしゃいますか」
⇒20%位です。
「実際リンパ節転移が数個あった場合は、やはり怖いものなのでしょうか。リンパ節転移があったことで、そんなに予後が違ってくるものなのでしょうか」
⇒リンパ節は「局所」です。
複数転移があっても、局所療法(手術+放射線)を行うことで十分対処できます。
ただ、一方で「予後の関連因子の一つ」として「腫瘍径」と共に「ステージ」を規定します。
○サブタイプではなく、「ステージで予後は考えるべき」だと思います。
質問者は「ホルモン療法+化学療法」を行っているので、十分リスクは低いと考えます。
タモキシフェンを10年頑張りましょう。
質問者様から 【質問4】
田澤先生、ご多忙の中お返事頂けた事、大変感謝しております。先生の率直で的確なお答えを頂けた事で、漸くですが気持ちの整理がついて前向きになり、そして今後の励みともなりました。少しづつ頑張っていきたいと思います。
本当にありがとうございました。