[管理番号:1017]
性別:女性
年齢:54歳
質問者様の別の質問質問が新たな内容のため、別の管理番号としました。 |
さっそくにDTXの抗がん剤の副作用緩和についてご返答くださりありがとうございます。
加えて先生にいくつかこれからの治療についてお聞きしたいです。私は、先生に手術先行でというアドバイスをいただき、安心して治療を始めることができました。おっしゃるとおり9月12日がいよいよ近づいて来ました。このことを楽しみに治療を前向きに考えられているというのもあります。先生のアドバイス通り、十分な休薬期間は取れなかったのですが(手術日の関係で押してしまいました。)
そこで先生にお聞きしたいことです。
①私は今の病院に90分かけて通っているので、FECの治療では、感染症予防のため、ジ-ラスタ注射を翌日打っていました。しかし、この次の抗がん剤(DTX)+ハ-セプチンのときは、打たないで様子をみようと言われました。感染症で熱が出る可能性が低いからですか?熱がでたら、次の時考えようと言われたのですが。(注射のおかげかFEcの時は熱は出ませんでした。)
②DTX+ハ-セプチンの投与の仕方ですが、1週間おきで12回、3週間おきで4回があるようで、先生は何となく前者を進めたそうでしたが、効果には違いがないことと、遠距離なため後者のほうを希望すると伝えたところ、そのような予定となりました。しかし、副作用が心配なのでどちらが良かったのだろうかと今は少し悩んでしまっています。先生は、私の立場のような患者さんにはどう判断されますか。
③最後に抗がん剤治療をがんばって来ていますが、お話したように味覚障害がつらく、またこのような障害が続くと思うとちょっと意欲もそがれます。次の治療までもう少し期間をあけて始めるということをお願いしてもいいのでしょうか。また、治療は続けてできれるだけやるほうが効果的なのでしょうか。先生のお考えをお聞かせください。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
FECの時にペグフィルグラスチム(ジーラスタ)を用いていたのですね。
TC療法のような「発熱性好中球減少症」のハイリスクレジメンではないので、本来はペグフィルグラスチムの適応はありません。
ご本人がおっしゃっているように「90分かけて通院」していることでの「例外処置」だと思います。
回答
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「次の抗がん剤(DTX)+ハ-セプチンのときは、打たないで様子をみようと言われました。」
⇒本来は、このレジメンもペグフィルグラスチムの適応がないのです。
それで今回は、「ドセタキセル」なら流石に大丈夫だろう。適応でもないし。となったと思います。
万が一、「発熱性好中球減少症」となったら、(今度は、大手を振って)用いる事ができるのです。
薬剤使用には「適応」があるので、「使いたくても、使えない」事情があるのです。
「DTX+ハ-セプチンの投与の仕方ですが、1週間おきで12回、3週間おきで4回がある」
⇒これは勘違いしています。
1週間おきで12回行う場合はPTX(パクリタキセル)となります。(DTXのweekly投与は保険で認められていないのです)
つまり、『「DTX+ハーセプチンを3週間おきで4回行う方法」と「PTX+ハーセプチンを1週間おきで12回行う方法」があります。そのどちらにしますか?』が正しい記載となります。
「副作用が心配なのでどちらが良かったのだろうかと今は少し悩んでしまっています。先生は、私の立場のような患者さんにはどう判断されますか」
⇒かなり難しい判断ですね。
質問者が90分かかって通院している事を考えると「利便性重視」で「DTX+ハーセプチンを3週間おきで4回行う方法」となるし、
「副作用重視」とすると「PTX+ハーセプチンを1週間おきで12回行う方法」となります。
○効果に関してはトリプルネガティブでは「PTX+ハーセプチンを1週間おきで12回行う方法」> 「DTX+ハーセプチンを3週間おきで4回行う方法」ですが、
質問者を含め、その他のサブタイプでは「PTX+ハーセプチンを1週間おきで12回行う方法」≒ 「DTX+ハーセプチンを3週間おきで4回行う方法」となります。
もしも質問者が決められない時には、「副作用が心配なので」とありますので、「PTX+ハーセプチンを1週間おきで12回行う方法」を勧めます。
「次の治療までもう少し期間をあけて始めるということをお願いしてもいいのでしょうか」
⇒これは簡単な話です。
まず「ハーセプチン単剤」で始めればいいのです。
そして暫くして(ハーセプチン単剤で2~3回?)副作用が治まったら、「PTXもしくはDTXを併用開始」すればいいのです。
♯ハーセプチン単剤では副作用がないので、「ハーセプチン単剤で先行」を勧めます。