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ステージ4と診断されたことについて

[管理番号:13099]
性別:女性
年齢:32
病名:
症状:
投稿日:2025年09月24日

田澤先生、はじめまして。

7月に乳がんと診断されて今はタモキシフェンの内服とリュープリン注射での治療をしています。
主治医からは、
HER2陰性、ER90、PR90、Ki-67 40のルミナールB
左AC区域に2.5cmの癌
左腋窩レベルⅠレベルⅡリンパ節に転移あり
肝臓に1cmの転移あり、ステージ4
と説明がありました。
治療開始前のPET検査で肝臓に反応があり、内科の先生にエコーで見ていただいたところ恐らく癌と思われる影が見えるが、門脈に近い場所で血管に囲まれているため生検はできない、形的にも位置的にも乳がんが転移していると見て間違いはないだろうとのことでした。

こちらの色々な相談を拝見しましたが、田澤先生は乳癌が初発治療時に遠隔転移を起こしていることはほぼ無いとおっしゃっているのをよく見ます。私は本当に肝転移をしているのか、転移をしていなければステージ2だったのでその場合に受けられる治療が現在は受けられないけれどそれでいいのか心配になっています。2.5cmの癌が遠隔転移するということはあるのでしょうか?
主治医には遺伝子検査の結果が出次第セカンドオピニオンを聞きに行きたいと伝えてありますが、この場合セカンドオピニオン先で転移していないよと言われる可能性はあるのでしょうか?

家族はステージ4の5年生存率をみてだいぶ混乱しています。今のところホルモン療法と腋のリンパの痛み止めの副作用でなんとなく調子悪い程度であまり症状もなく仕事もできているのですが、今後の治療でさらに具合が悪くなったり、仕事ができなくなったりすることはあるのでしょうか?

大きな病気をするのは初めてなのでなにに対しても不安になってしまっていて、いま感じている微妙な具合の悪さ(めまいや吐き気、倦怠感、腰痛)も副作用ではなくて気分的なものなのではないか、癌とわかったから怠けようとしているのではないかと考えすぎてしまっています。
先生のお考えをお聞きしたいです。

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

率直に言って、質問者は大きなターニングポイントにいると思います。

家族はステージ4の5年生存率をみてだいぶ混乱しています。
→まず、このステージ4の生存率とありますが、「そもそも」論として遠隔転移=ステージ4というわけですが、その状況には「大変シビアな状況~十分薬物療法で長期緩解(場合によっては根治も狙いうる状況)まで千差万別でる」ことをまず理解いただく必要があります。

それでいえば、その「主治医こそ」それを理解したうえで(本来)最適な(この「最適な」には患者さん自身が何を望んでいるのか? ステージ4は諦めるしかないから楽な治療しかしたくないという希望なのか、(それとも)もしも根治の可能性が少しでもあるのであれば可能な限り頑張りたいという希望なのか?)を考慮したうえでの治療方針の提案がなされるべきでしょう。

いくら主治医自身が消極論であるとしてもルミナールタイプの1次治療としては「ホルモン療法単独ではなく、CDK4/6 inhibitor+hormone therapy」とするのが現在のガイドラインといえます。

肝臓に1㎝の転移であれば、質問者が積極的な治療で可能な限り根治の可能性を希望するのであれば、
(肝臓に対する局所治療として転移かどうかの判断も含めた手術、もしくは放射線治療)+乳癌原発巣の手術 →抗がん剤→CDK4/6 inhibitor+hormone therapyによる長期cCRの維持を狙う(cCRの先にしか根治の可能性は無いという認識は重要です)

いま感じている微妙な具合の悪さ(めまいや吐き気、倦怠感、腰痛)も副作用
→その通り、ホルモン療法による副作用です。

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再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
(回答が公開されてから2週間後)
2025/10/9
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