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両側乳癌

[管理番号:891]
性別:女性
年齢:47歳
 
 

質問者様の別の質問

質問が新たな内容のため、別の管理番号としました。
質問者様の別の質問は下記をクリックしてください。
管理番号:973「家族性乳癌の可能性がある場合の術式」

 
 
検診で右胸の砂状石灰化を指摘され(マンモグラフィーのみ、エコーなし)、要再検査という事で乳腺専門クリニックを受診しました。
画像がない為再度マンモグラフィーとあと乳腺エコーをし、確かに右胸に石灰化がありました。
エコーでも確かに映っており7ミリ位と言われました。
その後マンモトーム生検をし非浸潤性乳管癌と診断されました。石灰化はもしかしてマンモトームで全部取れているかもとも言われました。ところが手術の為MRIをとったところ、左側にも乳癌らしきものが映ってます。主治医も予想外で両側の場合は家族性乳癌の可能性があると言われました。父方のおばが卵巣癌、従姉妹が乳癌で亡くなっています。すぐその場で、左側もマンモトームと似たようなセレロという検査をしてもらいました。結果はまだです。左側は少し大きく、8ミリと2センチぐらいともう一つ小さいものがあるそうです。もしかしたら繋がってるかもと言われました。
1年3ヶ月前の検診、今回の検診、そして今回の再検査のマンモグラフィーと3回とも映っていません。ただエコーでは映っています。手術の日も決まっています。結果によったらと思うと不安でなりません。なぜマンモグラフィーで映らなかったのでしょうか?乳癌ではない事も考えられるのでしょうか?だとすればどんな病気がどれぐらいの割合で考えらるのでしょうか?とても不安です。
乳腺専門クリニックより、卵巣癌も心配ですし遺伝子なども調べられる大学病院の乳腺外科へ紹介してもらった方がいいでしょうか?今からだと手術の日程も先になってしましいます。遅らしても大丈夫でしょうか?
 

田澤先生からの回答

 こんにちは。田澤です。
「父方のおばが卵巣癌、従姉妹が乳癌で亡くなっています」
⇒親族で卵巣癌の方がいらっしゃることからも「家族性乳癌卵巣癌症候群の可能性(決して高くはありませんが…)」はあります。

回答

「なぜマンモグラフィーで映らなかったのでしょうか?」
⇒40歳代であれば、「マンモグラフィーで写らない」ことは決して珍しくはありません。
 「超音波の方検出力は高い」のは間違いありません。
 
「乳癌ではない事も考えられるのでしょうか?」
⇒勿論MRIで写っているから「乳癌」という訳ではありませんが…
 担当医の反応からは「乳癌を疑う所見(造影パターンや形状から)」なのだと思います。
 
「乳癌ではない事も考えられるのでしょうか?だとすればどんな病気がどれぐらいの割合で考えらるのでしょうか?」
⇒「形状からは乳腺症も鑑別に挙がりますが…」
 エコーでも確認しているようなので、「担当医には区別がついている」のではないかと推測します。
 
「卵巣癌も心配ですし」
⇒これは「術前に造影CTを撮影」すれば済む話です。
 
「遺伝子なども調べられる大学病院の乳腺外科へ紹介してもらった方がいいでしょうか?」
⇒全く不要です。
 なぜなら、「遺伝子検査」は術後にでも「そのような病院で行えばいい」だけの話であり、「手術や治療」には何ら影響は無いのです。
 ○遺伝子検査は「質問者自身の治療」には何ら影響を及ぼしません。
 あくまでも「近親者の今後のリスク」や「今後の質問者の卵巣癌のリスク」を知るためのものです。
 
 
★まずは「遠回りせずに」きちんと「乳癌の治療をしてもらって」ください。
 術後に、ゆっくり「遺伝カウンセリング」を行い、(自身が希望した場合にのみ)遺伝子検査はされるべきものなのです。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

以前両側乳癌で親族が乳癌、卵巣癌で亡くなっている方がいるので、家族性乳癌ではと質問させていただいたものです。
その節はありがとうごさいました。
その後、遺伝子検査をしてもらい結果的にはBRCA1.BRCA2いずれも見つかりませんでした。
ただ、今解明してない何かがあるかもとの事で、乳癌にはなりやすい体質であるように感じました。
その後、マンモトームなどの術前検査で両側の非浸潤乳管癌と診断され、場所と広がりから両側全摘(皮膚温存)+同時再建(エキスパンダー挿入)術をしてもらい、退院してきました。
結果は両側非浸潤乳管癌で、術後治療は不要との事でした。次回6ヶ月後でいいとの事です。後は再建のみです。
結果的には本当に良かったと思います。
ただ、病理結果をもらったのですが、右はマンモトームで取り切れており癌が認められませんでした。という結果でした。
左はコメド壊死を伴うDCISを認めます。と切除断端陰性とセンチネルリンパ節に悪性所見は認めません。とだけ記載されてます。
最大で2センチだったとは聞いてますが、ホルモン受容体やHER2などは調べないものなんでしょうか?コメド壊死は悪性度が高いと聞いた事がありますが、ホルモン受容体など調べてないようで、ホルモン治療とかは不要なんでしょうか?
何もしない事に今は不安になっています。
それと、非浸潤性乳管癌でも、一定の割合で浸潤癌が見つからずに遠隔転移をするとい記事をみました。どういう場合にあり得るのでしょうか?
それと、皮膚温存してますが、針生検をした場所に癌が残ってる事もありえるのでしょうか?
次回まで待てず、質問させてもらいました。
お忙しいところ申し訳ありません。
よろしくお願いします。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
両側「非浸潤癌」よかったですね。
「皮膚温存」とは「乳頭乳輪温存ではない」という意味ですね?
♯「乳頭乳輪温存」乳房切除と(乳頭乳輪は切除した)「皮膚温存」乳房切除があります。

回答

「ホルモン受容体やHER2などは調べないものなんでしょうか?」
⇒非浸潤癌であれば「抗がん剤の適応はありません」し、「HER2測定も保険適応外」となってしまいます。
 
 (本来、術後療法の決定のために用いられる)それらを調べる「必要性」がありません。
 
「コメド壊死は悪性度が高いと聞いた事があります」
⇒「非浸潤癌」では「全く無意味」です。
 単に、浸潤癌になり易いということです。
 
「ホルモン治療とかは不要なんでしょうか?」
⇒「全摘」では根治となってしまうので「不要」です。
 乳頭乳輪を残しているのであれば、「ホルモン療法をやってもいい」ですが、「子宮体癌のリスク」を考えると「バランスが良くない」と思います。
 
「非浸潤性乳管癌でも、一定の割合で浸潤癌が見つからずに遠隔転移をするとい記事をみました。どういう場合にあり得るのでしょうか?」
⇒病理検査は5mmスライスなどなので「微小浸潤を100%除外できない」ということです。
 ただ、そんなことを心配しても全く無意味です。
 余計な「記事」といえます。
 そんな「少数例」の話をしても全く無意味です。(いたずらに、不必要な不安を煽るだけであり、「百害あって一利なし」です)
 
「皮膚温存してますが、針生検をした場所に癌が残ってる事もありえるのでしょうか?」
⇒これも殆どありません。
 ただ、「皮膚温存を選択」する時点で「考えなくてはならなかった事」とは言えます。