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リンパ節再発

[管理番号:12103]
性別:女性
年齢:55
病名:
症状:
投稿日:2024年10月04日

田澤先生おはようございます。
こちらのQAは拝見させていただいておりましたが、今回私も質問させていただきたいので
お忙しいとは思いますがよろしくお願いいたします。

この度、鎖骨下に再発が見つかりました。
わきの下にも何個かあるようです。

主治医は、再発が脇の下だけなら腋窩郭清すれば局所でよかったけど
レベル3だと手術でとりのぞくことができないので、遠隔転移のようなものです。
あなたの状況は初発でいうとステージ3cなので厳しいものとかんがえておいてください、
自分の経験的に余命は3年くらいです。
みたいなことを言われました。
余命という言葉まででてきて、あまりにもショックだったのでそのあとは話が頭にはいってきませんでした。

そこで田澤先生にお聞きしたくよろしくお願いします。

1.先生のQAでは、鎖骨下は局所再発とかいてありますが、それは手術をしたら局所あつかいになるということですか?
それとも鎖骨下までいってるならどっちにしても、もう全身にあるでしょうという意味なのですか?

2.脇の下だけと違って鎖骨下にあるとなると
初発のステージも2から3になってしまいますが
鎖骨下転移というのは、主治医がいうように
ひどい状況なのでしょうか?

3鎖骨下に転移すると余命は三年なのですか?
長く生きることはもうむりですか?

4田澤先生に手術してもらえば根治は望めますか?
遠方のため術後のことも心配なのですが
術後は放射線や抗がん剤が必要になるのでしょうか?
抗がん剤で緊急搬送とかみるのでこわいのです。

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

(まずは感想)
あまりにも酷い
自分の手術手技が稚拙だからといって、それを「遠隔転移と同じだから(あろうことか)余命3年」などとは…
まさに、同様のことを言われて手術をご希望された患者さんが最近いらっしゃったので(偶然にも年齢も同じ)最初は同一人物(でも、すでに手術日程も決まった後にQするのもおかしいけど)かと疑ってしまいましたが、読み進めると内容が少し違うので別件だと了解しました。

普段から「鎖骨下郭清はできないし、しない」ような医師には無論「できない」のでしょうが、私から見れば「鎖骨下郭清」は日常的だし(この乳がんプラザをやっているお陰?で)全国から集まってくるので「鎖骨窩再発」の手術の経験も自身もあります。

主治医は、再発が脇の下だけなら腋窩郭清すれば局所でよかったけど
レベル3だと手術でとりのぞくことができないので遠隔転移のようなものです。

⇒これは酷い!

「腋窩郭清しかできない術者」から見れば「鎖骨下リンパ節転移は遠隔転移に見える?」のかもしれませんが、「鎖骨下郭清も普通にできる術者」から見れば、無論あくまでも「局所再発」であり、それが真実です。

自分の経験的に余命は3年くらいです。
⇒根拠なし。
「鎖骨下リンパ節を手術不能=遠隔転移」としか捉えられない医師にはそう見えるのかもしれませんが…

全く根拠薄弱です。

余命という言葉まででてきて、あまりにもショックだった
⇒自分が鎖骨下郭清ができないからといって、このように患者さんにショックを与えていいものなのか? とても信じられません。

1.先生のQAでは、鎖骨下は局所再発とかいてありますが、それは手術をしたら局所あつかいになるということですか?
それとも鎖骨下までいってるならどっちにしても、もう全身にあるでしょうという意味なのですか?

⇒無論「局所」です。
その医師の「手術能力」によって患者さんの運命が捻じ曲げられてしまうとしたら、それは大変な誤りです。

2.脇の下だけと違って鎖骨下にあるとなると
初発のステージも2から3になってしまいますが
鎖骨下転移というのは、主治医がいうように
ひどい状況なのでしょうか?

⇒全身検索をしているのか(メールからは)不明ですが…
局所再発だけなら、予後に影響は殆どないと思います。

3鎖骨下に転移すると余命は三年なのですか?
長く生きることはもうむりですか?

⇒これ自体、あまりにも馬鹿げている。
それは誤りです。絶対にあってはいけないことです。

4田澤先生に手術してもらえば根治は望めますか?
⇒無論です。
明らかにターニングポイントです。
私の使命と言えます。

遠方のため術後のことも心配なのですが
術後は放射線や抗がん剤が必要になるのでしょうか?

⇒それは術後に考えればいいことです。
もしも必要であれば、(そしてご希望であれば)遠方の方は「抗癌剤も放射線も地元に紹介」するケースは多いです。

抗がん剤で緊急搬送とかみるのでこわいのです。
⇒それは「まず」ありません。
ただ(もしも、そのように心配するのであれば)地元の病院で(それは)やればいいのです。

「江戸川病院での手術」はこちら。

「手術相談」メールはこちら。

***
再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
2024/10/21
***

  

質問者様から 【質問2】

腋窩鎖骨下郭清
性別:女性
年齢:55
病名:
症状:
投稿日:2024年11月19日

田澤先生こんにちは。
以前は憔悴してるなか、力強い返信をしていただき、ありがとうございました。
おかげで、また立ち上がる勇気をもてて病院探しを必死にして、先日手術をしていただけました。
同居してる母も痴呆のため遠くなることで田澤先生のところにはお伺いできませんでした。
でも、先生のおかげで勇気をもてました。
本当にありがとうございました。

術後病理まで一カ月かかるようですが、
質問をお願いします。

1.術前に全身検索petCTをしたところ、腋窩1のみに少し集積がみられました。
ほかにも小さな腫れはみられましたが、集積はなかったようです。
petではわからなくても、エコーでレベル3まで腫れたいた場合は、やはり
ほぼ転移ですか?
反応性ということはほぼないですか?

2.最初に胸の全敵手術をしたときに
センチネルに転移がみられましたが、微小なため腋窩郭清は省略されました。
この微小転移が、今の転移に至ってるのですか?
そうだと、センチネルも微小でも転移がみられたら腋窩をとったほうがいいとなってしまいますか?

3.先生のコラムや他の方への回答をみてると、

こんにちは。田澤です。
(腋窩)リンパ節再発は間違いなく「手術時(5年前)の取り残し」です。
良く考えて貰えば解りますが…
(手術の際に、そのリンパ節に癌細胞がないのに)術後に、「何処かにあった癌細胞が腋窩リンパ節に(わざわざ)入る」と思いますか??(それは全くナンセンスで

リンパ再発は初回手術時の取り残しだから、とれば初回とったのと同じ意味になるのですか?
初発でレベル3まで転移があるのと、
再発でレベル3まであるでは意味あいは違いますか?胸のがんは、初発でとってるから胸のがんがない分遠隔転移のリスクは減るのかなと。考えてしまいました。

3.主治医は、たぶん鎖骨上に放射線をやると思う、抗がん剤はしなくていいかなといってたのですが、
田澤先生でも同じ考えですか?

4.反応性でない場合、レベル3まであったのでリンパ転移の数も多そうですが、根治を目指せるのでしょうか?長生きできますか?

お忙しい中申し訳ありません。
よろしくお願いします。

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。

1.術前に全身検索petCTをしたところ、腋窩1のみに少し集積がみられました。
ほかにも小さな腫れはみられましたが、集積はなかったようです。
petではわからなくても、エコーでレベル3まで腫れたいた場合は、やはりほぼ転移ですか?
反応性ということはほぼないですか?

⇒エコーが絶対的な所見であり(もともと)レベル3はリンパ節自体が小さいのでPETで写らないことは「寧ろ当然」です。
レベル3は(経験上)反応性腫大しません。

2.最初に胸の全敵手術をしたときに
センチネルに転移がみられましたが、微小なため腋窩郭清は省略されました。
この微小転移が、今の転移に至ってるのですか?
そうだと、センチネルも微小でも転移がみられたら腋窩をとったほうがいいとなってしまいますか?

⇒冷静によく考えてください。

物事は「統計的」に判断されます。
もともとセンチネルリンパ節生検自体「転移していない人たちに、腋窩郭清を省略したい」という発想から来ています。

単純に、「微小転移で省略郭清した群」と「微小転移で郭清した群」で生存率に「有意差がない」という統計学的処理からの回答なのです。
当然、例外的に(質問者のように)「微小転移なので郭清省略したら、結局腋窩再発した」という症例は何千人中の数人はいらっしゃいます。
ただ、その数値は「統計学的に埋もれる(差が無い)」となったわけです。

3.先生のコラムや他の方への回答をみてると、
りンパ再発は初回手術時の取り残しだから、とれば初回とったのと同じ意味になるのですか?

⇒その通りです。

初発でレベル3まで転移があるのと、
再発でレベル3まであるでは意味あいは違いますか?

⇒異なります。

3.主治医は、たぶん鎖骨上に放射線をやると思う、抗がん剤はしなくていいかなといってたのですが、
田澤先生でも同じ考えですか?

⇒病理結果を見て主治医と相談しましょう。

4.反応性でない場合、レベル3まであったのでリンパ転移の数も多そうですが、根治を目指せるのでしょうか?長生きできますか?
⇒勿論です。

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再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
(回答が公開されてから2週間後)
2024/11/21
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