[管理番号:12060]
性別:女性
年齢:55
病名:炎症性乳がん
症状:乳頭部分(乳首の裏)に2センチくらいの固まりがある
投稿日:2024年09月24日
炎症性乳がんと診断されました。しかし、赤くなったりはしていません。
うっすら、ピンクかなぁ?程度です。
炎症性乳がんは、見た目と検査結果で判定されるのですよね?
こんな見た目でも炎症性乳がんと診断されるものでしょうか。
ki67は40で、炎症性乳がんなら進行が速いと思うのですが、40%というのは速くもなく遅くもなく
こんなものなんでしょうか。胸膜と骨転移リンパ転移で、いきなりの4判定でしたがまだ戦える余地はありますよね。
今の主治医は手術はないと言うので、手術出来そうなところまでいけたら、田澤先生にお願いしたいです!
お忙しい中、すみません。
疑問に答えていただけたら幸いです。よろしくお願いいたします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
炎症性乳癌は「比較的」低頻度なので、慣れていない乳腺外科医が「誤った」診断をしている可能性は高そうです。
ただし「うっすらピンク」の場合には「皮膚が浮腫を伴っている」可能性はあります。
うっすら、ピンクかなぁ?程度
⇒炎症性乳癌は「あり得ない程乳房全体が真っ赤」となります。
その程度なら、(おそらく)炎症性乳癌ではなく「一部皮膚の浮腫による所見」だと想像します。
ただし、「皮膚浮腫を伴う」場合には規約上pT4bとなります。 (炎症性乳癌は規約上pT4dです)
こんな見た目でも炎症性乳がんと診断されるものでしょうか。
⇒上記通り。
判断に誤りはありそうです。
ki67は40で、炎症性乳がんなら進行が速いと思うのですが、40%というのは速くもなく遅くもなく
こんなものなんでしょうか。
⇒Ki67は(そもそも)参考になりません。
胸膜と骨転移リンパ転移で、いきなりの4判定でしたがまだ戦える余地はありますよね。
⇒無論です。
その記載内容からすると質問者には治療に対するモチベーションが感じられます。
その気持ちこそが(主治医の消極的な姿勢に負けない)「負けざる者たち」への道だと思います。
今の主治医は手術はないと言うので、手術出来そうなところまでいけたら、田澤先生にお願いしたいです!
⇒現時点で本当に手術不能なのか?(単に主治医が「遠隔転移がある=手術しても無意味」としているだけで「現段階で手術可能な可能性」もありそうです)
★最も注意が必要なのは(その消極的な)主治医により「楽な治療から行いましょう」的に誘導されて、(根治へ向かう)道を絶たれることの無いようにすることです。
先週ライブ配信したように、「最初の1年間」がその分かれ目となるかもしれないからです。
実際に炎症性乳癌と言う診断に問題無いのか?一度診察させてもらうと「如何に、巷で誤った炎症性乳癌との認識があるのか?」皆さんの参考となります。
ご希望であれば、「確定診断希望メール」してください。
***
再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
2024/10/3
***
質問者様から 【質問2】
炎症性乳がんと言われた後
性別:女性
年齢:55
病名:左多発乳がん多発骨転移
症状:
投稿日:2024年10月04日
左多発乳がん 多発骨転移、癌性胸膜炎の疑い
Nuclear granding.grade3
nuclear atypia:score3、mitotic counts;score2
Histological grading:grade2
tubule formation:score2.nuclear atypia:score3.mitotic counts:score2
Jscore:ER:score 3b.PgRscore3a
Allred score:ER(PS5.IS3).PgR(PS4.IS3)
HER2:score2(equivocal)
Ki-67:40%
炎症性乳がんと初めは言われましたが、検査を進めるうちにルミナールBと…
持病でかかっている大学病院に転院し、HER2の結果が2回ともあいまいだった為、最終結果が出るのを待って治療が始まる予定。
私は、なんとか戦いたい意思なんですが…大学病院の先生は「切ってもいいけど余命は変わらない」「痛い思いをするだけ」「生活の質をなるべく落とさないやり方」という方針らしく
HER2陽性なら、パージェタ、ドセタキセル、ハーセプチン陰性なら、ベージニオを使用すると言われました。
しかし、相談しながら決めていくとも言われた為、希望は言えるかもしれないです。
田澤先生は、この薬で戦えると思われますか?来週火曜日に結果が出たら、始まってしまうので
田澤先生に聞かなきゃと焦っていました。
最初の1年が勝負。田澤先生のお言葉を支えに
頑張りたいので…ご回答よろしくお願いいたします。
いつも乳がんプラザに、前向きにさせていただいてます。感謝してもしきれません。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。 田澤です。
炎症性乳がんと初めは言われましたが、検査を進めるうちにルミナールBと
⇒やはり(苦笑) 誤判断でしたね。 それにしても「炎症性乳癌を知らない乳腺外科医」には本当に困りますね。
私は、なんとか戦いたい意思なんですが…大学病院の先生は「切ってもいいけど余命は変わらない」「痛い思いをするだけ」「生活の質をなるべく落とさないやり方」という方針らしく
HER2陽性なら、パージェタ、ドセタキセル、ハーセプチン陰性なら、ベージニオを使用すると言われました。
⇒無論、状況次第です。
やはり注目は
1.多発骨転移で「過重骨」などに骨折のリスクがないのか?
2.癌性胸膜炎の疑い とありますがどの程度なのか?(胸膜引き攣れ程度なのか?
胸水が中等量以上貯留し咳などの症状の原因となるほどなのか?←これはメール内容からは無さそうですが…)
1について
もしも骨折のリスクがあれば優先順位として、その部位に照射が優先されます。(病的骨折してしまうと治癒困難となるリスクがあります。)
ただし、(メール内容からは)照射の話は全く出ていないので「そのようなリスクは現時点ではない」のだと推測しています。
2について
これも質問者から「咳や息切れ」などの記載が無いので無症状(所見も軽微)と想像しています。
そうなると、①全身療法⇒全身がコントロールされてから手術、もしくは②(そもそも全身転移は軽微だから)手術先行⇒全身療法
いずれかの選択となります。
もしも①だとすれば、
HER2陽性ならば(主治医の言うように)「パージェタ、ドセタキセル、ハーセプチン」を4サイクル⇒手術⇒(全身評価後に)
「phesgo(pertuzumab+trastuzumab)+chemo or phesgo only」を選択すべきですが、
もしもHER2陰性ならば全身療法として(主治医の言うような)「CDK4/6阻害剤+hormone」では明らかに消極的治療であり私なら選択しません。
その場合、私であれば手術先行⇒(通常の抗癌剤である)anthracycline + taxane⇒(画像上)CRを狙います。
(もしも全身療法を先行したほうがいい場合ならば anthracycline + taxane ⇒手術⇒CRを狙う(評価)⇒(CRならば)CDK4/6阻害剤+ホルモン療法とします。
「HER2が現時点で不明」「遠隔転移が(手術先行を許すような)軽微なのか、どうか不明」という不確定要素が2つもあるので、上記のような「とっちらかった」回答となってしまいましたが
言いたいことはただ一つ(主治医のいう「余命は変わらないから」という理由で弱い治療ではなく)根治の可能性を少しでも考えるのであれば、CRを狙う治療を選択すべきだと思います。
***
再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
2024/10/21
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質問者様から 【質問3】
胸水
性別:女性
年齢:55
病名:左多発乳がん、多発骨転移
症状:胸水、
投稿日:2024年10月18日
先日はありがとうございました。
炎症性乳がんでなかった事、田澤先生のおっしゃる通りだったなぁと思っていました。
再び質問したく、よろしくお願いします。
胸水がどんどん溜まり、呼吸困難で救急車で運ばれました
救急車内で酸素チューブを付けてもらうと、少し回復
先生は「まだ入院する程でもない」との事で、帰されましたが…
また呼吸困難で吐き、倒れ救急車で運ばれ入院になりました。
しかし問題は呼吸だけなのでと、在宅酸素の手配が出来たら退院。と言われ3日目に退院しました。(現在はそろそろ在宅酸素不要になりそうです)
入院中に、胸水を1リットル抜きました。まだ溜まってるけど、一度に抜くのは良くないからと
その胸水を調べ、癌性胸膜炎が確定したそうです。
同時にハーツーが3度目の検査でも2だった為、ベージニオ+レトロゾールの内服が始まりました。
田澤先生が危惧されていたように、優しい治療からするようで…
ベージニオを飲んで8日目ですが、副作用の下痢はまだ来ておらず
背中の下の方が昨日くらいからたまに痛みますが、副作用でしょうか
ベージニオ7日目に、レントゲン、血液検査、心エコー、診察がありましたが
血液検査は、白血球がだいぶ減ったけどまだ範囲内。
レントゲンでは、胸水を抜いた方はそのまま増えておらず、抜いてない右側が目に見えて減っており
先生が「効いてるねー!」と
そして、エコーの結果を見てなのか、
「原発も、ハリがなくなってきたのでは??」と
これは小さくなってきたと?いうことなんでしょうか
まだ服用1週間ですが、こんな早く効果が出る事もあるんですね
そんな状態ではあるのですが
私は「原発の手術」を諦めてなく、田澤先生の「1年が勝負」という言葉がずっと心にあります。
そして寛解と手術を視野に入れた治療をしてくれる先生が
関西にもおられた為、セカンドオピニオンをするつもりでいます。
(関東なら迷わず江戸川病院にかけこむのですが)
効いてる治療の途中で、転院しても問題はありませんか?
ベージニオは、一旦やめてもまた使えるのでしょうか。
セカンドオピニオンをしたいと申し出たら、大丈夫ですよと言っていただいたんですが
先生の名前を言うと、主治医が名前を知っていて
言葉を選びながら
「まぁ…何でも切る先生、破天荒なイメージですね」と
私が最初から、手術希望と言っていたので…その先生をセカオピ先に選んだ事に納得されてました。
破天荒、という言葉に若干不安は感じましたが、セカオピするつもりでいます。
このままベージニオでも生きられる年数が変わらないなら、このままでもという気持ちが生まれたりもするんですが…
長くなりましたが、田澤先生のご意見を聞きたくてまた質問させていただきました。
よろしくお願い致します。
田澤先生から 【回答3】
こんにちは。田澤です。
Abemaciclibが効いているようで何よりです。
効いてる治療の途中で、転院しても問題はありませんか?
ベージニオは、一旦やめてもまた使えるのでしょうか。
⇒無論、使えます。
(呼吸状態が改善したら)抗癌剤を行い、全ての治療後に(cCRとなり)再登場が理想的ですね。
私が最初から、手術希望と言っていたので…その先生をセカオピ先に選んだ事に納得されてました。
破天荒、という言葉に若干不安は感じましたが、セカオピするつもりでいます。
⇒それが重要です。
その医師に「治したい(もしくは)治す最良の道を考える姿勢」が見えることを期待します。
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再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
2024/11/4
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