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浸潤性乳管がんステージⅢ今後の治療について

[管理番号:12030]
性別:女性
年齢:38
病名:浸潤性乳管がん
症状:
投稿日:2024年09月20日

お忙しいところ恐れ入ります。宜しくお願い致します。
浸潤性乳管がん
◯ルミナールA
◯8.2?6.9浸潤計
◯センチネルリンパ生検2/5個 5ミリ脇高リンパ節郭清省略
◯脈管、リンパ管侵襲なし
◯異軽度2
◯ki67 10%

先月乳房全摘手術を行い、病理結果の説明がありました。術前検査ではステージⅠでしたが、実際はステージⅢAとのことで、大きなショックを受けました。かなり動揺してしまい、詳細は主治医に質問出来ませんでしたが、以下が今後の治療方針と説明がありました。
◯抗がん剤
AC療法、2週間毎4クール
パクリタキセル毎週12クール
◯再建後、放射線治療
◯アベマクシリブ2年
 ホルモン療法10年
小さい子どもがいるため、今出来る治療は全て行い、長生きしたいです。
こんなに大きい浸潤計は聞いたことがなかったため、予後が心配です。腋窩リンパ節郭清を行わなかったこと、心配していますが主治医からは追加手術は必要ないと言われています。
先生でしたら、追加手術を勧めますか?
また、こんなに浸潤計が大きいので、遠隔転移が心配です。
術前検査では他転移はなかったため、検査予定はありません。治療方針としては問題ないのかご意見を伺いたいです。
宜しくお願い致します。

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

私とその主治医では考え方が「根本的に」異なります。
私は「局所は局所」「全身治療は全身治療」に明確に分けて、それぞれのベストを行います。

先生でしたら、追加手術を勧めますか?
⇒勿論です。
無論、「センチネルリンパ節生検結果の取り扱い」は様々であり一般的には以下の3通りがあります。
1.微小転移でも追加郭清する
2.微小転移は追加郭清しないが、肉眼的転移が1個でもあれば追加郭清する
3.肉眼的転移が3個以内なら郭清省略する。

おそらく(当院もそうですが)上記の2が一番多く、(先進性を謳う大病院などが)3を選択しているように思います。
無論、今回は上記3での「郭清省略」を選択しているようです。

ただ、(そもそも)当院では(上記でコメントしたように)肉眼的転移が1個でもあれば追加郭清となるので(私が)このケースで郭清省略することはありえません。
しかも浸潤径が大きいのだから、腋窩再発のリスクは考えなくてはいけないでしょう。

3を選択するような施設にありがちな、「局所治療が中途半端」でも(その後に)
「全身治療で抗癌剤を行えば局所のリスクはカバーする筈」という考え方は私は決して行いません。

局所は局所でキチンと治療をする。(この場合には追加郭清です)
そして逆に全身療法はそれとは無関係に選択されるべきです。

質問者はリンパ節転移が2個なのだから(そもそも)OncotyepDXの適応があります。

★私であれば「腋窩郭清」をしたうえで「本当に抗癌剤が必要なのか?(上乗せ効果があるのか?)OncotyepDXを推奨」します。
ご参考に。

オンコタイプDX

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再質問をする場合、下記日付以降にしてください。
2024/10/1
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