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リュープリン注射について

[管理番号:646]
性別:女性
年齢:42歳
はじめまして。
お忙しい所素人からの質問で申し訳ありませんが、先生のお考えをお聞かせください。
妻が乳癌初期でH27.6(先月)無事手術も終わり、現在ホルモン療法が開始されました。
その上で、リュープリン注射との併用を進められました。
現在妻は42才、この注射は40才以下の患者には強く推奨し、逆に45才以上の患者には推奨しないが、妻は42と微妙な年齢で、強くは進めないがおすすめするとのことでした。
効果がどのくらいあるのか、副作用を考えるとどうも迷っているようです。
先生はどう思われますか?
以下に妻の術後病理検査の結果概要を記載します。よろしくお願いいたします。
・浸潤がん(硬がん)ステージ1(腫瘍大きさ1.3cm)
・ホルモン陽性、her2陰性
・リンパ節転移 なし (ly0)
・血管侵襲 なし (v0)
 

田澤先生からの回答

 こんにちは。田澤です
 担当医の言う「40才以下の患者には強く推奨し、逆に45才以上の患者には推奨しないが、妻は42と微妙な年齢で、強くは進めないがおすすめする」というコメントはSOFT試験結果が明らかとなった以上、陳腐なものとなっています。(かつては、私もおおよそそのように考えていましたが…)

回答

「先生はどう思われますか?」
⇒私なら勧めません。
 先のSOFT試験では全体としては「LH-RHagonistのTAMへの上乗せ効果」が否定されています。
 それでサブグループとして有効性が示されたのは以下の2つのグループです。
 ①化学療法が適応となる「ハイリスクグループ」
 ②35歳以下
 私は、これを根拠として「pT1c(13mm), pN0, luminal type」であり、「42歳」である質問者(の妻)へはリュープリンは勧めません。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

早速のご回答ありがとうございました。
妻も自分も必要なのか疑問でしたので、先生のお答えが心強いです。
注射は受けない方向で考えますが、もし受けなかった場合も再発リスク等は変わらないという判断でよろしいでしょうか。
主治医の先生からの「40~45才くらいの方のデータがあまりないから強くは進めないがおすすめする」との言葉が引っかかっているもので。
何度もお聞きしてもうしわけありません。
 

田澤先生から 【回答2】

 こんにちは。田澤です。
 タモキシフェンにLH-RHagonistの上乗せ効果は「長い間、我々臨床医にとって信じられてきた」信仰でした。
 ただ、SOFT試験が「答え」を出した以上、「根拠の無い使用」は厳に慎むべきだと思っています。

回答

「もし受けなかった場合も再発リスク等は変わらない」
⇒その通りです。
 42歳はLH-RHagonistで「上乗せ効果」が得ら得れるpopulationでは無いのです。

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