[管理番号:9823]
性別:女性
年齢:41
病名:硬化性腺症?
症状:胸に硬いもの、押すと少し痛い
投稿日:2021年10月20日
田澤篤先生
長文となりますが、ご回答いただけますと幸いです。
乳がん検診は30代より年1回で意識して参りました。
35歳頃より引っかかるようになり、診断結果は、乳腺症や石灰化はあるものの問題ないとのことでした。
しかし昨年(40歳)になり画像上、白く映る範囲が広いとのことで、超音波ガイド下吸引術を行い、結果①良性にて半年後の経過観察。
その後多忙となってしまい、本来半年後のはずが一年半後(2021.9)に再診。
マンモグラフィーと超音波検査にて、結果②やはり白いモヤがある。
乳腺症の場合は消滅していくものだが、昨年より更に広範囲に&はっきりしてきている。
とのことでその日の内に改めてガイド下吸引術を行いました。(昨年は先生がボタンを押すとバチンという音とともに採取されているようでしたが、今年は器具が進化したとのことで電子音?キュイーンという音とともに採取される器具でした)結果③病理診断は良性。
だがモヤが気になる。
私は疑います。
しかしこの病院ではこれ以上の検査(MRIなど)は設備が整っていない為、ここより大きな病院で診てもらうか?とのことでした。
先生が気になる以上こちらも不安ですので、紹介先の大学病院を受診(2021.10/(上旬))
紹介状・画像・細胞標本持参。
「細胞は良性にも関わらず、この流れということは、あちらの先生が気になってしまった、ということですよねー・・」と
(大学病院の先生いわく、前述の先生は念には念をで有名な先生とのことでした)
初診では持参の画像だけではっきり言えない為、当院で改めて標本の病理検査をし、
翌週は造影剤MRI検査をとなりました。
結果④硬化性腺症。
通常経過観察で考慮するが、造影剤が白く反応している事や、この後の不妊治療も考えると、妊娠した場合、きちんとした経過観察ができなくなってしまうので、切除してしまうこともできる。
その場合は2cmほど切り確証的な懸念の部分だけ取る。
でもどちらでも大丈夫です、どうしますか?と。
私が決め兼ねており、決断材料として質問をしていくと、結果的に「乳癌の疑いはあります」とのことでした。
ひとまず懸念を取り除くことを優先し、11月初旬に手術の予約をしました。
ですが本来、どちらでもというのなら、やたらに体へメスを入れるのは怖いので手術は望んでいません。
今後妊娠した場合その間の懸念があるので、取ることで一安心ならば・・と予約をした状況でした。
今回の結果に問題ないと診断がつけば、今週末には不妊治療(体外受精)をスタートするところだったので、先の見えない状況や診断がはっきりしないことに混乱しております。
体が一番ですが、年齢的にも不妊治療を遅らせたくない気持ちもあります。
文面上ではご判断が難しいと存じますが、以下、宜しくお願い致します。
質問
①この場合、切除手術が望ましいのでしょうか。
不妊治療や妊娠も踏まえると、田澤先生は今後をどのように考えられますか。
②手術の説明では、全部となると4cm位切る必要があるので、ひとまず懸念の中心部分2cm位を切り病理を・・というようなお話でした。
これは取って終わりではなく、改めて生検(外科的生検?)という事でしょうか。
③私が行った2度の生検はマンモトーム生検ではないと思っております。
外科的生検ではなくマンモトーム生検で明確になることはあるのでしょうか。
大学病院からは9月に以前の病院で針生検を行っている為、同じことをしても仕方ないと考えている。
疑いがある部分から外れてしまう場合もある為。
とのことでした。
大学病院
●病理診断結果
標本:他機関 MH21-35 HE1枚
検体:右乳腺針生検
判定:検体適正 正常あるいは良性
推定組織型:So called mastopathy,right breast
乳腺組織が採取されています。
乳管が密に増生する領域や拡張乳管がみられます。
乳管上皮の二相性は保たれており、腫瘍性病変を疑う異型を認めません。
乳管内悪性を示唆する所見を認めません。
●MRI造影剤結果:右乳腺1-2時方向のmass/non-mass lesion:BI-RADS MRI
category-5
●超音波結果:右乳腺A領域に低エコー域
④不妊治療で使用する薬剤が、乳腺症の悪化や硬化性腺症へ影響、はたまた乳癌に関連する可能性はあるのでしょうか。
状況により自然周期での不妊治療の相談も考えております。
薬剤使用:今年の春から6ヶ月間、毎周期。
(クロミッド・ヒスロン・hcg注射)
大学病院では「かまわず飲んで大丈夫です(術前であっても)、気にしすぎないように、あとは不妊治療の専門医に聞いてみてください」とのことでした。
田澤先生からの回答
こんにちは田澤です。
「①この場合、切除手術が望ましいのでしょうか。
不妊治療や妊娠も踏まえると、田澤先生は今後をどのように考えられますか。」
⇒MMTEで広範囲に採取して確定診断しましょう。
MMTEで広範囲に採取(削る)すれば、外科的生検とほぼ同程度の診断となります。
「②手術の説明では、全部となると4cm位切る必要があるので、ひとまず懸念の中心部分2cm位を切り病理を・・というようなお話でした。
これは取って終わりではなく、改めて生検(外科的生検?)という事でしょうか。」
⇒全部摘出する場合は「excisional biopsy」といいますし、(そのうちの一部を摘出する場合には)「incisional biopsy」といいます。
「③私が行った2度の生検はマンモトーム生検ではないと思っております。
外科的生検ではなくマンモトーム生検で明確になることはあるのでしょうか。」
⇒その通り。
但し、きちんと時間をかけて「広範囲に採取」することが必要です。
「疑いがある部分から外れてしまう場合もある」
⇒技術と経験の問題です。
そんな「自信が無い医師」に検査されては「たまったものではない」ですね。