[管理番号:381]
性別:女性
年齢:25歳
友人の話ですが、線維腺腫があり年に一度エコーとマンモの検診を受けているそうです。
それは必要な検診なのでしょうか?
被曝の心配はないのでしょうか?
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「線維腺腫に対するフォローアップ」が必要なのか?または「(被曝などを考えた)必要なフォローアップは何か?」
他の方も参考になる大変いい質問だと思います。
ありがとうございます。
回答
「線維腺腫があり年に一度エコーとマンモの検診を受けているそうです。それは必要な検診なのでしょうか?」
⇒全く不要です。
線維腺腫と診断した時点で、「癌には決してならない」ので、本来「経過観察は不要」となります。
※問題があるとすれば、「診断精度」です。
必要ならば針生検で「確定診断」する姿勢が本来は必要です。(針生検で線維腺腫と組織診断が得られれば、フォローそのものが不要なのです)
ただ、「若年者(20歳代)であれば、大きくなることも考えられるため」1年に1回の『超音波単独での経過観察』をしてもいいとは思いますが、「マンモグラフィーは全く不要」です。
◎マンモグラフィーでの被曝線量はとても低いとは言え、「若い時期に、無駄な」被曝をする必要はありません。
質問者様から 【質問2】
お返事ありがとうございます。
検査に行くといつもセットで行っており、精密検査で良性ということは確認しているそうです。
検査を受けるのをやめさせたほうが良いのでしょうか?
私自身も2回ほど心配なことがあり、20代でマンモとエコーを受けました。被曝の影響はどのぐらいなのでしょうか?
お忙しい中申し訳ありませんがお返事頂けたらと思います。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
それでは回答します。
回答
「検査を受けるのをやめさせたほうが良いのでしょうか?」
⇒マンモグラフィーは不要です。
超音波だけでフォローならいいと思います。
「私自身も2回ほど心配なことがあり、20代でマンモとエコーを受けました。被曝の影響はどのぐらいなのでしょうか?」
⇒年に1回程度なら殆ど影響はありませんが、「若年者にとっての影響は(年配者のそれ)より大きいと考えられています。
◎マンモグラフィーの線量(実効線量)は0.1mSv/回程度なので、過剰な心配は不要です(自然放射線、1カ月分にもなりません)
※但し、(日本では頻繁に行われている)CT検査には注意が必要です。CT1回でマンモグラフィー100回分にもなります。
質問者様から 【質問3】
お忙しい中お返事ありがとうございます。
友人にはそのように伝えます。
若い人にはどの程度影響があるのでしょうか?
2回受けたことは本当に心配する必要はありませんか?
田澤先生から 【回答3】
おはようございます。田澤です。
「若い人にはどの程度影響があるのでしょうか?」
⇒これは注意喚起されているだけで「どの程度」というような「データ」はありません。
考え方としては「検診目的での撮影は好ましくない」が「症状があるなど、必要時には行っても良い」とするべきです。
「2回受けたことは本当に心配する必要はありませんか?」
⇒全く問題ないと考えていいです。
その程度で問題になるようなら、 (急性虫垂炎が疑われる度に)小児にもCTを撮影する現状では大変なことになってしまいます。(CTはマンモグラフィーの100倍位の線量があります)
心配ありません。