[管理番号:8168]
性別:女性
年齢:44歳
病名:
症状:乳房痛、小のう胞集まり、マンモ陰
田澤先生はじめまして。
9月頃から慢性的に右胸に痛みがあります。
チクチクではなく、ズーンとしたりズギンとしたり。
1日の中で波はありますが何も感じない日が無い状態です。
生理周期とも関係なさそうで、乳房が張って痛いという痛みではありません。
先生は痛みは乳腺の刺激症状と言われていますが、以前にQ&Aで「例外もある」と見たので心配でなりません。
これまでの経緯。
2018年11月がん検診にてマンモ左右非対称陰影で再検査通知。
4月乳腺専門医(市民病院乳腺外科元部長)のいる内科受診。
小さいのう胞がたくさんあるがシコリはない。
乳腺症と診断。
7月同医院で再度マンモしたがやはり右乳頭上あたりに白い蜘蛛の巣の塊がような影あり。
念のためがんセンターを紹介してされる。
9月がんセンターでもマンモの白い陰とエコーでの小さいのう胞の集まりを確認されたが、前の先生と同じで乳腺症でいいと思うと。
しかし念のため生検をすることになり、細胞診では結果がわからず、針生検にて問題ありませんでしたと言われた(9時末)。
続いている痛みについて相談したが「痛みは乳腺がそういうお年頃」と言われた。
11月初めにずっと痛みが無くならないのが心配で受診したが、エコーでは変わりないと。
「そういうお年頃の乳腺。
ずっと痛いものだよ」と。
本当に問題ないのでしょうか。
シコリの無い乳がんは疑わないのでしょうか。
痛みは3パターンあり、①のう胞があるあたりから乳頭奥あたりの鈍痛。
②右鎖骨下、脇の横あたりの鈍痛?圧痛?右腕がダルく感じる事も。
③胸中央上部にジワーっと熱いものが広がるような感じ。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「シコリの無い乳がんは疑わないのでしょうか。」
→全くナンセンス!
乳房痛を乳がんと結びつける乳腺外科医は皆無でしょう。(何故なら「乳房痛は正常乳腺の症状」なのです)
「しこりの無い乳癌」とは(触診やエコーでは「シコリ(腫瘤)」として認識できないが)主としてマンモで石灰化などの所見で乳癌の診断となった場合を言います。
(乳房痛で疑うわけでは決してありません)
「痛みは3パターンあり、①のう胞があるあたりから乳頭奥あたりの鈍痛。
②右鎖骨下、脇の横あたりの鈍痛?圧痛?右腕がダルく感じる事も。
③胸中央上部にジワーっと熱いものが広がるような感じ。」
→これは『今週のコラム 111回目 大事なことは、これら①~④の病気など世の中には無いのです。それは(我々医師には)自明なことなのです。
』をもう一度(?)
読み直してください。
(以下、上記コラムの抜粋)
①「胸が時々痛かった(乳頭付近が痒いこともあります)」
②「脇に違和感」があり、「腕に痺れ」も感じる。
③「背中~肩甲骨にかけての痛み(違和感)」
④「鎖骨」のあたりから、頸にかけての違和感
★「腕」や「乳頭付近」「鎖骨」など、≪ドンピシャ≫だと思いませんか??
〇症状のことは完全に忘れましょう(100%ホルモンによる刺激症状です)
ただし、エコーで気になっている所見『小さいのう胞の集まりを』は腫瘤非形成性病変です。
それは(通常のバネ式針生検では100%確定診断とは言えず)MMTEで広範に採取して初めて100%確定診断となることは覚えておいてください。
質問者様から 【質問2 】
小嚢胞の集まり
性別:女性
年齢:44歳
病名:
症状:
田澤先生、こんばんは。
年末にはじめて質問させていただきましたが、Q&Aのシステムをよくわかっておらず、質問を拾い上げていただけなかったかもと思い、同じような内容を2度も送信してしまいすいませんでした。
もう少しお聞きしたいことがあります。
①マンモで見えている白い影は、小嚢胞の集まりがあるからそのように映るのですか?
見た感じ3~4センチくらい。
位置は嚢胞の位置と思われる。
私は初めて見た時にダメだと思ってしまいましたが、白い影があっても大丈夫なのでしょうか。
②田澤先生が診てこられた小嚢胞の集まりのなかで、乳がんが見つかった方はどれくらいの割合でしょうか。
③主治医からも、ごく初期の乳がんの話は聞きましたが、もしこれが乳がんだった場合、浸潤性の乳がんの可能性も0ではありませんか?
④痛みは乳腺の刺激症状だという事はしっかり読みましたが、過去のQ&Aで「乳がんで痛みが出るとしたら例外がある。
その痛みはシコリに由来するもの」という回答をみました。
腫瘤非形成病変はシコリにはなってなくても病変であるなら痛みが出る事もありますか?
⑤最近は痛みが胸の奥の方に感じられて、何も痛みが無い日が無いので、気にしないでいる事が出来ず…
この段階で肋骨に転移している可能性はありますか?
不安からか、体重の減少もあり、もう何ヶ月もモヤモヤして過ごしています。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
本質から外れているので、まず2点コメントします。
1.乳房痛と乳癌は無関係
2.小嚢胞の集族は腫瘤非形成性病変なので、100%確定診断するためには広範囲のMMTE(もしくは外科的生検)しかない。(確定診断の方法があるのだから、それをせずに「いろいろ悩む」のはナンセンス!)
「①マンモで見えている白い影は、小嚢胞の集まりがあるからそのように映るのですか?」
→単純に…
乳腺濃度が(周囲より)高いからでしょう。(乳腺症の所見)
「白い影があっても大丈夫なのでしょうか。」
→検診マンモのfocal asymmetric density(FAD)の99%以上は正常ですよ!!
「②田澤先生が診てこられた小嚢胞の集まりのなかで、乳がんが見つかった方はどれくらいの割合でしょうか。」
→10%以下だと思います。
「③主治医からも、ごく初期の乳がんの話は聞きましたが、もしこれが乳がんだった場合、浸潤性の乳がんの可能性も0ではありませんか?」
→画像を見ていないのに断言はできません。(一般論として「ほぼゼロ」と思います)
「腫瘤非形成病変はシコリにはなってなくても病変であるなら痛みが出る事もありますか?」
→ほぼ100%ありえません。(あくまでも正常乳腺の症状です)
「⑤最近は痛みが胸の奥の方に感じられて、何も痛みが無い日が無いので、気にしないでいる事が出来ず…
この段階で肋骨に転移している可能性はありますか?」
→これは1000%無いと断言できます。
「不安からか、体重の減少もあり、もう何ヶ月もモヤモヤして過ごしています。」
→100%解決できる手段がある(MMTE)のに・
無意味に悩むのは止めましょう。
★つまり「(可能性が低いとして)悩まない」か「MMTEする」か、どちらかにしましょう。