[管理番号:7823]
性別:女性
年齢:40歳
病名:乳癌、浸潤癌
症状:
田澤先生、はじめまして。
5日前にこちらのサイトを知り、その直後から毎日記事を読ませていただき乳癌治療の知識をいただいています。
似た様なケースも何個かあり質問が重複するかも知れず私事で恐縮ですが田澤先生のご意見を是非うかがいたく質問させていただきました。
どうぞよろしくお願いいたします。
今年3月に流産しその後左胸だけ張りが収まるのが少し遅い様な気がしていたのですが4月に父を亡くし色々忙しくその後その事すら忘れておりました。
7月に入りたまに左乳房に極薄い電流が流れる様な感覚があったので7月下旬に総合病院の乳腺科で技師によるエコーと医師による触診を受けたのですが乳腺症で間違い無いので気にせずストレス無く過ごす様にと言われ乳腺症の資料をもらって病院を後にしました。
妊活を再開した直後だった為か診察の際マンモは提案され無いまますぐ診断が下された事が妙に引っかかり、その後妊娠していない事を確認してすぐ別の乳腺クリニックを受診しマンモ、エコーしその場で針生検をして8月中旬乳癌が発覚しました。
そこから総合病院に移り9月上旬に左胸全摘手術を終えました。
術前検査でわかっていたのは、乳管に沿って広い範囲で乳癌が広がっている事、遠隔転移無し(骨シンチ、CTやりました。)、センチネルリンパ節生検転移無しという事だけでしたので、他の方の様に事前に自分のサブタイプや術後治療を詳しく調べる事が出来ず、5日前に病理結果が出て慌ててここで術後治療について色々知識をいただいている次第です。
【病理結果】自身で理解できない部分もあるので記載通り表記させていただきます。
Section of the Lt mammary gland
Invasive ductal carcinoma.(#15のみで他は全てDCISです)
Scirrhous carcinoma (#4,6-18)
f,
腫瘍浸潤径 8x5mm
pT1b, Ly0, V0
Nuclear grade1 (Nuclear atypia 2, Mitotic counts 1)
深部、側方断面(ー)
ER(+)(100%/DCIS部分、100%/主腫瘍部)
PgR(+) (20%/DCIS部分、5%/主腫瘍部)
HER2:score →(score3/DCIS部分、score1/主腫瘍部)
Ki67index : 50%/主腫瘍部
Geminin : 3%/主腫瘍部
主治医の説明では以上の結果からホルモン剤がよく効くタイプなのでホルモン剤を飲む事が術後治療では推奨されるとの事。
この病院に移ってすぐに妊娠希望を伝えていたので、普通なら2、3年飲んで途中でストップし妊娠を目指し授乳後にまたホルモン剤を飲むという方法もあるが、私の場合は40歳という年齢もあるので一日一日妊娠率が下がる事を考えるとまずは期間を決めて無治療で妊娠を目指して、その後ホルモン剤を飲むか考えても良いと言われました。
ですが、事前の拙い知識でKi67が50%とかなり高く抗がん剤追加のルミナールBになるのではと思い質問したところ、 Gemininが3%なので実際の細胞活動はそれほど活発では無く大人しいタイプなので心配ないとのお返事でした。
また主治医は抗がん剤を誰彼構わず使用するのは抗ガン剤の効果に対して副作用の大きなリスクを考えると慎重の様で私の場合は抗がん剤は勧めないとの事。
Q&Aやコラムを拝見して田澤先生も妊娠出産授乳による乳癌再発リスクは無いと何度も書かれているのでその事に関しては今は前向きに考えています。
質問①
田澤先生はグレードやKiよりまずステージや腫瘍径を信じるべきとおっしゃっていますが、私の場合ステージを信じて無治療で妊活に入ってもいいのでしょうか。
その場合、最大何年までは許容範囲など期限はありますか。
質問②
色々調べても研究など難しい資料以外でGemininを使用した病理結果をネット上で見つける事が出来ずGemininをどれ位信用できるのか、またどれ位病理の診断で使用されているのか分からずKi67の高さとの間で妊活を優先するか揺れています。
Gemininの意味と、病理結果による抗がん剤の効果とデメリットについて田澤先生の見解を教えてください。
質問③
無治療で妊活をする場合、子供が出来なかったらその後ホルモン剤を飲む事(または抗がん剤プラス)で今後の再発率を下げる事は可能なのでしょうか。
質問④
きっと胸に異変を感じた4月頃には既に乳癌だったと思いますが7月の初診で乳腺症と見落とされてしまったからか今後の治療や再発に正直大きな不安を感じています。
と言っても既に病巣は全摘されているので、今後はどの様な診察を受けて行けば良いでしょうか。
告知から手術、病理結果とここ1ヶ月で目まぐるしい展開だった為自分でも感情が追いつかず悪い方に考えてしまったり、周囲にも予後や再発率、生存率ばかり気にされるので早期発見と自分が結びつきません。
8ミリで見つかった事を喜び前向きに生きた方がいいですよね。
質問⑤
サブタイプ確定の為にもオンコタイプDXは受けた方がいいですか。
質問⑥
この病理結果における田澤先生の考えうる治療方針をお聞かせいただけると嬉しいです。
長文、失礼いたしました。
ご回答どうぞよろしくお願いいたします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「質問① 田澤先生はグレードやKiよりまずステージや腫瘍径を信じるべきとおっしゃっていますが、私の場合ステージを信じて無治療で妊活に入ってもいいのでしょうか。」
⇒そう思います。
「その場合、最大何年までは許容範囲など期限はありますか。」
⇒最初から「何年」ではなく、「1年毎区切って」でいいのでは>
「Gemininの意味と、病理結果による抗がん剤の効果とデメリットについて田澤先生の見解を教えてください。」
⇒私は全く信用していません。
「質問③ 無治療で妊活をする場合、子供が出来なかったらその後ホルモン剤を飲む事(または抗がん剤プラス)で今後の再発率を下げる事は可能なのでしょうか。」
⇒そう思います。
「今後はどの様な診察を受けて行けば良いでしょうか。」
⇒(ホルモン療法を開始するまでは)半年に1回の診察エコー+採血腫瘍マーカー
「質問⑤ サブタイプ確定の為にもオンコタイプDXは受けた方がいいですか。」
⇒妊娠出産を選ぶなら、必ずしも必要ないとは思います。
「質問⑥ この病理結果における田澤先生の考えうる治療方針」
⇒以下
1.妊娠出産を最優先する場合
妊娠出産⇒ホルモン療法
2.治療を最終戦する場合
OncotypeDX⇒(もしも抗がん剤ひつようなら)⇒受精卵凍結⇒抗がん剤
⇒妊娠出産⇒ホルモン療法
〃 (もしも抗がん剤不要なら)⇒1へ