[管理番号:257]
性別:女性
年齢:46歳
乳がんの手術を受けました。
手術時にがん箇所のマーキングのために刺した針が、肺に達し桔梗状態になり、入院が9日間延長されました。
医師からは合併症と説明がありましたが、乳がんの合併症になるのでしょうか?
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「乳腺の切除範囲のマーキングの際の色素注射」での「気胸」
かなり驚く内容です。
それでは回答します。
回答
「手術の合併症」ではありません。
医療ミスです。
- 手術の合併症とは?
⇒術後の出血や感染
例えば、「手術前の説明」で「起こりうる合併症」として「出血や感染」などの説明があったと思います。
もちろん、「手術の説明文書」などで明記されてもいるでしょう。
※実際は、それらも殆どありませんが、一応「可能性のある合併症」とし説明なり、説明文書に記載はあるはずです。
- 医療ミスとは?
⇒本来、「通常の医療レベルで起こるべきではないもの」です。
当然、手術前の説明時に医師から、「乳腺に色素でマーキングする際に針を深く刺しすぎて、気胸になることがあります」という説明も無い筈です。
※もちろん「手術の説明文書に記載」など全く考えられません。
◎私は自分の執刀として2000件以上、(助手として入った手術を含めれば5000件以上はあるでしょう。)手術していますが、一度も「マーキングでの気胸」なんて見たことがありません。
若い頃、(大学病院時代)先輩から「深く刺しすぎると、肺に刺さって気胸になるから気をつけろよ」と(半ば、冗談気味に)言われた記憶はありますが、まさか現実に起こるものとして想像したことはありませんでした。
質問者は「大学病院」もしくは「(有名)大病院」で手術を受けられたのでしょうか?
それらでは「経験のない若い医師」が執刀することが多いため、(普通は考えられない)ミスが起きたのでしょう。
納得のいかないお気持ち、お察しします。
◎当然、病院側から「気胸によってかかった(余分な)費用」などについての補償などの話はあったと思います。