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1cm弱の粘液癌の断端検索について

[管理番号:7073]
性別:女性
年齢:44歳
病名:粘液癌
症状:ほぼなし

12月に粘液癌とわかり勉強させていただいています。

4点、ご質問があります。

健診で腫瘍径1cm弱の粘液癌が見つかりました。
詳しい病理検査の結果はまだ出ていませんが、主治医の印象では、ルミナール型であろうとのことで、A型であれば現時点では乳房温存手術を受け、術後に放射線療法およびホルモン療法を受ける予定となっています。
手術にあたり、術後の標本病理検査、センチネルリンパ節の病理検査は行うようですが、術中および術後も断端検索をしないという方針のようです。

①この大きさの腫瘍であれば、十分なマージンを確保して手術すれば、断端については問題とならないのでしょうか?
②田澤先生なら、どの程度のマージンを確保されますか?

[管理番号:4317]粘液がんの回答の中で田澤先生は、2.粘液癌の場合には(例え、温存後の術後照射があっても)「それだけでは、(照射でも生き残って)局所再発のリスクがあるので」組織診のルートは切除すべき、と回答されています。

③ということは、粘液癌は他の乳がんに比べて放射線治療が効きにくいのでしょうか?
④だとすれば、断端陽性が残ったとして、その後放射線治療をしても断端陽性部分の粘液癌が死ににくいということなのでしょうか?

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

「①この大きさの腫瘍であれば、十分なマージンを確保して手術すれば、断端については問題とならないのでしょうか?」
→?
 断端検索は必要です。

 と、いうよりは寧ろ…
 「この大きさ」で「十分なマージン」があれば、「術後照射の省略も可能(推奨するわけではありませんが)」と、理解しましょう。

「②田澤先生なら、どの程度のマージンを確保されますか?」
→最低2cm

「③ということは、粘液癌は他の乳がんに比べて放射線治療が効きにくいのでしょうか?」
→違います。

 発想が「真逆」です。
 「放射線に対する感受性は組織型とはほぼ無関係」でしょう。
 ★つまりルートをきちんと切除すれば「温存乳房内再発率は決して高くない(寧ろ低い?)」という事実があります。

 そうではなく、単純に「粘液癌がルートに残りやすい」ということです。(これは経験豊富な乳腺外科医ならば実感している筈です)

「④だとすれば、断端陽性が残ったとして、その後放射線治療をしても断端陽性部分の粘液癌が死ににくいということなのでしょうか?」
→勘違いに気付きましたね?

 
 

 

質問者様から 【質問2 】

(再質問)7073 1cm弱の粘液癌の断端検索について
性別:女性
年齢:44歳
病名:粘液癌
症状:

ご丁寧な回答ありがとうございます。

近々、術式を決めなければならないため続けての質問、どうかお許しくださいませ。

針生検では、一つの穴から角度を変えて数回刺して、かなり内出血しました。

出血から血管やリンパを通って転移していないか心配でなりません。

針のルート切除は腫瘍に当たっていないルートや内出血部分も切除が必要でしょうか。
くりぬき手術でも大丈夫と言われていましたが扇状に切除する方がよいのでしようか。
どうぞよろしくお願い致します。

 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。

「針のルート切除は腫瘍に当たっていないルートや内出血部分も切除が必要でしょうか。」
→考えすぎ。

「くりぬき手術でも大丈夫と言われていましたが扇状に切除する方がよいのでしようか。」
→術式については主治医と相談しましょう。

 私に言えるのは「ルートを確実に切除しながらの十分なマージン」ということです。