[管理番号:6962]
性別:女性
年齢:38歳
病名:線維腺腫、のう胞
症状:左胸のしこり
こんにちは。
はじめて質問させて頂きます。
長文になりますが、よろしくお願いいたします。
10月中旬に左胸アンダーバスト(位置は、正面から見て6時と7時の間)にしこりを見つけました。
腕を上げて体を反らせると少しポコっと浮き出ますが、痩せていて胸も薄いためか、仰向けに寝るとわからなくなります。
10月下旬に乳腺専門医によるエコーを受けたところ、「線維腺腫あるいは乳腺症。いずれにしても良性なので問題ない」と診断され、1年後の定期検診でよいと言われました。
その時はそれで安心してしまい、大きさ等聞いておりません。
その後2週間ほどたって、はじめに見つけたしこりのすぐ隣(6時あたりの位置)に、もう1つ小さなしこりがあるのを感じました。
そして色々調べるうち、こちらのQ&Aで30代後半からの線維腺腫は注意が必要とのことを知りました。
これまで、30歳のときにマンモグラフィーとエコーを受け、左胸に良性石灰化ありと診断、1度の妊娠・出産・授乳を経て、35歳から毎年エコーを受け、今年3月にも受けましたが、今まで何一つ指摘されたことはありません。
何もなかったところに急にしこりができたこと、さらに10月下旬のエコー後に新たなしこりを見つけたことに不安を覚え、予約が比較的すぐとれた別の乳腺外科へ診察を受けに行きました。
11月中旬に受診した乳腺専門クリニックでは、マンモグラフィーと技師によるエコーを受けました。
エコーで見つかったものは4つです。
1つ目は、線維腺腫疑いのもの。
位置は6~7時あたり、大きさは9×7×3mm。
2つ目は、線維腺腫疑いのもの。
位置は6時あたり、大きさは6×6×3mm。
3つ目は、水分の溜まったのう胞。
位置は8時あたり。
4つ目は、乳首の後ろで、のう胞か乳管の拡張。
2つの線維腺腫疑いのエコー像は、私には一応楕円のようではあるけれど綺麗な楕円ではなく、浅い凹凸が有る様に感じましたが、医師からは楕円だ、棘などないので癌ではないのことでした。
カテゴリーについて聞くと、しこりがあるのだからカテゴリー3だと言われました。
マンモグラフィーについては、全体的に白く、左は一部白が濃いところが有ると言われたのみで、それ以上指摘はありませんでした。
今までの毎年のエコーで何もなかったところに急に線維腺腫疑いのものができたこと、さらにカテゴリー3と言われたので、生検を行わないのか聞いたところ、「小さいのだから行わない。いちいち生検していたら胸が傷だらけになる。
大きくならない限り行わない」とのことで、結果、大きさは今後確認すべきなので半年後に経過観察すると言われました。
また、10月下旬のエコーで1つだったしこりが11月中旬のエコーで2つ(しかも1つ目のすぐ近く)になったことに対して葉状腫瘍の可能性がないか聞いたところ、このようなパターンもあるのでそこは痛いところだと言われましたが、これも経過観察とのことでした。
そこで、田澤先生にお聞きしたいのですが、
今まで毎年エコーを受け、今年は3月にも受けましたが何も指摘がなかったのに、30代後半になって急に1センチ近くの線維腺腫ができることはあるのでしょうか。
また、10月下旬のエコーから1カ月経たないうちに新たな線維腺腫ができることはあるのでしょうか。
葉状腫瘍など他の可能性もありますか。
「半年後の経過観察のときにだって、生検するとは限らない」、「癌は2センチ以下で見つければステージ1なのだから、それまでに見つければいい。
こんなサイズのものは気にしなくてもよい」と言われ、困惑し、不安でいっぱいです。
江戸川区在住なので、半年後の経過観察を待つより、田澤先生に診ていただきたいのですが可能でしょうか。
ご多忙とは存じますが、よろしくお願いいたします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「30代後半からの線維腺腫は注意が必要」
→これにかんしては、『今週のコラム 126回目 「40歳ではじめて指摘された(画像上)線維腺腫」それは、やはり(組織診しても)線維腺腫だったのです。』を読んでもらえば解りますが、「閉経年齢の上昇=40歳でも線維腺腫ができるのも何ら不自然ではない」というのが実情です。
「今までの毎年のエコーで何もなかったところに急に線維腺腫疑いのものができた」
→たぶん、ここには(些細なようで)実は大きな「誤解」があります。
実際は「何も無かった」わけではなく、昨年は目立たなかったシコリが、(少しだけ大きくなったのか、形状として目立ちやすくなったのか)結果として「認識されやすくなっただけ」だと思います。
「今まで毎年エコーを受け、今年は3月にも受けましたが何も指摘がなかったのに、30代後半になって急に1センチ近くの線維腺腫ができることはあるのでしょうか。」
→ありますよ!
それこそ、『今週のコラム 126回目 「40歳ではじめて指摘された(画像上)
線維腺腫」それは、やはり(組織診しても)線維腺腫だったのです。』に沢山実例を挙げています。
このように、私は大きさに関係なく生検(CELEROにしてもMMTEにしても)しているので、実際のところが解っているのです。
「また、10月下旬のエコーから1カ月経たないうちに新たな線維腺腫ができることはあるのでしょうか。」
「葉状腫瘍など他の可能性もありますか。」
→このケースで「葉状腫瘍を想定する」ことはありません。(葉状腫瘍だからって、そんなに急にはできません)
実際は「見逃し(エコーで解りにくいのでしょう)」ですね。
「半年後の経過観察を待つより、田澤先生に診ていただきたいのですが可能でしょうか。」
→可能ですが…
私は「小さい」からといって、「無意味な経過観察」はしません。(そこは、他の医師とは全く違います)
★質問者のように「他院で良性と言われたけど心配」というケースでは、(「怪しいとか怪しくない」などとは無関係に)生検しています。
ご希望ならば、「トップページ」の「確定診断(生検)希望メール」してください。(緊急度に応じた案内をします)