[管理番号:6667]
性別:女性
年齢:51歳
田澤先生はじめまして。
いつも乳がんプラザでのご活動大変心強く拝見しております。
どうもありがとうございます。
この度は再発の治療方針についてご意見を伺いたくご質問をさせて頂きました。
【経緯】
2016年5月 しこり発見(しこりの大きさ2cm以上リンパ節転移4個)
6月 術前抗がん剤治療FECとドセタキセル(手術室の空きが無いので)
12月 右全摘出リンパ郭清
2017年1月 放射線治療25回
その後無治療
8月 原発のあった所に赤みが出始め少しずつ大きくなり訴えも経過観察。
近くの皮膚科の塗り薬で様子を見る。
2018年7月 赤みは10cm以上になってしまい、検査にてがん細胞確認
PET ? CT で反対側の脇のリンパ節に1つ、胸膜あたりのリンパ節にモヤモヤした感じ 赤みの所もモヤモヤした感じと言われる。
8月 TS1 服薬開始
【2017年1月病理結果】
ステージ2
右全摘出
大きさ:38mm
リンパ節:1個
Ki67:30%
トリプルネガティブ
主治医からは手術不可能 抗がん剤のみと言われています。
只今TS1を服薬して1週間経ちました。
赤い所は取っても再発するし、どこか別の場所から皮膚を持ってきてもふさがらなくなるからと、 根治は無理だから共存していこうと言われました。
【ご質問】
・根治ができるのかとい事
・皮膚転移の部分の赤みの治療について
・抗がん剤は何を使っていったらよいのか
・QOLを保ちながら治療するには
・このようなケースの生存率
今後について田澤先生のお考えを是非お伺いできればと思いご質問させて頂きました。
お忙しい所恐縮でございますがどうぞよろしくお願い致します。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「8月 原発のあった所に赤みが出始め少しずつ大きくなり訴えるも経過観察」
「主治医からは手術不可能 抗がん剤のみと言われています。」
→とても残念なことです。
当然、その時点で切除すべきでした。
「・根治ができるのかとい事」
「・皮膚転移の部分の赤みの治療について」
「・抗がん剤は何を使っていったらよいのか」
「・QOLを保ちながら治療するには」
→これは、『今週のコラム 138回目 効果と副作用のバランスがとれた抗がん剤で「いい状態を維持」するやり方があることを知ってもらいたいのです。』に書いてある通りです。
私なら(毒にも薬にもならない)経口抗がん剤(TS-1やカペシタビン)は用いません。
Bevacizumab + paclitaxel とeriblin を使うことです。
★たしかに、(病勢のコントロールがついていない)現時点で皮膚を切除しても解決にはならない(別の部位に広がるだけ)ですが、上記抗がん剤で「縮小させてから」であれば「再切除=根治」の可能性もあるのです。
♯あくまでも「可能性」の話であることをご了解ください。
ただ、「経口抗がん剤でダラダラ」やっていても、その「可能性さえない」と私は思います。
「・このようなケースの生存率」
→そんなことを考えるのではなく、できるステップを一つずつ上がることです。