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若年性乳がん

[管理番号:6490]
性別:女性
年齢:34歳
 
はじめまして。
2週間前右胸下にしこりを見つけ、数日前にエコーとマンモを受けた結果、ほぼ癌に間違いないと言われました。
生検よりもしこりをまずはとっちゃおう、となり、来週日帰りでしこりを取る手術をします。
先生が丁寧に説明してくださっていたのですが、頭が多少パニックになっていたので、あまり内容を聞きとれませんでした・・・。
 
癌のサイズは1.5cmか1.8cmだったと思います。
エコーではリンパに転移していないと言われました。
この場合は早期なのでしょうか。
しこりを取った後に細胞を調べて、その細胞が悪い癌である可能性もあるのでしょうか。
生検をせず、先にしこりを取るという判断も一般的にはあるのでしょうか。
(確か針でさして細胞が飛んで放射線をあてるようになるから、それよりかは取っちゃおうとなったと思います。
もしくは外科生検とういうことなのでしょうか。)←あやふやですみません。
それとしこりを見つけた際に、胸の右側に黒いあざができていて、それは癌と関係があるのでしょうか。
(今は消えました)
 
また、半年前から右背中、特に肩甲骨の辺りが1日に何回もビリビリと強めにしびれるのですが、これはどこかに転移している可能性などあるのでしょうか。
 
しこりの部分が日に日にズキズキ傷むのですが、これは進行しているということなのでしょうか。
質問ばかりで申し訳ありません。
お忙しいとは思いますがよろしくお願いいたします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
 
「癌のサイズは1.5cmか1.8cm」「エコーではリンパに転移していない」
「この場合は早期なのでしょうか。」

⇒cT1c(18mm), cN0, cStage1
 1期の早期癌です。
 
「しこりを取った後に細胞を調べて、その細胞が悪い癌である可能性もあるのでしょうか。」
⇒癌に「良い癌も悪い癌も無い」ですが、「ほぼ癌に間違いない」というのであれば、(普通の)「癌である可能性は高い」と思います。
 
「生検をせず、先にしこりを取るという判断も一般的にはあるのでしょうか。」
⇒通常は行いません。
 
「(確か針でさして細胞が飛んで放射線をあてるようになるから、それよりかは取っちゃおうとなった」
⇒これは、標準治療ではありません。
 このままいくと、「外科的生検」だけで、「マージンをつけた部分切除(温存手術)+術後照射」が省略されることになりそうです。
 それは標準治療からは「程遠く」であり、「乳房内再発のリスクが高くなる」のです。(だから、標準治療ではマージンをきちんとつけた手術+術後照射となるのです)
 ☆癌だと解っていても(局所麻酔で)「外科的生検+α」とするのは、(全身麻酔にリスクのある)ある種の高齢者だけにすべきです。
 
「胸の右側に黒いあざができていて、それは癌と関係があるのでしょうか。」
⇒無関係
 ただの内出血です。
 
「半年前から右背中、特に肩甲骨の辺りが1日に何回もビリビリと強めにしびれるのですが、これはどこかに転移している可能性などあるのでしょうか。」
⇒10000%転移の症状ではありません。(そんな転移は絶対にありません)
 『今週のコラム 111回目 大事なことは、これら①~④の病気など世の中には無いのです。それは(我々医師には)自明なことなのです。』を読むと質問者に「ピタリと」当て嵌まる事でしょう。
 つまり、卵巣が不安定となったことによる「女性ホルモンによる刺激症状」なのです。
 無駄な心配をしないように。
 
「しこりの部分が日に日にズキズキ傷むのですが、これは進行しているということなのでしょうか。」
⇒これも「全く」違います。
 御心配なく。
 
☆ちなみに…
 現在、乳癌の低年齢化(若年化)が著しく、これは「体格向上による初経年齢の低下」が大きく関わっていることは間違いありません。
 10年前なら「34歳の乳癌」は珍しい部類でしたが、現在は30代前半は普通にあります。
 私の感覚では、ことさら「若年性乳癌」と呼ぶ必要はないように思います。

 
 


 

質問者様から 【結果2 その後】

性別:女性
年齢:35歳
病名:
田澤先生の診察:[診察あり]
田澤先生の手術:[手術あり]

紹介状を持っていったクリニックにその日のうちに癌と診断され、説明は丁寧にしてくれましたが全く頭に入ってこずあっという間に手術の日程まで決めてしまいました。
でもどこかでクリニックに対しての不安があり、そんな時にこのサイトを見つけ、田澤先生に的確に答えてもらい本当に助かりました。ありがとうございます。
クリニックに手術を断ったら、院長自ら私の携帯に電話をかけてきて、説得され、もう一度来院する日程まで決められ、恐怖しかありませんでした…。
病院選び、主治医選びは本当に大事な事なんだな、と思いました。
安易に「職場から通いやすいから」とか「日帰りで局所麻酔だから」とかで決めなくてよかったです。

田澤先生にお任せする事に決めてから、心配事は減り、手術も身内同伴はせず一人でいける、と思い、一人で乗り切りました。(手術よりも田舎者の両親が病院まで来れないんじゃないか、という不安の方が大きかったので一人で乗り切れて良かったです笑)
手術後もすぐ友達とブラブラ病院内を散歩できましたし(友達にもう動けるの?と驚かれました)、退院日は一人で電車で普通に帰れました。多少痛みはあるものの、手術をしたのだろうか…と思うほどでした。
痛み止めも二日しか飲んでいません。
退院日は土曜でしたが、月曜から普通に仕事にも行けました。あまりにも日常過ぎて職場の人にも今の所気づかれていません。

私自身、心配性・小心者なので、不安は癌の宣告から今に至るまでちょこちょこありますが、不安な事や気になる事は受診の際に田澤先生に聞けばいいや、って思えますし、安心して今後も治療に通うことができます。

これからも定期的にお世話になると思いますがよろしくお願いいたします。

<Q&A結果>