［管理番号:6241］
性別:女性
年齢:45歳
乳がんと診断され先日病理結果がでました。
浸潤5㎜(他にも何個か小さいのがありました)
ホルモン陽性
ki70
ハーツーマイナス
グレード2
主治医は
再発の心配はない。
無治療でよい。
といいますが、
kiが70と高く転移しやすいのではと心配です。
1、田澤先生ならどのような治療を提案しますか？
2、本当に再発の心配はないのでしょうか？
3、小さな浸潤でも再発したと見ます。
田澤先生がみてきた患者さんの中でそれはどういう方なのですか？
なんとなくパターン化されてるのでしょうか。
おとなしくないタイプの乳がんのかたですか？
kiが高いルミナールBやトリネガの方ですか？
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「1、田澤先生ならどのような治療を提案しますか？」
⇒（私も、その主治医と全く同じ）無治療です。
「主治医は再発の心配はない。　無治療でよい。」
　⇒賛成です。
　　やたらと（もったいぶって）「いろいろ無駄な治療を提案したがる」医師が多いなかで（ＱａｎｄＡでも大勢います）、このように「物事の本質をついた」態度には大賛成です。
　　おそらく、このケースでは（化学療法を推奨しないまでも）「ホルモン療法を勧める」医師が（世間的には）多いとは思います。
　　私も以前は「ホルモン療法なら」勧めたかもしれませんが、今では「利益（再発予防効果）と不利益（有害事象や経済的な問題）のバランス」を考えて、５ｍｍではホルモン療法も勧めません。
「2、本当に再発の心配はないのでしょうか？」
⇒主治医と同意見です。
　ゼロとまではいいませんが…
　「頭の上に、ある日突然飛行機が落ちてくることを（ゼロとはいいませんが）心配する必要はないでしょ？」
「3、小さな浸潤でも再発したと見ます。」
⇒少数例を見ていても「物事の本質とは程遠い」ことを指摘しておきます。
　そして、そのような小数例は（抗癌剤をしたからといって）防げるものでもないのです。
「田澤先生がみてきた患者さんの中でそれはどういう方なのですか？」「おとなしくないタイプの乳がんのかたですか？kiが高いルミナールBやトリネガの方ですか？」
⇒質問者はネットの「クダラナイ毒情報」に毒されています。
　そんなサブタイプではなく…
　ステージが何のためにあるか知ってますか？（再発率の目安として考えるためです。　それ以外に何か意味があると思いますか？）　♯サブタイプは（再発率の目安のためにあるわけではなく）純粋に治療法のためにあるのです。
　再発してしまう方は（質問者が考えている程）多くはありません。
　ただ、ステージが高い方の中には再発してしまう方も現実にいらっしゃるし、そのようなリスクをお伝えする手段がステージなのです）