[管理番号:6132]
性別:女性
年齢:47歳
田澤先生
Q&Aは全て読ませて頂きました。
重複する質問かもしれませんが、
よろしくお願い致します。
昨年11月に会社の検診にてカテゴリー3要検査ということで
自宅近くの乳腺クリニックを受診し、乳がんと診断されました。
その後、乳がんの診断のショックと同時に手術が出来る病院探しから
先生のコラム等を見て、私なりに勉強して、悩んでやっと2月中旬に
手術が終わりました。
術前、ステージ1 リンパ節の腫れなしという事で、全摘か温存か前日まで
悩みましたが、せっかく温存が出来るならという思いにより温存手術にて挑みました。
麻酔の目覚めが悪く、なぜなのかと思っていたところ。
手術を終えた安心から一変しました。
センチネルリンパ生検により、2個に微小転移があったらしく
また、原発部分は微小ながら5カ所飛んでいたという事で
予定より大きいマージンにより温存手術。
リンパ節は廓清したそうです。
主治医は、当初よりあまり説明をされる方ではなく、説明はすべて一緒に執刀する女医の方が分かりやすく説明してくれました。
他の方は詳しく病理結果を書かれてますが、簡単な用紙しか頂けませんので
下記が結果になります。
乳管癌(硬癌)
切断断端 陰性
腫瘍の大きさ 1.3×1.2
リンパ節転移の個数 2/13 (生検の2個のみ)
核異型度 2
ER 陽性 79.5%
PgR 陽性 80%
HER2 陰性 +1
ki-67 36%
上記の説明がありました。
リンパ節に転移していたことにショックを受け、
温存したことを後悔したり、情緒不安定になりながらも
軽度の認知の母と、小学生に娘の2人を置いての入院も大変で。
仕事も早急に復帰して、大黒柱の役目をしなくてはなりません。
その上、今後の治療が抗がん剤と言われ、これからの生活が不安でたまりません。
命ももちろんですが、副作用等も怖くてたまりません。
今後、どのように治療を進めていくべきか、あまり説明されない主治医は抗がん剤するかどうかは自分で決めるようにと言われました。
出来れば、抗がん剤をしない方向でとは思いますが、娘の事を考えると
生きたいと思ったり、温存した乳房の再発が怖かったりと、日々考えてます。
同じような質問もあるかと思いましたが、どうか治療法等について
アドバイスが頂ければとの思いから、メールさせて頂きました。
よろしくお願い致します。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
物事はシンプルに考えましょう。
「同じような質問もあるかと思いましたが、どうか治療法等について アドバイス」
⇒リンパ節転移の有無は術後の薬物療法とは無関係。(郭清したことで、それは終了です。頭の片隅から追い出してしましましょう)
焦点は「ルミナールAなのか、Bなのか?」
Ki67=36%をどうみるか?です。
★グレーゾーンです。
本当に抗癌剤が必要か知りたいならOncotypeDXすべきです。
「もしも、それをしないなら?」
⇒(他に判断材料もなく)ルミナールAであることを証明できない以上、「抗癌剤をした方が無難」という考え方となります。(そこの領域は、我々にも解らないのです)
質問者様から 【質問2 術後の病理診断と抗がん剤治療について】
性別:女性
年齢:47歳
田澤先生
一回目の質問に回答頂きましてありがとうございました。
考えすぎて、精神的に追い詰められていたので嬉しく思いました。
田澤先生がおっしゃるように、オンコタイプDXを受けてみようと思いました。
退院後の初めての外来に3/13に行き。
主治医の先生に、オンコタイプDXの件を聞いてみたのですが
もともと話をされる先生ではないので、押し切ってお願い出来ず。
当初より、同席できる家族がいないことから、緩和ケアで腫瘍内科の看護師さんが
ついてくれているので、聞いてみました。
残念なことに、こちらの病院ではオンコタイプDXをしている人は2人程
だそうです。
それでも、どうにかならないかと、一緒に手術に入った女医さんをつかまえて
聞いてみました。
やはり、いい返事はもらえず。
オンコタイプの結果で、もっと悩むのではないか、出来るのは限られているとの
事で、それでもしたいならもう一度主治医の外来を受けてとの事でした。
そんなものなのですね。
私は地方に住んでいますが、遅れているのかなって思いました。
それでももう一度主治医の外来を予約します。
オンコタイプDXの件が、上記の状態でしたので。
田澤先生が、度々このQ&Aでもおっしゃられていますが。
私の主治医も手術前に初めて、自分で検査をされました。
それまで一度も見ないことに、ビックリして看護師さんに尋ねたこともありました。
それでも、しっかりと聞いておこうと思い頑張ってみました。
まず先生からの言葉(見解というべきですね)
10年生存率
無治療の場合 80.8%
ホルモン療法 +4.8%
抗がん剤 +3.9%
上記の数字を言われ、その理由はki67だけではなく、総合的からの数値と
言われました。
よって、現状では抗がん剤はどちらでも良いとの事。
これが一番悩みます。
とにかく、私はオンコタイプDXを諦めてなかったので、抗がん剤をするにしても
しないにしても、少し時間がかかりそうと思い。
現時点で出来ることはと尋ねたところ、放射線とホルモン療法は絶対にしないと
いけないと言われ。
時間を無駄にしたくないことを伝え。
その場で、放射線をすることとなり、既に始めました。
長くなりましたが、先生にお尋ねしたい件は下記になります。
①オンコタイプDXをお願いする場合、手術は2/(中旬)でしたが
まだ可能なことなのでしょうか?
②順序は違いますが、放射線から始めてしまったことは良かったでしょうか?
③上記の生存率の数値とは、妥当な数値なのでしょうか?
④主治医が言う、抗がん剤はどちらでも良いとの事は上乗せが3.9%だからとの
ことですが、田澤先生はどう思われますか?
お忙しいとは思いますが、何卒宜しくお願い致します。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
「①オンコタイプDXをお願いする場合、手術は2/(中旬)でしたが まだ可能なことなのでしょうか?」
⇒可能です。
ホルマリン固定標本からなので「何年経っても可能」なのです。
「 ②順序は違いますが、放射線から始めてしまったことは良かったでしょうか?」
⇒よくあることです。
抗癌剤を迷っているケースでは「どうせやると解っている放射線~、始めておく」ということは「極めて良くあるケース」なのです。
「 ③上記の生存率の数値とは、妥当な数値なのでしょうか?」
⇒不明です。
そもそもルミナールタイプでは「Aなのか、Bなのかで数字が全く異なる」ので、(それが混同している数字として)当てになりません。
「 ④主治医が言う、抗がん剤はどちらでも良いとの事は上乗せが3.9%だからとの
ことですが、田澤先生はどう思われますか?」
⇒想像するに…
「強く勧めるほどの数字ではない」ということでしょう。
ただ、実際は(例えばOncotypeDXすれば)「Aなら、殆どなし。Bならばもっと高い」数字となる筈です。