［管理番号:6038］
性別:女性
年齢:50歳
ご相談させて下さい。
私の母は今年1月中旬に乳癌の疑いがあり
今月2月○日に乳癌宣告を受けました。
そして今月2月○○日左右全摘出手術を受けました。
左はしこり3センチ、右は7ミリ
手術前の結果では遠隔転移なし
リンパにも転移なしと説明されていました。
いざ、手術した際に左のリンパのみ転移が確認されたため
腋下リンパも摘出したと説明受けました。
私は遠方に住んでおり入院前日に帰省した為
手術当日の家族説明の際、担当医の方と
初めてお会いしました。
母は担当医の方から《悪性癌》と前々から説明受けております。
◎私が思うに悪性だから癌というわけで
癌には悪性も良性も区別がないと認識していますが
それは間違っていますか？
それともかなり悪い癌なのですか？
◎また、術後の家族説明では
担当医からは進行性乳癌と聞かされました。
確かに今回リンパまで癌があり”早期発見”では無いと思いますが
遠隔転移等は今のところないので進行性乳癌という言葉にひっかかります。
これから癌の詳しい病理検査しそこで治療方針を決めて行くはずなのに
すでに進行性乳癌という言葉が出てくると今後「骨 肺 胃 脳」に転移してしまうんじゃないかと不安でたまりません。
◎また、リンパまで癌がいくと
リンパまでいってない人より生存率が下がりますと。
私は生存率とかそんな数字で惑わされたくないですが
やはり再発の可能性は高いんですか？
完治することは難しいですか？
母も遠隔転移の事を考えてしまっており
すごく不安そうで悲しんでいました。
今回左右の胸全て全摘出しているため
私は今後の治療をしっかりすれば
完治する事を信じています。
再発、転移の可能性も0じゃない事は理解していますが…。
担当医も術後で疲れてるのか早く説明を終わらせたいような態度
そして言葉遣いだったため突っ込んで聞くことが出来ませんでした。
そんな医師に私は不安を持ってしまいます。
◎この状態からでいくと治療方針については抗がん剤治療なりますか？
◎完治の見込みはありますか？
◎母はタバコもお酒も好きで
タバコは今後は吸わないと思いますが
お酒も控えた方がいいですか？
長々書いて申し訳ありません。
手術終わってもとても心配で不安でたまりません。
ぜひ、先生からの回答よろしくお願いします。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「母は担当医の方から《悪性癌》と前々から説明受けております。」
⇒それは勘違いでしょう。
「癌です」と医師が告知した際に、「それは悪性ですか？」と聞かれたので「悪性です。悪性（である）癌です。」と（患者さんに癌が悪性腫瘍であることを強調するために）そのような印象となったのでしょう。（医師が「そんな言い方する筈がない」のです）
「◎私が思うに悪性だから癌というわけで癌には悪性も良性も区別がないと認識していますがそれは間違っていますか？」
⇒その通りです。
「それともかなり悪い癌なのですか？」
⇒全く違います。
「◎また、術後の家族説明では担当医からは進行性乳癌と聞かされました。」
⇒リンパ節転移があったことを「そのように表現」したのでしょう。（医師の性格なのでしょう）
「また、リンパまで癌がいくとリンパまでいってない人より生存率が下がりますと。」
⇒これは冷静に考えてみましょう。
同じ３ｃｍの腫瘍で
（リンパ節転移がないと）pT2, pN0, pStage2Aとなるところが、（リンパ節に転移があると）pT2, pN1, pStage2Bとなるのです。
統計学的にステージ２Ａより２Ｂの方が（ステージが若干、上なのだから）再発率が上がるのは当然ですよね？（そうなければ、ステージの意味がありませんよね？）
★ただ、ことさら「リンパ節転移があるから」などと脅かされる必要は全くありません。
普通に、（リンパ節転移がないよりは）「少しは（ステージが上がるのだから）
再発率が上がるのかな？」程度の事です。
リンパ節転移が（直接）「遠隔転移とは関係ない」ことは、最近のコラムを読むと解ります。
「再発の可能性は高いんですか？完治することは難しいですか？」
⇒あくまでも2期ですよ？？
乳癌は3期でも通常６０％以上は根治するのです。
冷静になりましょう。
「母も遠隔転移の事を考えてしまって」
⇒そんな「余計な心配」をさせるような「言い方」を、担当医がしているとしたら「大変残念なこと」です。
今後の治療（再発予防）に支障がでるだけで「百害あって、一利なし」です。
「◎この状態からでいくと治療方針については抗がん剤治療なりますか？」
⇒このメールからは判断不可能です。
（一昔前とは異なり）「リンパ節転移＝抗癌剤」ではありません。
サブタイプで術後療法は決めるべきなのです。
「◎完治の見込みはありますか？」
⇒前述の通り・
ステージ２であれば「根治の確率は８０％はある」と思います。
「お酒も控えた方がいいですか？」
⇒いきなり「ストイック」になろうとしても、（それがかえって）ストレスとなり良くありません。
「ほどほど」にしましょう。（私は人のことを言えませんが…）