[管理番号:5766]
性別:女性
年齢:34歳
田澤先生 始めまして
自分で胸のしこりを発見して乳癌ではないかという疑いを持った時から、
こちらのサイトを参考にさせて頂いております。
この度、意を決して質問させて頂きたく思います。
6月下旬頃にマンモトーム生検によりDCISの病理結果が出て、同時再建が出来る病院へと転院、
8月中旬にDCISの疑いで右胸全摘同時再建術+センチネルリンパ節切除術を行いました。
術後の病理結果は、DCISではなく浸潤性乳癌ステージ1でした。
病理組織診断書には
Solid-tubular carcinoma
soli-tub>sci
周囲にcomedo type in situ lesionが広く見られる。
with a predominant intraductal component
Modified Bloom-Richardson Grading
Tubular formation: Score 3
Mitosis score: Score 3 (29/10HPF,視野数25)
Nuclear grading score: Score 3
Total score=9, WHO grade 3
ly or v:(-)
pT1b, g(tumor size 1.0cm)
sentinel(-, 0/1)in OSNA
ER: 90%,中-弱(IC), 70%,弱-中(DCIS)
PgR: 80%0, 弱-中(IC), 20%,弱-中(DCIS)
HER2: 3+(IC,DCIS)
MIB-1: M-G 3(>50%)
と記載されており、LuminaBタイプということでした。
今後の術後療法として担当医の説明では、
抗がん剤は タキサン系+ハーセプチンを4クール
アンスラサイクリン系(FEC)を4クール
その後再びハーセプチン単独を半年
その後にリュープリン+タモキシフェンを5~10年ということでした。
別の病院で2か所セカンドオピニオンを受けましたところ、
アンスラサイクリン系は過剰治療とも言える、卵巣や心臓にも影響が大きい、
ただし何%かは再発の可能性が上がるかもしれないし、センチネルで1個しか取ってないのでその診断が適正ではない場合はリスクがあるかも、みたいなことを言われました。
2か所とも同じようなことを仰っていたので非常に迷いましたが、(1か所ははっきりとFECは身体に影響があるし、やらないほうがいいと仰っていました。)
結局若いうちにしっかりと治療しておいた方がいいと担当医に言われたこともあり、
当初の予定通りアンスラタキサン治療にしました。
そして先日卵子凍結で入院したり、セカンドオピニオンを受けたりとで手術から3ヵ月少しでやっと術後の抗がん剤治療に入ることが出来、副作用が少し軽い?ということでアブラキサンという薬と+ハーセプチンという抗がん剤を行いました。
ただ抗がん剤1クールを受けた後もずっと過剰治療では無いかという言葉が気になっていて、色々調べたところ、まずアブラキサンという薬に術後治療の確たるエビデンスが
無いこと、更に調べれば調べる程、自分の病理結果でFECをする必要があるのかとどんどん疑問が膨らんで今の抗がん剤の副作用のことより、そっちの方で毎日頭が一杯です。
そこで田澤先生にお伺いしたいのですが、
①先生であれば、ステージと病理結果、若年性、手術からの術後療法までの日数等を勘案した場合今後どういった療法がいいと思われますか?やはりグレードも高いのでFECまでするべきでしょうか?
②上記の術後療法を1クール行った後ですが、次からすぐに別の治療方法に変更することは可能でしょうか?まだ間に合うでしょうか?
私は出来ればTC+ハーセプチンに変更希望です。
また、変更が可能であっても。
次の治療までに間が空く場合に再発リスクは高まりますか?
③オンコタイプ等の遺伝子検査までして術後療法を決めるべきでしょうか?
④ホルモン強陽性ですが、卵子凍結によって卵巣過激症候群になりました。
再発リスクは上がりますか?
また、ホルモン治療は5年行うべきでしょうか10年行うべきでしょうか?
御多忙のところ大変恐縮ですが、どうぞ宜しくお願い致します。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「まずアブラキサンという薬に術後治療の確たるエビデンスが無いこと」
⇒その通り、このメールでまずここが気になりました。
「今後どういった療法がいいと思われますか?」
⇒非アンスラサイクリンレジメンです。
TC+HER
weeklyPTX+HER
TCH
「やはりグレードも高いのでFECまでするべきでしょうか?」
⇒しません。
「②上記の術後療法を1クール行った後ですが、次からすぐに別の治療方法に変更することは可能でしょうか?まだ間に合うでしょうか?」
⇒勿論。
「次の治療までに間が空く場合に再発リスクは高まりますか?」
⇒あまり関係ないでしょう。
「オンコタイプ等の遺伝子検査までして術後療法を決めるべきでしょうか?」
⇒オンコタイプはHER2陰性でしか適応がありません。
「再発リスクは上がりますか?」
⇒無関係です。
「また、ホルモン治療は5年行うべきでしょうか10年行うべきでしょうか?」
⇒いつも思いますが…
今から「10年先」を考えるのは、意味がありません。
○まずは5年投与し、(その時点でのエビデンスや自分の生活環境諸々を考えて)
「そこで終了するのか、更に5年継続するのか?」決めることにしては、どうでしょうか?