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全摘術後の治療法について

[管理番号:5385]
性別:女性
年齢:35歳
はじめまして。
乳がんと診断されてからいつも拝読しています。
現在アメリカ在住で、1週間前に右胸全摘(皮下乳腺全摘、同時仮再建)手術、センチネルリンパ節生検を受けました。
昨日病理結果が出たので、以下、抜粋します。
Metastatic breast carcinoma to lymph node,largest metastatic deposit 8 mm, no extranodal extension identified(1/1).
Invasive carcinoma tumor size:2.2 cm, DCIS 2.8cm Histologic type: Ductal, Histologic grade: Intermediate Nottingham grade: 2 of 3, score 6 of 9, Nuclear grade: Intermediate 2 of
3
ER: Positive (95%), PR: Positive(99%),
HER2: Negative by immunohistochemistry(score 0),
Ki-67: proliferation index: 2% of nuclei positive
この結果から、腫瘍専門医から、まず①リンパ節郭清手術 をし、②化学療法(短期間か長期間かは何かをテスト?に出して決めると言われました) その後③放射線(必要であれば)、④ホルモン療法5年、と説明されました。
こちらの過去のQ&Aをみて、私のような Luminal A の場合、リンパ節転移が4個以上の場合のみ化学療法が必要、と解釈していましたが、
医者からはリンパ節転移の数によって等の説明はなく、化学療法はリンパ節転移があったことと、私の年齢を考えると当然必要だと言われました。
納得できていません。
今後の治療法について不安と疑念で混乱しています。
私は妊娠を希望していることもあり、できることなら化学療法はしたくないと考えています。
とりとめのない文章ですみません。
ご多忙と思いますが、田澤先生でしたら私の術後治療をどう進められますか?
どうか意見を聞かせてください。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
OncotypeDXをすれば解ることですが、Ki67=2%では(リンパ節転移の有無とは無関係に)low riskとなり、抗癌剤による上乗せはないでしょう。
何故「リンパ節転移=抗癌剤」と考えるのか?
OncotypeDX発祥の地、合理的思考のアメリカなのに理解に苦しみます。
「田澤先生でしたら私の術後治療をどう進められますか?」
⇒(8mm=macrometastasisなので)腋窩郭清はすべきです。
 (郭清の結果)リンパ節転移が4個以上あれば、放射線照射が必要です。(それ以下なら放射線も不要)
 (当然)化学療法はせずにホルモン療法を行います。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

全摘術後の治療法について
性別:女性
年齢:35歳
田澤先生、早速のご回答、ありがとうございます。
心の苦しさが減りました。
念のため、確認させていただきたいのですが、
 >(郭清の結果)リンパ節転移が4個以上あれば、放射線照射が必要です。
(それ以下
なら放射線も不要)
 (当然)化学療法はせずにホルモン療法を行います
これは、リンパ節転移の数によらず化学療法はしない、とお考えということでしょうか?
Luminal Aのがん細胞には化学療法はほとんど効かないと理解していいんでしょうか?もしそうだとしたら、血行性転移の可能性があったり、遠隔転移を起こしてたとしても、
治療法は基本ホルモン療法になるということでしょうか?
担当医にOncotypeDXを依頼してみたのですが、それよりもMammaprintの方がいいと言われ、リンパ節転移の数を見てテストをしてみては、と言われました。
Mammaprintは新しい様ですが、Oncotypeとどちらがいいでしょうか?
お忙しいとは思いますが、よろしくお願いいたします。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
「これは、リンパ節転移の数によらず化学療法はしない、とお考え」
⇒そういうことです。
「Luminal Aのがん細胞には化学療法はほとんど効かないと理解していいんでしょうか?」
⇒もしも疑うのなら…
 高リスク閉経前Luminal A型乳癌患者には、術後化学療法のベネフィットは見られない:DBCG77B(前向き無作為化試験)の後ろ向き研究の結果より(SABCS 2015)
 この高リスクについてであるが 1977-1983に「腫瘍径5cm超」または「腋窩リンパ節転移陽性」が対象です。
 更に… OncotypeDXを行えば、より解る筈です。
「もしそうだとしたら、血行性転移の可能性があったり、遠隔転移を起こしてたとしても、治療法は基本ホルモン療法になるということでしょうか?」
⇒ここは違います。
 ルミナールAといえども「実際に目に見える大きさの腫瘍に効果がない」わけではないのです。
 あくまでも(実際には、そもそも存在しているのかどうか不明なレベルである)
「術後補助療法の話」なのです。

「Mammaprintは新しい様ですが、Oncotypeとどちらがいいでしょうか?」

⇒OncotypeDXの方が遥かに信頼性に優れます。
 
 

 

質問者様から 【質問3】

全摘手術後の治療法について
性別:女性
年齢:35歳
田澤先生、ご回答、本当にありがとうございます。
先週リンパ節郭清術を受けました。
結果、他に新たな転移はありませんでした。
ですが、腫瘍医に、
「あなたの癌はとても悪性であり、再発転移の可能性が高い、化学療法は絶対にするべきだ」と強く言われました。
なので、化学療法はLuminal Aの標準治療ではないのに、なぜそう強く勧めるのか?
と問うと、
「病理の結果は、実際に手術で摘出した癌をみると合わないから私たちも混乱している、実物を顕微鏡でみると癌の侵襲率?浸透率?がとても高く、とにかく悪性度が高い。
そしてあなたのタイプはLuminalBだと思っている」
と言われました。
術後病理結果でki-67は2%でしたが、それは間違った数値だと。
「場所によって数値が異なるから、再検査したらあなたはLuminalBになるはず」と。
そしてoncotypeをリクエストしたらできないと言われ、mamaprintなら、どうしてもしたいならしてもいい、と。
現在結果待ちです。
すみません、長文になりましたが、お聞きしたいのは、
 この腫瘍医が言うように。
ki-67の値が場所によってそんなに大きく異なることがあるんでしょうか?
 例えば、田澤先生の患者さんで、病理結果と、実際の癌の状態(顕微鏡で見たレベルで)?が異なる方はいましたか?
 ・・・私の癌はそんなに悪性なんでしょうか?
 私の場合、5・10年転移再発率など教えて頂けますか?
この腫瘍医に会うたび、化学療法しなければ、すぐに再発転移する、と言われているようで、不安と不信が増す一方です。
お忙しいとは思いますが、意見を聞かせてください。
よろしくお願いいたします。
 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。
私の回答に変わりは全くありません。
「ki-67の値が場所によってそんなに大きく異なることがあるんでしょうか?」
⇒そもそも…
 Ki67値は「病変全体で調べている筈」ですよね??
「 例えば、田澤先生の患者さんで、病理結果と、実際の癌の状態(顕微鏡で見たレベルで)?が異なる方はいましたか?」
⇒いません。

「 ・・・私の癌はそんなに悪性なんでしょうか?」

⇒全く根拠がありません。
「 私の場合、5・10年転移再発率など教えて頂けますか?」
⇒それを知りたいならOncotypeDXすべきです。