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葉状腫瘍(境界型)について

[管理番号:4605]
性別:女性
年齢:41歳
1か月前に左胸から葉状腫瘍を摘出し、境界型との結果がでました。
その際、マージンで取った部分にいくつか腫瘍の芽があり、断端陽性ということで、先週再手術でさらに組織を取り、現在は病理検査結果待ちです。
(いずれの手術もテニスボールくらいの大きさを取りました)
そこでいくつか気になる点があるため、質問させてください。
〔1〕手術した左胸の、特に側面(脇下)が張っていて、歩くのも痛いです。
   これは、致し方ないものでしょうか?
   また、徐々に痛みはなくなっていくものなのでしょうか?
   痛みがなくならない場合、対処方法はありますでしょうか?
〔2〕今回の病理検査の結果、複数芽があるようであれば、全摘を考えた方がよいと医師から言われています。
   その際、同時再建を進められましたが、問題ないでしょうか?
   再発→悪性化→転移が非常に怖いため、しばらく検査をして、再発がないことを確認してからがよいかと思いましたが、どう思われますでしょうか?
   同時再建のメリット・デメリットを教えていただけますと幸いです。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「これは、致し方ないものでしょうか?   また、徐々に痛みはなくなっていくものなのでしょうか?   痛みがなくならない場合、対処方法はありますでしょうか?」
⇒実際の「手術の状況をしらない」私がコメントできるのか解りませんが…
 傷の痛みは「徐々に癒えます」が、完全には無くならない。「手術とは(傷とは)そういうもの」です。
「その際、同時再建を進められましたが、問題ないでしょうか?」
⇒一般的には「葉状腫瘍で同時再建」は行いません。
 やはり、葉状腫瘍は「局所が重要」だから、(結果的に)全摘が必要な位の「拡がりや悪性度」であったとすれば、「局所にこそ、最大限の注意をすべき」です。
「しばらく検査をして、再発がないことを確認してからがよいかと思いましたが、どう思われますでしょうか?」
⇒私なら、そう勧めます。
「 同時再建のメリット・デメリットを教えていただけますと幸いです。」
⇒メリットは「胸の喪失感が防げる」ことであり、デメリットは(万が一局所再発した場合に)気づきにくい面がある(特に自覚しにくい)こと」です。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

田澤先生、こんにちは。
先日はお忙しい中、ご回答いただき、ありがとうございました。
術後の痛みは、なくなってはいませんが、徐々に和らぎつつあります。
また、再手術の病理検査の結果、新たな芽の存在は確認できず、
定期検査で様子を見ることになりました。
さて、今回、問合せをさせていただいたのは、
婦人科の子宮内膜増殖症で処方された
「プロゲステロン(ノアルテン)」を飲んでも
問題ないかどうかについて、お聞きしたくご連絡いたしました。
乳腺外科の先生からは「エストロゲン」が含まれているものはNGと聞いているのですが、
「プロゲステロン」は特に問題ないとのことでした。
以前、別の医師に、ホルモン剤自体、
あまり飲まない方がよい(ホルモン剤が腫瘍に栄養を与える)と聞いたことがあるので、少し気になり、問合せをいたしました。
(エストロゲンとプロゲステロンの腫瘍に対する影響の違いがわかりません)
恐れ入りますが、よろしくお願いいたします。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
ホルモン補充療法での乳癌リスクについては
エストロゲン単独は無関係だが、エストロゲン+プロゲステロン併用の場合にリスク増加があることが解っています。
「「プロゲステロン(ノアルテン)」を飲んでも問題ないかどうか」
⇒プロゲステロン単独なら問題ありません。