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術前非浸潤癌、術後浸潤部あり。

[管理番号:4221]
性別:女性
年齢:31歳
いつもこちらのQ&Aを拝見させていただいてます。
12月上旬に乳がんと診断され、12月下旬に手術をしました。
左乳房内側下部に1.5cm程のシコリ。
バネ式の針生検では非浸潤癌と診断。
温存+放射線を選択しました。
センチネルリンパ生検はしていません。
先日、術後診断に行った際に病理結果が少し出たと言う事で説明がありました。
腫瘍は2cm程
断面は陰性で追加切除なし
1mm程の浸潤部有り
現在、浸潤部を病理検査に出しているとの事で(下旬)日に結果を聞きに行きます。
リンパの検査は話し合って決めましょうと言われました。
術前のCT、MRI、レントゲンでは転移はない
CTで左乳房上側に白い影があり、エコーで検査しましたがエコーでは何もない
MRIで右脇に所見?ありとなっていましたが、左乳房の癌という事で気にする必要はないでしょう。
となりました。
浸潤部があったり以上、センチネルリンパ生検をした方が良いでしょうか?
右脇は関係ないでしょうか?
癌と診断される前に左鎖骨に数時間だけ(朝ある事に気付き、お昼頃には消えていました)コリコリとして少し痒いデキモノが出来た事がありましたが、こちらは関係はないでしょうか?
病理結果が詳しく出たら、またこれからの治療などについて質問させて頂きたいと思っています。
拙い文章でわかりにくく、申し訳ないと思いますがよろしくお願いいたします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
pT1mi, cN0
本来ガイドラインでは(術前、組織で非浸潤癌だとしても)センチネルリンパ節生検は必須となります。
しかし、結果的には微小浸潤だったからリンパ節転移はおそらく無いでしょう。
「浸潤部があったり以上、センチネルリンパ生検をした方が良いでしょうか?」
⇒「微小浸潤」であれば、不要だと思います。
「右脇は関係ないでしょうか?」
⇒無関係です。
「癌と診断される前に左鎖骨に数時間だけ(朝ある事に気付き、お昼頃には消えていました)コリコリとして少し痒いデキモノが出来た事がありましたが、こちらは関係はないでしょうか?」
⇒無関係です。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

以前質問をさせて頂いた者です。
〈管理番号4221〉
病理の結果が出て、これからの治療方針についてお聞きしたく連絡致しました。
病理結果
切除術:Bp 5.5×5.0×1.5cm, 占拠部分:左B領域
腫瘍径:2.0×1.5×0.5cm
組織分類:乳頭腺管癌 with predominant DCIS
核異型スコア:2, 核分裂スコア:2(5/10HPF), 核グレード:2
波及度:gf, リンパ管侵襲:ly0, 静脈侵襲:v0, 切除断端:陰性
規約17版:pT1 pNX pMX Stage X
ER(+) PgR(+) HER2(2+) Ki67:15%
・病理レポートでは腫瘍径2cmだか、浸潤径自体が5mm未満と考えるのでpT1aと考える。
・浸潤径が5mm未満の為、センチネルリンパ節生検の追加やHER2の追加染色の意義は少ないと考える。
・病理から脂肪に微小の浸潤があったが、主治医ははっきりと確認出来ないと話がありました。
浸潤があったため、補助治療法としてのホルモン治療(ノルバデックス)の効果があるので希望があれば5年服用と言われました。
抗がん剤の上乗せは1%程と言われ、副作用などを考えると抗がん剤は希望していません。
私としては挙児希望がある事を伝え、妊娠、出産後にホルモン治療をするのは?と聞いた所、期間が空くとあまり効果が期待出来ないとの事でした。
治療先行なら、卵子凍結という話しもありました。
先生にお聞きしたい事は…
・前回、微小浸潤なのでセンチネルは不要だと思うとお答え頂いました。
結果を見て頂いて、やはり不要だと思われますか?
・他の方の質問の答えで、妊娠出産後にホルモン治療で良いと先生がおっしゃっていましたが、手術から期間が空いてしまうとあまり効果が期待出来ないのでしょうか?
・HER2陽性ですが、主治医から抗HER2療法の話しは特にありませんでした。
必要でしょうか?
・私のサブタイプはトリプルポジティブだと思うのですが、トリプルポジティブだった場合ホルモン治療や抗HER2治療をしてから妊娠を考えた方が良いのでしょうか?
(挙児希望はあると言いましたが、直ぐに絶対と言うわけではありません。
再発率が高いなら、治療に専念してその後妊娠を考えようと思います。
ただ、年齢を考えると治療は2~3年くらいでと考えています。)
・補助治療を行った場合と行わない場合の再発率はどれくらいでしょうか?
・この結果を見て、先生なら今後どのような治療方針にしますか?
拙い文書で申し訳ありません。
病理の結果が出て、非浸潤癌からステージ1 トリプルポジティブという
事で、妊娠出産優先か治療優先か凄く悩んでいます。
30日に今後治療をどうするか主治医に話しに行くことになってます。
お忙しい中、大変申し訳ございません。
何卒、ご回答の方よろしくお願いします。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
「・前回、微小浸潤なのでセンチネルは不要だと思うとお答え頂いました。結果を見て頂いて、やはり不要だと思われますか?」
⇒その通りです。
「手術から期間が空いてしまうとあまり効果が期待出来ないのでしょうか?」
⇒妊娠出産後からで十分です。
「・HER2陽性ですが、主治医から抗HER2療法の話しは特にありませんでした。必要でしょうか?」
⇒そもそもHER2 2+はHER2陽性ではありません。
 HER2 2+はFISH法を行い、最終判断を行います。(HER2 2+の75%はFISH陰性です)
 ♯ただし、pT1aでは、そのそも抗HER2療法の適応外です。
「・私のサブタイプはトリプルポジティブだと思うのですが、トリプルポジティブだった場合ホルモン治療や抗HER2治療をしてから妊娠を考えた方が良いのでしょうか?」
⇒2つの点で誤りがあります。
 1.そもそもpT1aでは抗HER2療法の適応外である
 2.妊娠が先行でも構わない(ホルモン療法を行うとしても)
「・補助治療を行った場合と行わない場合の再発率はどれくらいでしょうか?」
⇒ほとんど微小浸潤のようなので、そもそも再発率は0%に殆ど近いと思います。
(ホルモン療法をやっても、やらなくても同じ)
「・この結果を見て、先生なら今後どのような治療方針にしますか?」
⇒無治療です。
 微小浸潤(pT1aとなっていますが、記載内容はpTisにかがり無く近いようです)