[管理番号:4138]
性別:女性
年齢:38歳
38才、二児の母です。
右胸にしこり?乳腺のかたまり?があって、前からあったように思うのですが、最近筋肉痛みたいに痛むので先週、乳腺外科を受診しました。
マンモでは、問題なし、エコーで右胸に加齢によるなんとか?があると、すみません、なんと言われたか忘れてしまいました。
それは、問題ないが、右胸のしこり?に血流が見られることと、左右差があるので、念のため再検査しましょうと言われました。
金曜日に針セイケンを行った時、主治医の先生が
うーん血流が多いんだよなぁとおっしゃっていました。
もし悪性で会った場合初期ですか?と訪ねると、しこりは、4センチ以上だろうから初期ではないだろうと言われました。
結果まで10日あまり。
もしかしたら、年明けになるといわれました。
もし、乳ガンでも、初期ならと思ってましたが、もしかしたら、深刻な事態の可能性も思うと怖くてたまりません。
血流があるのは、普段なら癌の所見といわれ、なにがなんだか分からず、不安で気のもちかたが分かりません。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
まず、このメールを読んで強い違和感を感じました。
その原因は、その担当医が「血流があるシコリ」としか表現していない事です。
○通常、「4センチ以上もあるシコリ」が乳癌であれば、画像診断だけでほぼ診断が確定する(乳癌を強く疑う)筈です。
しかし、その担当医のコメントからは「乳癌を強く疑っている」様子が見受けられません。
そうなると、一体何が疑われるのか? 私が推測しましょう。
(その大きさで、血流がある)ことにより、考えられる可能性として
①線維腺腫、葉状腫瘍
②腫瘤非形成性病変(乳腺症や非浸潤癌などの可能性)
③肉芽腫性乳腺炎
ここから絞り込むと①ではないようです。
何故なら、①ならは「形状からは線維腺腫が疑われるんだけど、血流が多いんだよなー」となる筈だからです。(しかし、実際には線維腺腫でも、30代であれば結構血流も豊富であることも多いです)
また、「葉状腫瘍」ならば「血流があるのが(むしろ)当然」なのです。
あとは②なのか③なのか?というところです。
②の可能性が最も高そうですが、その場合は(範囲が広いからといっても)「基本的に非浸潤癌が主体(小さな浸潤巣が多発していたとしても)」なので「進行した状態とは程遠い」ものです。
ダークホースが③です。
これは、(私は患者さんが集まっているので肉芽腫性乳腺炎のエコーを見る機会が多いですが)一般的な乳腺外科医では「画像診断は容易ではない」ものです。
♯エコー像は「血流が多く、形状は不整、時にシコリなのか何なのか区別しずらい」ものです。
「血流があるのは、普段なら癌の所見といわれ、なにがなんだか分からず、不安」
⇒お解りいただけましたか?
「血流が豊富」と言う所見は上記のように沢山あります。(決して乳癌だけではありません)
★たった今、思いつきましたが「今週のコラム」で取り上げます。
○繰り返し強調しますが…
『進行した状態の乳癌を、画像診断で診断できないなどありえない』ことです。
(万が一癌だったとしても)それは「微妙な所見=非浸潤癌が主体」だから解り難いのです。
質問者様から 【質問2】
田澤先生、先日はお答えありがとうございました。
不安に潰されそうな中、先生のもし悪性でも進行したものではないと言う言葉を何度も何度も読み返し結果を待ちました。
結果、非浸潤がんでした。
全く先生のおっしゃる通りの結果に、そのときは、早期だ、大丈夫!と癌の告知を受けましたが、むしろほっとしたような気持ちでした。
その後、○○○○病院の乳腺センターに転院し、色々検査もし、MRIで広がりがあるから全摘を勧められ先週、右胸全摘をしました。
手術後リンパ転移はありませんでしたと聞いた時は、ものすごくほっとしました。
私にはまだ小さな子供たちもいますし、少しでもリスクの少ない選択をしたいと思っています。
なので、最初から全摘希望でした。
再建もしないつもりです。
来週、手術後の病理の結果がでる予定で、その結果により、浸潤があってもやるべき事をやるだけだ!と思っているものの、余計な不安が頭をよぎり、中々気持ちが落ち着きません。
QAで非浸潤から取り残しで再発というのを見たのですが、全摘で取り残しのリスクはどのくらいあるものですか?
私は痩せていて、脂肪も少ないので、もしかして、、、などと思ってしまいます。
また、乳腺の取り残しは、エコーで分かりますか?
不安要因の一つが、手術は朝でしたがその日の夕方に執刀医が○○になったと聞いた事です。
術後のフォローは別の医師になりました。
体調不良で手術の精度は大丈夫だったのか?と不安です。
この病院は医師全員が乳腺専門医師なので、転院先として選びました。
田澤先生から 【回答2】
こんにちは。田澤です。
「非浸潤癌だった」のですね。
大変よかったです。(術後病理で「非浸潤癌確定」ならば根治となります)
「全摘で取り残しのリスクはどのくらいあるものですか?」
「体調不良で手術の精度は大丈夫だったのか?と不安」
⇒全く心配ありません。
「全摘で取り残し」など、想像する必要もありません。
プロなのだから「体調不良など無関係」です。
「私は痩せていて、脂肪も少ないので、もしかして、、、などと思ってしまいます。」
⇒心配ありません。
「また、乳腺の取り残しは、エコーで分かりますか?」
⇒ある程度のボリュームがあれば解りますが…
あまりにも確率が低い事を心配することは、ストレスになるだけなので避けましょう。
質問者様から 【質問3】
病理検査の結果がでました。
非浸潤のままでした。
大きな安堵と共に無治療の不安もあります
病理結果はいただけず主治医の先生が結果を話して下さいました。
検体に色をつけると、摘出したほぼ全域に近い程にがん細胞がある。
5ミリ間隔でみ
て非浸潤である。
基本的に遠隔転移の可能性はない。
ただ範囲がせまくて、非浸潤ならば、おそらく全てが非浸潤で間違いないが、これだけ範囲があると、全く浸潤がないとはいえない。
しかし、5ミリでみてるから非浸潤で無治療。
3年は3ヶ月ごとに手術側、健側の触診。
年一のマンモ、エコーです。
3ヶ月一度の触診(術側)は頻繁に思うのですが、広がりが大きい為でしょうか?
病理の図式で全体の中央部に斜線が7,8本引いてあり、そこを切って病理検査したということでしたか、検体の端から端まで線があるわけではありませんでした。
1番端まで見なくて大丈夫なのでしょうか?
全体の3分の2位は斜線がありました。
主治医は大丈夫だと言っていました。
健側のエコーは年一でいいですか?
もし発がんしたら、ステージゼロで見つけられるものでしょうか?
今回はマンモ異常なし、エコーでも、大丈夫だろうけど一応調べようか?という中でのがん発見だったので、全体に非浸潤で広がるのに何年もかかっているだろうと思うと、健側の針生検したら、非浸潤が見つかるのではと思うのですが考えすぎですか?。
術後の傷より上の皮膚が柔らかく、乳腺?
と気になっていますが、主治医からは脂肪だろうといわれました。
乳腺をとりきっていても、脂肪はのこっているものですか?
傷より下はあばら骨がわかるのですが、脂肪といわれる部分は柔らかく、チクチク痛みがして、乳腺の痛みなんじゃと心配しています。
田澤先生から 【回答3】
こんにちは。田澤です。
病理結果で「非浸潤癌」とてもよかったですね!
「非浸潤癌で全摘」なのだから根治です!
あまりにも確率が低い事を心配することは、ストレスになるだけなので避けましょう。(前回の回答の抜粋)
「3年は3ヶ月ごとに手術側、健側の触診。」
「年一のマンモ、エコー」
「3ヶ月一度の触診(術側)は頻繁に思うのですが、広がりが大きい為でしょうか?」
⇒多すぎます。
根治なのだから、(私なら)「1年に1度のマンモとエコー」にします。
「健側のエコーは年一でいいですか?もし発がんしたら、ステージゼロで見つけられるものでしょうか?」
⇒異常所見がないのだから、当然1年に1回です。
「健側の針生検したら、非浸潤が見つかるのではと思うのですが考えすぎですか?。」
⇒考え過ぎを「通り越して」います。
「乳腺をとりきっていても、脂肪はのこっているものですか?」
⇒残ります。
「チクチク痛みがして、乳腺の痛みなんじゃと心配しています。」
⇒非浸潤癌で全摘したのに「術後の不安」などと言っていたら、他の方に叱られますよ。(冷静になりましょう)
質問者様から 【質問4】
先日は稚拙質問をしてしまい、すみませんでした。
1月末に右全摘出、病理で非浸潤の診断を受けた者です。
3月に脇に米粒大のしこりをふれました。
指でなぞると感じませんが、垂直に皮膚を押すと、皮膚のすぐ下あたりに触れます。
非浸潤だし、まさかと思いましたが、病院に連絡し診察を受けたところ、触診では『リンパではなさそうですね。なんだろう?』といわれ、エコーと念のため細胞診を受けました。
主治医からは術後変化の可能性が高いということでした。
細胞診、エコーをしてくれた乳腺の先生からは、手術で結んだところの可能性もある。
再発の可能性は少ないが副乳というのがあるから、心配を減らすために細胞診をしましょう。
ということでした。
再度、先生の意見を伺術後変化で、脇に米粒大のしこり?というのはあることなのでしょうか。
場所は、先生の脇のしこりのコラムの②のあたりにです。
細胞診で心配なし、と診断がつけば、その後このしこりをエコーなどで経過観察する必要はありませんでしょうか?
自分での術側の触診はしていた方がいいでしょうか。
先生のご意見をお伺いしたく、よろしくお願いします。
田澤先生から 【回答4】
こんにちは。田澤です。
私は前々から「自己検診ではビー玉以上の明らかなシコリだけを気にするようにしましょう」と大々的にコメントしています。
「米粒大のシコリ」など気になるようなら、「自己検診などしない方が、(余計なストレスを感じる事も無く)身体の健康にいい」でしょう。(質問者は「非浸潤癌で全摘=根治」なのですから)
この状況で不安がっているようでは「他の方に叱られますよ」(前回も同様のことを言った気がしますが…)
「エコーをしてくれた乳腺の先生からは、手術で結んだところの可能性もある。」
⇒まさに、私が「このメールを読んで」最初に思ったことです。
センチネルリンパ節生検をしているのだから、その辺りを糸で結紮している筈です。
特に痩せている場合には、良くあることです。
「先生の意見を伺術後変化で、脇に米粒大のしこり?というのはあることなのでしょうか。」
⇒上記コメント通りです。
「細胞診で心配なし、と診断がつけば、その後このしこりをエコーなどで経過観察する必要はありませんでしょうか?」
⇒全くありません。(そもそも細胞診の必要もありません)
「自分での術側の触診はしていた方がいいでしょうか。」
⇒そんなもの(米粒大)が気になるようなら、寧ろ「やらない方が(精神面で)健全」のようです。