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抗ガン剤の効果

[管理番号:4102]
性別:女性
年齢:53歳
トリプルネガティブ 2bで温存目的もあり、術前抗がん剤をしています。
AC療法が終わり原発巣及び腋窩リンパ節共にかなり小さくなり
(直径が大体1/2~1/3位になり10mm×8mm×3mm位)、その後ウィークリーパクリタキセルを行っています。
現在9回終了しております。
3回目が終わり4回目の前に触診をして約6mm位と言われ、その後、
6回目が終わり7回目の前にはやはり触診でしこりの存在が見つけられないと言われました。
その後、訳あって(手術の仕方の相談等で)ある都内の大きな病院でセカンドオピニオンを受けました。
その際、本来はセカンドオピニオンではやらないであろうエコーで原発巣のみ診ていただきました。
腋窩リンパ節については診ていただいておりません。
先生からは、しこりがほとんど分からなくなっている。
crに近い。
癌だと聞か
なければ誰がエコーをやっても見つけられない。
それほど抗がん剤の効
果があったということとおっしゃっていただきました(セカンドオピニオンの報告書には near cr と判断すると記載あり・・・元の病院で確認)。
腋窩リンパ節については、原発巣の効果とだいたい同じだろうともおっしゃっていただきました。
来年の1月に術前の検査(造影MRI、マンモグラフィー等)を行い、手術をする予定です。
ここでお尋ねですが、原発巣のあったところはエコーでその存在が確認できないということでも造影MRIで場所とかまだしこりが残っている等の確認はできるのでしょうか?
また、腋窩リンパ節については診ていただいていないのですが(触診では全く分からない)、セカンドの先生がおっしゃるように原発巣の効果とだいたい同じだろうということは、エコーでは分からないくらい効果が出ている可能性が高い、と考えてもよろしいのでしょうか?
よろしくお願いします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
本来、術前化学療法は(触診だけでなく)担当医自らが責任を持ち「超音波」をしながら行わなければいけません。
このケースでも担当医が(触診だけでなく)「自ら超音波」していれば、「小さくなって、解りがたくなってきた段階で、マーキング」するべきものです。(そうしていれば、位置が解らないなんて自体にはならないのです)
「ここでお尋ねですが、原発巣のあったところはエコーでその存在が確認できないということでも造影MRIで場所とかまだしこりが残っている等の確認はできるのでしょうか?」
⇒エコーで見えないと困難だと思います。
 しかし、それくらいのことは「当然、担当医が考えて準備しているべきもの」です。
「また、腋窩リンパ節について原発巣の効果とだいたい同じだろうということはエコーでは分からないくらい効果が出ている可能性が高いと考えてもよろしいのでしょうか?」
⇒「程度は不明」ですが、「効果が出ている」ことは間違いないでしょう。
 ただ、ステージ2bとは(直径が大体1/2~1/3位になり10mm×8mm×3mm位)との記載から
 cT2(30mm位?), cN1, cStage2bだと推測します。(あってますね?)
 それであれば、(ここは重要ですが)「どんなに、リンパ節が縮小してもセンチネルリンパ節生検」を行ってはいけません。
 ♯術前化学療法前にcN1であれば、(術前化学療法の効果の程度にかかわらず)腋窩郭清が必要なのです。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

田澤先生
いつも明確にわかりやすくご回答いただきありがとうございます。
ご質問があります。
造影MRIは拡がり診断でとこちらのサイトで見ますが、この拡がりとはどのようなものなのでしょうか?シコリと違ってエコーでは診えないものでしょうか?また術前抗ガン剤の効果でエコーでシコリが確認できなくても拡がりだけが残ることもあるのでしょうか?
よろしくお願いします。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
「造影MRIは拡がり診断でとこちらのサイトで見ますが、この拡がりとはどのようなものなのでしょうか?」
⇒腫瘍から拡がる「乳管内病変」などです。(乳管内進展ともいいます)
「シコリと違ってエコーでは診えないものでしょうか?」
⇒エコーで「見えにくい」ことがあります。
「また術前抗ガン剤の効果でエコーでシコリが確認できなくても拡がりだけが残ることもあるのでしょうか?」
⇒可能性としては、ありえます。
 ○ただし、必ずしも「超音波<MRI」という関係ではなく、それらは相互に補完するものです。