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ホルモン治療のスタートのタイミングについて

[管理番号:3851]
性別:女性
年齢:44歳
いつも大変お世話になりましてありがとうございます。
海外の治療でTCH法で6クール終了し
今週の木曜日よりハーセプチンの単独なのですが、
ドクターより今週の木曜日よりTAMOXIFENのホルモン治療もはじめるとのこと
ワタシは、残り11クールのハーセプチンが終わってから
ホルモン治療を行うとばかり思っておりました。
よって、ワタシはハーセプチンが終わってから冷凍した卵子で
妊娠・出産・その後ホルモン治療を行うつもりでしたが
先生にご質問がございました。
先生、抗がん剤が終了したら、ハーセプチンとホルモン治療を
一緒に行うことは主流なのでしょうか?
ドクターは、ハーセプチンが終わる二ヶ月前にホルモン治療を止めて
妊娠・出産・その後ホルモン治療を続ければと??
ハーセプチンが終わる二ヶ月前にホルモン治療を止めて
妊娠・出産・その後ホルモン治療について、どう思われますか?
また万が一、体外受精がうまくいかなかったとして
今年の10月からホルモン治療をはじめるのと、来年の7月からホルモン治療をはじめるのでは、予後は大きく変わるものなのでしょうか?
抗がん剤を使用することによっての副作用で、
生理が止まっている間は=卵巣機能が低下している=エストロゲンがつくられていない=生理がはじまったらホルモン治療をスタートさせればいいのでは?と素人的には思うのですが、先生のご意見は如何でしょうか?
どうか、よろしくお願い申し上げます。
2016年5月手術結果
組織型 Paillotubular Carcinima with Mucinous Production
WHO分類 Carcinima of mixed type:Invasive Carcinima of no special type and Mucinous Carcinima
大きさ 肉眼的 22×22×12mm
顕微鏡的 浸潤部 13×7mm In situを含めると 62×30×10mm
リンパ節 Level Ⅰ(1/9) LevelⅡ(0/2)
核異型度 Nuclear atypia 2:Mistosis, score1ですので Nuclear Gardeは1になります
水平断端 陰性
体表側断端 陰性
胸壁側断端 陰性
乳頭側断端 陰性
ER +70%
PgR +20%
HER2 socre2のため再検査
Ki67 labeling index: 50%
HER2 socre2のため再検査結果
HER2シグナル/chr17総シグナル 114/39=2.06 増幅あり
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「先生、抗がん剤が終了したら、ハーセプチンとホルモン治療を一緒に行うことは主流なのでしょうか?」
⇒その通りです。
 そもそもホルモン療法は、抗ガン剤と併用しても構いませんが、「抗ガン剤による副作用と重なることを危惧」して「抗ガン剤が終了してから併用する」という考え方はあります。(私も、最近はそのようにしています)
 そうすると自然と「ハーセプチンと併用」することになります。(ハーセプチンは副作用がないため)併用するのが通常です。
「ドクターは、ハーセプチンが終わる二ヶ月前にホルモン治療を止めて妊娠・出産・その後ホルモン治療を続ければと??」
⇒それでいいと思います。
「ハーセプチンが終わる二ヶ月前にホルモン治療を止めて妊娠・出産・その後ホルモン治療について、どう思われますか?」
⇒それでいいと思います。
「また万が一、体外受精がうまくいかなかったとして今年の10月からホルモン治療をはじめるのと、来年の7月からホルモン治療をはじめるのでは、予後は大きく変わるものなのでしょうか?」
⇒あまり変わらないでしょう。
「抗がん剤を使用することによっての副作用で、生理が止まっている間は=卵巣機能が低下している=エストロゲンがつくられていない=生理がはじまったらホルモン治療をスタートさせればいいのでは?と素人的には思うのですが、先生のご意見は如何でしょうか?」
⇒これは私の意見というよりは標準治療として
 化学療法閉経中はタモキシフェン単独
 化学療法閉経から回復したら(回復前から予め併用を開始しておいても問題無)タモキシフェン+LH-RHagonist併用
 つまり、「化学療法閉経中にはホルモン療法(タモキシフェン)は不要」という考え方は誤りです。