［管理番号:3093］
性別:女性
年齢:48歳
5年前より、乳頭より血性分泌があり、針生検では、異常なしであった。
先月、マントーム生検をしたところ、悪性とわかり、右乳房全摘手術 同時再建をする予定です。
乳頭を残したいという希望があります。
腫瘤は乳頭から、1.5cm離れているので、残せる可能もあるというお話ですが、血性分泌があったので、
局所再発が心配です。
乳頭は切除した方がよいでしょうか。
乳房再建後に乳頭に放射線照射はできるのでしょうか。
ご教示をよろしくお願い致します。
田澤先生からの回答
こんにちは。田澤です。
「5年前の血性分泌の際に、正しい診療（乳管造影）がされていたら…」
きっと、単孔性だったのでしょう（結果として、乳癌だったわけですから）
○今回手術をして、「手術標本でも全体が非浸潤癌」であることを、切に願います。
「腫瘤は乳頭から、1.5cm離れているので、残せる可能もあるというお話ですが、血性分泌があったので、局所再発が心配です。」「乳頭は切除した方がよいでしょうか。」
⇒「血性分泌」は「腫瘍から（サインとして）乳管を通して出血があった」ことを意味するだけで「乳頭を残せない理由」とはなりません。
「乳房再建後に乳頭に放射線照射はできるのでしょうか。」
⇒「ティッシュエキスパンダー」でしょうか？
それであれば、「インプラントに入れ替え後」照射は可能です。
質問者様から 【質問２】
先日は、ありがとうございました。
同時再建はエキスパンダーです。
血性分泌がありましたが、術中検査で問題なければ、
残したい意向です。
シリコンに取り替え後、放射線照射をすると、
乳房の変形や皮膚に大きな影響があるのでしょうか。
先生は、この方法については、どのようにお考えでしょうか。
よろしくお願い致します。
田澤先生から 【回答２】
こんにちは。田澤です。
「血性分泌がありましたが、術中検査で問題なければ、残したい意向です」
⇒血性分泌を「乳頭の病変と関連付ける」必要はありません。
乳管と連続（そもそも乳管の細胞が癌化したわけですから）しているのだから「血性分泌があること」は乳頭を残す事に無関係です。
「シリコンに取り替え後、放射線照射をすると、乳房の変形や皮膚に大きな影響があるのでしょうか。」
⇒皮膚が伸びにくくなるなどの影響はあります。
「先生は、この方法については、どのようにお考えでしょうか。」
⇒治療する側の正直な感想では「乳頭乳輪温存」は中途半端に思います。
非浸潤癌であれば「全摘で本来は根治」なのに「乳頭を残す」ことでリスクを（少しですが）残すことになるからです。
しかし否定するわけではありません。
「何を優先すべきか？」は患者さん一人一人によって異なるからです。
質問者様から 【質問３ 非浸潤癌の術後血液検査の結果について】
性別:女性
年齢:50歳
質問No.3093です。
昨年6月にご相談させていただきありがとうございました。
昨年6月下旬に右乳房全摘同時再建手術を受け病理結果も非浸潤癌でした。
今年2月にインプラント入れ替え手術もすみ、その後乳頭乳輪再建もしていただいております。
先月、血液検査の結果で心配な事がありました。
CEA→2.9
CA15-3→8.8
は基準値内ですが、
1型コラーゲンC末端テロヘプチド→5.5は、基準値を超えています。
主治医からは、非浸潤癌なので骨転移は考えにくいと言われましたが、検査値だけを見ると心配です。
念のため、来月にCT検査を受ける予定です。
以前、同様の相談がありましたが、再度、ご教示いただけますでしょうか。
骨転移ではない場合は、他にどのような要因が考えられるのでしょうか。
田澤先生から 【回答３】
こんにちは。田澤です。
非浸潤癌で全摘は根治です。
何故、腫瘍マーカーなど取っているのでしょうか？（私なら、非浸潤癌では温存手術でも、そもそも採血しません）
「1型コラーゲンC末端テロヘプチド→5.5は、基準値を超えています。」
⇒全く無意味！
このＱａｎｄＡでも（ＣＥＡやＣＡ１５－３は正常だけど）「Ｉ－ＣＴＰが…」みたいな微妙な値を気にしている方がいらっしゃいますが…
Ｉ－ＣＴＰのような「正常値が有ってない様なもの」を気にする必要はそもそもありません。（もともとＣＥＡやＣＡ１５－３と組み合わせてこそ意味の有る項目です）
「主治医からは、非浸潤癌なので骨転移は考えにくいと言われました」
⇒そもそも根治なのに何故「腫瘍マーカー」など取っているのか？？
（何も考えずに）「ルーチンで仕事をする」ことは止めて、「やること全てに意味付けする」そのような診療をしない限り、（無駄に）「膨大な医療費」となるだけです。
「骨転移ではない場合は、他にどのような要因が考えられるのでしょうか」
⇒どうでもいいことです。
余計なことは気にしない様に。