［管理番号:2741］
性別:女性
年齢:59歳
母が乳がんになりました。
大きさは3.5センチくらい。
リンパ転移ありです。
詳しくはまだわかっていませんが、ホルモンは効かないタイプだろうとの事。
それってトリプルネガティブという事ですよね？
母は前から癌になっても抗ガン剤はしたくないと言っていました。
今回、術前の抗ガン剤をすすめられています。
トリプルネガティブで術前の抗ガン剤をしなかった場合、予後はだいぶ変わってきますか？
主治医の先生は術前をやると、薬が効いているのか見ることができるのでやった方がいいと言っているそうです。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
まず一言コメントさせてもらうと、（抗がん剤を）「術前に行うと、効果が解る」という類のことを言う医師にはうんざりです。
○乳癌で「術前術後に適応のある薬剤は決まっている」ので、何の意味もありません（これが効かないから、あれを使うという選択肢は無いのです）
★術前抗がん剤の『本当の適応は、小さくして温存を希望する場合』のみです。
 
「詳しくはまだわかっていませんが、ホルモンは効かないタイプだろうとの事。」
「それってトリプルネガティブという事ですよ ね？」
⇒トリプルネガティブかHER2タイプのどちらかです。
　ただ、敢えて「HER2のことに触れていない」ことからはトリプルネガティブの可能性の方が高そうです。
 
「母は前から癌になっても抗ガン剤はしたくないと言っていました。」
⇒それであれば、とにかく（術前抗がん剤などせずに）「手術」をすることです。
　手術をして、その「病理結果」をもとに「術後の治療の相談」をすればいいのです。
　トリプルネガティブでは「術後抗がん剤の適応」とはなりますが病理結果により「どの程度の効果（上乗せ）が期待できるのかが解ります。
　それをもとにして、「本当に（術後に）抗がん剤をしないのか、決める」ことでいいと 思います。
「今回、術前の抗ガン剤をすすめられています」
「主治医の先生は術前をやると、薬が効いているのか見ることができるのでやった方がいいと言っている」
⇒このような医師には「いい加減、うんざり」です。
　理由は「冒頭でコメント」した通りです。
 
「トリプルネガティブで術前の抗ガン剤をしなかった場合、予後はだいぶ変わってきますか？」
⇒抗がん剤は「術前に行っても、術後に行っても予後は同じ」ということが解っています。
　「術前に抗がん剤をしなくてはならない」などという理由は（小さくして温存という希望が無い限り）全くありません。